抗菌グッズや除菌グッズの使用が危険とされる四つの具体的な理由とは?健康上のリスクとベネフィットの適切なバランス

薬用石けんや薬用シャンプーあるいは除菌スプレーや除菌クリーナーといった生活用品や台所用品などとして広く用いられている抗菌グッズや除菌グッズは、

日常生活における細菌やウイルスなどによる感染症の予防やより衛生的で清潔感のある快適な生活をサポートしてくれるのに役立つ非常に便利な製品であると考えられることになるのですが、

その一方で、

こうした薬用石けんや薬用シャンプーなどに代表されるような抗菌グッズや除菌グッズの長期にわたる継続的な使用については、健康上のリスクや危険性があるという指摘も数多くなされていて、

そうした抗菌グッズや除菌グッズの使用が危険とされる様々な理由についてまとめて考えていくと、それは結局、以下で挙げるような四つの理由へと集約していくことができると考えられることになります。

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①皮膚表面の常在菌の死滅によ炎症や肌荒れなどの症状の悪化

まず、

抗菌グッズや除菌グッズの長期にわたる継続的な使用健康上のリスクとなる第一の理由としては、

そうした薬用石けんや薬用シャンプーなどに代表されるような抗菌グッズや除菌グッズにおいては、多くの場合、

エタノールイソプロパノールといったアルコール類や、イソプロピルメチルフェノールに代表されるようなフェノール類、あるいは、メチルパラベンエチルパラベンプロピルパラベンといったパラベン類や、安息香酸塩サリチル酸などのカルボン酸といった

一般的な医薬品の分類においては、消毒薬に分類されているような薬品が配合されていて、通常の場合、こうした消毒薬に含まれる殺菌作用によって、感染症の原因となる細菌やウイルスの排除が行われていると考えられることになるのですが、

こうした抗菌グッズや除菌グッズの内に含まれる消毒薬の成分などによって病原性の細菌やウイルスの殺菌がなされていく際には、それに伴って、

本来は皮膚の表面の環境の恒常性を維持することに役立っている皮膚の常在菌も殺菌されてしまうことになるという問題点が挙げられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうした抗菌グッズや除菌グッズの内に含まれている消毒薬の成分の作用などにより、本来、有害な細菌から皮膚を守るバリアとしての役割も担っている皮膚の常在菌ごと死滅してしまうことによって、

かえって皮膚表面の環境が悪化して炎症や肌荒れなどの原因となってしまうことがあると考えられることになるのです。

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②自然界に存在する細菌との接触の機会が減ることによる免疫力の低下

また、

こうした抗菌グッズや除菌グッズの内に含まれる消毒薬の成分などの作用によって皮膚の表面における殺菌が頻繁に繰り返されていくということは、

人体全体が日常的に外界に存在する細菌との接触の少ないクリーンな状態に保たれているということを意味することになると考えられることになりますが、

このことは、逆に言えば、

自然界において日常的に存在する細菌との接触の機会が極端に減ることによって、そうした様々な細菌の種類に対して薬剤の力を借りずに自力で対応することができる人体自身における免疫力が低下していくといったことへもつながってしまうことになるとも考えられることになります。

つまり、

こうした細菌やウイルスが原因となる感染症に対する感染リスクを減らすために行われるはずの頻繁な殺菌といった行為自体が、そうした日常的な細菌やウイルスに対する人体自身の免疫力を低下させることによって、

かえって長期的には、風邪などを引き起こす日常的なウイルスや細菌に感染しやすい感染症に弱い体質を形成していくことにつながってしまうことにもなり得ると考えられることになるのです。

③免疫細胞の学習機会の減少によるアレルギー疾患や自己免疫疾患の増加

そして、

自然界に存在する日常的な細菌との接触の機会が極端に減るということは、そうした外部から侵入してくる細菌やウイルスに対する人体自身の免疫力や抵抗力が弱まってしまうということだけを意味するだけではなく、

そうした日常的な細菌との接触機会の低下により、免疫細胞の学習機会が減少していくことによって、

免疫力の暴走や誤作動にあたるアレルギー疾患や自己免疫疾患といった疾患を引き起こしやすくなる危険性もある程度と高まってしまう可能性があると考えられることになります。

④抗菌薬と近い性質をもった化学物質との長期間の接触による抗生物質に耐性をもった耐性菌の発生

そして、

詳しくは前々回の「抗菌グッズや除菌グッズに含まれる化学物質によって抗生物質が効きにくい耐性菌が生まれる危険性が高まる理由」の記事で詳しく考察したように、

これは、すべての抗菌グッズや除菌グッズにおいてそうしたことが起こるわけではなく、特定の薬剤の成分が用いられている一部の製品だけに限定されることにはなるのですが、

2016年のアメリカ食品医薬品局(FDA)による抗菌石けんに対する規制などにおいて指摘されているトリクロサントリクロカルバンといった合成抗菌薬と極めて近い性質をもった化学物質が含まれているような抗菌用品においては、

それらの化学物質が含まれている抗菌グッズや除菌グッズに長く接触し続けることによって、そうした化学物質と類似した分子構造や薬理作用をもった合成抗菌薬や抗生物質などに耐性をもった耐性菌などが出現しやすくなる危険性があると考えられることになるのです。

・・・

以上のように、

こうした薬用石けんや薬用シャンプーなどに代表されるような抗菌グッズや除菌グッズの長期にわたる継続的な使用において指摘される健康上のリスクや危険性のあり方についてまとめると、それについては、

①皮膚表面の常在菌の死滅による炎症や肌荒れなどの症状の悪化
②自然界に存在する細菌との接触の機会が減ることによる免疫力の低下
③免疫細胞の学習機会の減少によるアレルギー疾患や自己免疫疾患の増加
④抗菌薬と近い性質をもった化学物質との長期間の接触による抗生物質に耐性をもった耐性菌の発生

といった四つの具体的な理由を挙げることができると考えられることになります。

しかし、その一方で、

もちろんこうした薬用石けんや除菌スプレーなどに代表される一定の殺菌作用を備えた抗菌グッズや除菌グッズを用いることによって、

インフルエンザ対策としてアルコール消毒液を用いたり、ノロウイルス対策として次亜塩素酸ナトリウムを用いたりするのと同様に、

そういったインフルエンザウイルスやノロウイルスあるいは肺炎球菌や大腸菌といったウイルスや細菌による感染症を予防する効果は一定程度増加するといったメリットもある程度は存在すると考えられることになるので、

実際の日常生活においては、

そうした薬用石けんや除菌スプレーなどに代表される抗菌グッズや除菌グッズのなかでも、トリクロサントリクロカルバンあるいはヘキサクロロフェンといった米国食品医薬品局(FDA)が人体への健康上のリスクへの懸念から使用禁止を表明している化学物質などが用いられている製品の使用はなるべく避けるようにする、

あるいは、

そうした製品を使用する時期インフルエンザやノロウイルスなどによる感染症の危険性が高まる冬の時期や、学校や職場などでそうした感染症が実際に流行っている期間などに限定するといった対策をとることによって、

こうした抗菌グッズや除菌グッズの使用による人体に対する健康上のリスクとベネフィット(利益)との適切なバランスをとっていくことが必要となると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:2016年のアメリカ食品医薬品局による19種類の化学物質の禁止リストに含まれているすべての薬剤の種類の名称と禁止された具体的な理由

 前回記事:薬用石けんには抗生物質が入っている場合があるのか?トリクロサンやトリクロカルバンといった化学物質と合成抗菌薬の類似性

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