虫媒花と風媒花と水媒花と鳥媒花の違いとは?分類される植物の代表的な種類のまとめ
花を咲かせて種子をつくることによってふえていく一般的な植物の種族にあたる種子植物における花粉の受粉のあり方は、雄しべから雌しべへの受粉を媒介していくことになる花粉の運び手の違いに基づいて、
虫媒花や鳥媒花、風媒花や水媒花と呼ばれる四つのグループへと区分されていくことになると考えられることになります。
そして、このうち、
虫媒花とは、花の蜜や花粉そのものを食べるチョウやミツバチなどといった昆虫の媒介によって花粉の受粉が行われる花や植物のグループ、
鳥媒花とは、花の蜜を吸う小鳥であるハチドリやミツスイなどといった鳥類の媒介によって花粉の受粉が行われる花や植物のグループ、
風媒花とは、大量の花粉を空気中に散布することによって風の力を利用して花粉の受粉が行われる花や植物のグループ、
水媒花とは、池や沼などの水中における拡散作用や沈下作用などといった水の流れを利用して花粉の受粉が行われる花や植物のグループのことを意味する言葉としてそれぞれ定義されることになると考えられることになるのですが、
今回の記事では、
こうした虫媒花と鳥媒花と風媒花と水媒花と呼ばれる四つのグループに分類される代表的な植物の種類について改めて順番にまとめて書いていきたいと思います。
虫媒花に分類される代表的な植物の種類
そうするとまず、はじめに挙げた
虫媒花に分類される代表的な植物の種類としては、種子植物のなかでも被子植物に分類される植物の種類が多く挙げられることになると考えられ、
具体的には、
サクラ(桜)、バラ(薔薇)、スミレ(菫)、イチゴ、リンゴ、ナシ、ミカン、キク(菊)、タンポポ、コスモス(秋桜)、ヒマワリ、アサガオ(朝顔)、ヒルガオ、アブラナ(菜の花)、キャベツ、ダイコン(大根)、ブロッコリー、カリフラワー、ツツジ、ナス、トマト、キュウリ、ヘチマ、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、スイカといった双子葉類の被子植物や、
ユリ(百合)、チューリップ、長ネギ、タマネギ、スイセン(水仙)、ツユクサ、アヤメ、カキツバタといった単子葉類の被子植物の種類の名が挙げられることになります。
また、そのほかにも、
植物の種類の数としては極めて少数の例外的な事例ではあるもの、
ソテツ(蘇鉄)やマオウ(麻黄)やグネツムといった裸子植物の一部にも虫媒花としての花粉の受粉方法を用いる植物の種族も存在すると考えられることになるのです。
鳥媒花とその他の動物媒花に分類される代表的な植物の種類
そして、その次に挙げた
鳥媒花に分類される代表的な植物の種類としては、前述した虫媒花の場合と同じように、虫媒花よりはだいぶ種類は少ないものの被子植物に分類される植物の種類が多く挙げられることになると考えられ、
具体的には、
ツバキ、サザンカ、ウメ(梅)、アンズ(杏)、ビワ(枇杷)、モモ(桃)、アロエ、サルビア、オヒルギ、デイゴ、ハイビスカスといった植物の種類の名が挙げられることになると考えられることになります。
また、その他にも、
こうした鳥媒花に分類される植物よりもさらに少数ではあるものの、コウモリを媒介として花粉の受粉を行うコウモリ媒花に分類されるバオバブの木などのように、
コウモリやフクロミツスイ、ポッサムやキンカジュー、さらには、サルやキツネザルやネズミなどといった昆虫や鳥類以外の動物を花粉の運び手とするその他の動物媒花に分類される植物の種類も少数ですが存在すると考えられることになるのです。
風媒花に分類される代表的な植物の種類
そして、それに対して、
風媒花に分類される代表的な植物の種類としては、種子植物のなかでも特に裸子植物に分類される植物の種類が多く挙げられることになると考えられ、
具体的には、
マツ(松)、カラマツ(唐松)、スギ(杉)、ヒノキ(檜)、トウヒ(唐檜)、アスナロ(翌檜)、モミ、イチイ、カヤ、ナギ、セコイア、メタセコイア、イチョウ(銀杏)といった裸子植物の種類の名が挙げられることになります。
また、
植物の種類の数自体が裸子植物と比べて圧倒的に多い被子植物の中にも風媒花に分類される植物の種類はある程度多く見いだしていくことができると考えられ、
具体的には、
ブナ、カシ(樫)、ナラ(楢)、クヌギ(椚)、ヤナギ(柳)、ポプラ、クワ(桑)、イチジク、シラカバ(白樺)、ハンノキ(榛の木)、イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、イグサ、ヨモギ、ブタクサ、クルミ、ヤマモモ、ヤシ、イラクサ、アシ、ガマといった被子植物の種類の名が挙げられることになると考えられることになるのです。
水媒花に分類される代表的な植物の種類
そして、最後に挙げた
水媒花に分類される代表的な植物の種類としては、水中や水辺において生育する植物の種族のことを意味する水生植物に分類される植物の種類が多く挙げられることになると考えられ、
具体的には、
キンギョモ(金魚藻)、マツモ(松藻)、イバラモ(茨藻)、クロモ(黒藻)、フサモ(房藻)、セキショウモ(石菖藻)、ウミショウブ(海菖蒲)といった植物の種類の名が挙げられることになると考えられることになるのです。
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次回記事: 虫媒花の英語における表現と蟲愛づる姫君との関係、古代ギリシア語を語源とする「虫を愛する者」としての虫媒花のイメージ
前回記事:虫媒花に分類される代表的な植物の種類とは?被子植物と裸子植物に分類される虫媒花の代表的な種類
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