抗菌グッズや除菌グッズに含まれる化学物質によって抗生物質が効きにくい耐性菌が生まれる危険性が高まる理由とは?

薬用液体せっけん薬用シャンプーあるいは除菌クリーナーといった製品などに代表される抗菌グッズ除菌グッズといった製品が人体に対して必ずしも良い影響だけではなく悪い影響ももたらすとされる理由の一つとしては、

そうした抗菌グッズ除菌グッズに含まれる化学物質に長く接触し続けることよって抗生物質が効きにくい耐性菌が出現する危険性が高まってしまうといった点が挙げられることになりますが、

本来、抗生物質医薬品としての抗菌薬に分類されるような薬剤はまったく含まれていないはずのこうした抗菌加工が施された製品を使用することによって、そうした抗生物質が効きにくい耐性菌が生じてしまうことがあるとされることには具体的にどのような理由があると考えられることになるのでしょうか?

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一般的な抗菌グッズや除菌グッズに含まれている化学的な抗菌剤の種類

まず、

前回の記事で書いたように、

本来、抗生物質を含む医薬品としての抗菌薬と抗菌グッズや除菌グッズなどの日用品に用いられている工業用や家庭用としての抗菌剤には、

同じ「抗菌」という言葉が用いられているとはいっても、実際には、互いに似て非なる性質をもった薬剤の種類が分類されることになると考えられ、

具体的には、

こうした抗菌グッズ除菌グッズに含まれている工業的あるいは家庭的な用途において用いられる抗菌剤の区分には、

アルコール類フェノール類に分類される化学物質に代表されるような通常の医薬品の分類においては、抗菌薬ではなく消毒薬に分類される化学物質の種類が数多く分類されていくことになります。

つまり、そういった意味では、

例えば、インフルエンザの対策として建物の中に入るときに入り口に設置してある消毒用アルコールで手を消毒しても、そうしたことは医薬品としての抗生物質や抗菌剤の作用とはほとんど無関係であり、

むしろ、感染症の予防といった観点においては、そうした消毒という行為自体は、ある程度奨励されることになるのと同様に、

エタノールイソプロパノールといったアルコール類や、イソプロピルメチルフェノールといった一般的なフェノール類あるいはパラベン類安息香酸塩サリチル酸などのカルボン酸に代表されるような消毒薬に類する成分が含まれている抗菌グッズ除菌グッズを使用しても、

そのことによって直接的に、抗生物質といったより複雑な薬理作用をもつ薬剤に対する耐性菌が新たに生まれてしまうようなことはほとんど起こらないと考えられることになるのです。

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トリクロサンやトリクロカルバンといった医薬品としての抗菌薬と近い薬理作用をもった化学物質の危険性

それでは、

こうした抗菌グッズ除菌グッズといった製品に含まれる様々な化学物質の働きによって、抗生物質が効きにくい耐性菌が生じてしまうことはまったくあり得ないことなのか?というと、必ずしもそう言い切ることができるわけではなく、

こうした抗菌グッズ除菌グッズに用いられている工業用や家庭用としての抗菌剤のなかにも、そうした成分の種類のごく一部であるものの、

単なる消毒薬というよりは、むしろ、抗生物質に代表されるような医薬品としての抗菌薬に極めて近い薬理作用をもった化学物質の存在も挙げられることになります。

そして、

耐性菌の出現確率が高まってしまうことへの懸念なども含めた健康への悪影響への多様なリスクが強く指摘されていくなか、

2016年の9には、アメリカにおいて米国食品医薬品局(FDAによって、それまで薬用石けん薬用シャンプーといった製品において幅広く用いられてきた薬剤であるトリクロサンを含む全部で19種類の殺菌作用をもつ化学物質に対して、その使用を禁止する規制が発表されることになるのですが、

こうした19種類にも及ぶ人体に対する悪影響の危険性が指摘された化学物質のなかでも、特に、トリクロサントリクロカルバンそのほかにもオキシクロロセンナトリウムといった化学物質については、

それは、エタノールなどのアルコール類に代表されるような単に細菌全般を非選択的に一律に死滅させる作用をもった消毒薬や殺菌剤にあたる化学物質というよりは、

むしろ、抗生物質に代表される医薬品としての抗菌薬と極めて近い分子構造と薬理作用をもった化学物質にあたると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

同じ抗菌グッズや除菌グッズに分類される製品を用いる場合でも、そうした製品における抗菌や殺菌の作用が、

上述したエタノールイソプロパノールといったアルコール類や、イソプロピルメチルフェノールといった一般的なフェノール類あるいはパラベン類カルボン酸に代表されるような一般的な薬剤の分類においては消毒薬に類する化学物質として位置づけられるような薬剤の作用としてもたらされている場合には、

通常の場合、そうしたアルコールなどの消毒薬に類する化学物質が配合された抗菌グッズや除菌グッズを用いるだけでは、抗生物質に代表される医薬品としての抗菌薬に対して耐性を備えた凶悪な耐性菌が生じてしまう危険性はほとんどないと考えられることになるのですが、

その一方で、

そうした抗菌グッズや除菌グッズに、上述したトリクロサントリクロカルバンといった化学物質に代表されるような医薬品としての抗菌薬と極めて近い分子構造と薬理作用をもった化学物質が配合されている場合には、

そうした医薬品としての抗菌薬と近い薬理作用をもった化学物質に長く接触し続けることによって、結果として、そうした化学物質と類似した分子構造や薬理作用をもった抗生物質や合成抗菌薬に対する耐性を備えた耐性菌が生じてしまうリスクがわずかながら高まってしまう危険性があると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:薬用石けんには抗生物質が入っている場合があるのか?トリクロサンやトリクロカルバンといった化学物質と合成抗菌薬の類似性

前回記事:工業用や家庭用の抗菌剤と医薬品としての抗菌薬の違いと抗菌剤に分類される代表的な化学物質の種類

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