球菌に分類される細菌の大きさの比較、全部で12種類の球菌に分類される代表的な細菌の直径の長さの違い
前回の記事では、球菌(coccus、コッカス)と呼ばれる細胞の形が球形の形状をしている細菌のグループに分類される細菌のなかでも、
人間に対する細菌感染症の病原体となる細菌や、皮膚や腸内における常在菌として位置づけられることになる代表的な12種類の細菌の種類について、それぞれの細菌によって引き起こされることになる感染症の具体的な症状や細菌の感性経路や生息部位などといった点から一通りまとめて記述しましたが、
今回の記事では、こうした全部で12種類の代表的な球菌の種類について、それぞれの細菌の種類における細胞の直径の長さを互いに比べて図示していく形で、球菌に分類される細菌の大きさの比較を行っていきたいと思います。
球菌に分類される12種類の代表的な細菌の大きさの比較
詳しくは、前回の記事でまとめたように、こうした球菌と呼ばれる細菌のグループに分類されることになる細菌のなかでも、人間に対する細菌感染症の病原体や皮膚や腸内における常在菌として位置づけられることになる代表的な細菌の種類としては、
黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、腐性ブドウ球菌といったブドウ球菌に分類される細菌、肺炎球菌や化膿レンサ球菌といった連鎖球菌、
髄膜炎菌や淋菌といったナイセリア属に分類される細菌や、虫歯の原因となるミュータンス菌、カタル球菌、乳酸球菌、腸球菌、ペプトコッカス
といった全部で12種類におよぶ代表的な球菌の種類の名を挙げていくことができると考えられることになるのですが、
このうち、はじめに挙げた
黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、腐性ブドウ球菌という三つの代表的な球菌の種類が分類されることになる
ブドウ球菌(Staphylococcus、スタフィロコッカス)と呼ばれる細菌の種族は、生物学的な分類においては、直径 1マイクロメートル(0.001mm)くらいの大きさをしたグラム陽性の嫌気性球菌に分類される細菌の種類として位置づけられることになり、
その次に挙げた
肺炎球菌や化膿レンサ球菌といった球菌の種類が分類されることになる
連鎖球菌(Streptococcus、ストレプトコッカス)と呼ばれる細菌の種族は、直径 0.8~1.2マイクロメートルくらいの大きさをしたグラム陽性の嫌気性球菌分類される細菌の種類として位置づけられることになります。
そして、その次に挙げた細菌性髄膜炎の原因となる代表的な細菌の種類である
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis、ナイセリア・メニンジティディス)は、直径0.6~0.8マイクロメートルくらいの大きさをしたグラム陰性の好気性双球菌に分類される細菌の種類、
淋病(りんびょう)と呼ばれる尿道炎や排尿痛、子宮頚管炎や不妊症などを引き起こす性感染症の原因となる
淋菌(Neisseria gonorrhoeae、ナイセリア・ゴノレア)は、直径0.6~1.0マイクロメートルくらいの大きさをしたグラム陰性の好気性双球菌に分類される細菌の一種として位置づけられることになり、
その次に挙げた虫歯の原因菌ともなる
ミュータンス菌(Streptococcus mutans、ストレプトコッカス・ミュータンス)は、直径1マイクロメートルくらいの大きさをしたグラム陽性の嫌気性球菌、
カタル球菌(Moraxella catarrhalis、モラクセラ・カタラーリス)は、直径1マイクロメートル前後の大きさをしたグラム陰性の好気性球菌としてそれぞれ位置づけられることになります。
また、その他の代表的な常在菌や腸内細菌の一種として分類されることになる
乳酸球菌は、直径1マイクロメートルくらいの大きさをしたグラム陽性の嫌気性球菌に分類される細菌の種族、
腸球菌も前述した乳酸球菌と同様に、直径1マイクロメートルくらいの大きさをしたグラム陽性の嫌気性球菌に分類される細菌の種族として位置づけられることになり、
最後に挙げた
ペプトコッカスは、直径1マイクロメートルくらいの大きさをしたグラム陽性の嫌気性球菌に分類される細菌の種類としてそれぞれ位置づけられることになると考えられることになるのです。
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そして、上記の図において示したように、
細菌一つ一つの大きさとしては、球菌に分類されることになるほぼすべての細菌の種類が、だいたい直径1マイクロメートル前後の大きさをした細菌の種類として位置づけられることになると考えられ、
上述した代表的な12種類の球菌の大きさの比較においても、
大きい球菌の場合でも直径1.2マイクロメートル、小さい球菌の場合でも直径0.6マイクロメートルくらいという比較的狭い範囲内におさまっていると考えられることになります。
つまり、一言でいうと、
こうした球菌と呼ばれる細菌のグループに分類されることになる細菌の具体的な大きさとしては、
直径が0.6~1.2マイクロメートル (0.0006mm~0.0012mm)という細菌の中でもかなり小さめの細菌の種類が分類されていくことになると考えられることになるのです。
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次回記事:桿菌に分類される36種類の代表的な細菌の種類のまとめ、桿菌に分類される代表的な細菌の種類とは?⑳
前回記事:球菌に分類される12種類の代表的な細菌の種類のまとめ、球菌に分類される代表的な細菌の種類とは?⑥
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