2016年のアメリカ食品医薬品局による19種類の化学物質の禁止リストに含まれているすべての薬剤の種類の名称と禁止された具体的な理由

薬用石けんや薬用シャンプーなどに代表されるような抗菌グッズや除菌グッズに配合されている様々な成分の人体に対するする安全性と危険性を判別する基準としては、

そうした基準の一つとして、

201692にアメリカの米国食品医薬品局(FDAによって薬用石けんなどの日用品に添加することが禁止された19種類の化学物質の禁止リストの存在が挙げられることになります。

それでは、こうした禁止リストのなかには、

どのような薬品の種類の名称が挙げられていて、それぞれの薬品は具体的にどのような性質をもっているがゆえに、そうした禁止されるべき化学物質のリストにその名が連ねられることになったと考えられることになるのでしょうか?

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アメリカ食品医薬品局によって発表された19種類の化学物質の禁止リスト

まず、

こうしたアメリカ食品医薬品局(FDAによって201692に発表された19種類の化学物質の禁止リストに挙げられた具体的な薬品の種類の名称は、

FDAによる発表資料の原本や、それに基づく日本の厚生労働省による報道発表資料、さらには、国立医薬品食品衛生研究所などの資料に基づくと、

以下に記した19種類の化学物質の名称が挙げられることになります。

クロフルカルバン、ハロカルバン(Cloflucarban)
フルオロサラン(Fluorosalan)
ヘキサクロロフェン(Hexachlorophene)
ヘキシルレゾルシノール(Hexylresorcinol)
⑤アンモニウムエーテル硫酸、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸(ammonium ether sulfate and polyoxyethylene sorbitan monolaurate)
⑥アルキルアリールオキシポリエチレングリコールリン酸エステル(phosphate ester of alkylaryloxy polyethylene glycol)
⑦ノニルフェノキシポリ(エチレノキシ)エタノールヨウ素(Nonylphenoxypoly (ethyleneoxy) ethanoliodine)
⑧ポロキサマーヨウ素複合体(Poloxamer-iodine complex)
⑨ポビドンヨード(ヨウ素5~10%)(Povidone-iodine 5 to 10 percent)
⑩塩化ウンデコイリウムヨウ素複合体(Undecoylium chloride iodine complex)
メチルベンゼトニウムクロリド、塩化メチルベンゼトニウム(Methylbenzethonium chloride)
⑫フェノール(1.5%以上)(Phenol (greater than 1.5 percent))
⑬フェノール(1.5%未満)(Phenol (less than 1.5 percent))
⑭二級アミルトリクレゾール類(Secondary amyltricresols)
⑮オキシクロロセンナトリウム(Sodium oxychlorosene)
トリブロムサラン(Tribromsalan)
トリクロカルバン、トリクロロカルバニリド(Triclocarban)
⑱トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(Triclosan)
⑲トリプルダイ、ブリリアントグリーン(Triple dye)

※参考資料
・FDA(Docket No. FDA-1975-N-0012)、15~16ページ
https://s3.amazonaws.com/public-inspection.federalregister.gov/2016-21337.pdf
・厚生労働省2016年9月報道発表資料:
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000138223.html
・国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No. 19
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201619c.pdf

・・・

それでは、

こうしたアメリカ食品医薬品局による禁止リストに挙げられている19種類の化学物質は、それぞれ具体的にはどのような薬品の種類に分類される化学物質であり、それらの化学物資は具体的にどのような理由によってそうした禁止リストに名が連ねられることになったのか?ということについてですが、

それについてはまず、

上記の禁止リストのなかの最初に挙げられているクロフルカルバンと呼ばれる化学物質は、医薬品の分類でいうと殺菌消毒薬に分類される薬剤であり、

その後に続くフルオロサランヘキサクロロフェンフェノールクレゾールといった薬剤なども同様に、殺菌消毒薬に分類される薬剤として位置づけられることになります。

また、

上記の九番目に挙げられているポビドンヨードと記されている薬剤は、より一般的な製品名としては、うがい薬のイソジンなどにも配合されている、やはり殺菌消毒薬に分類される薬剤であり、

上記のリストの四番目に挙げられているヘキシルレゾルシノールと、十六番目に挙げられているトリブロムサランは、殺菌消毒薬に分類されるとともに、寄生虫を駆除して体外に排出する駆虫薬(くちゅうざい)の一種にも分類されることになります。

そして、それに対して、

リストの十五番目に挙げられているオキシクロロセンナトリウム外用抗感染症薬、すなわち、合成抗菌薬の一種に分類される薬剤であり、

それと同様に、

リストの十七番目と十八番目に挙げられているトリクロカルバントリクロサンといった薬剤についても、それは殺菌消毒薬に分類されるとともに、合成抗菌剤に近い性質をもった薬剤の種類として位置づけられることになります。

そして、

リストの最後に挙げられたトリプルダイは、ブリリアントグリーンと呼ばれる薬剤は、緑色の色素や染料、あるいは、水溶液における酸性かアルカリ性の性質に応じて変色するpH指示薬(ペーハー指示薬)としても用いられる薬剤なのですが、

こうしたトリプルダイブリリアントグリーンと呼ばれる色素も、それは医薬品としては感染症の予防に用いられる合成抗菌薬に近い性質をもった薬剤として位置づけられることになるのです。

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以上のように、

こうした2016年のアメリカ食品医薬品局(FDA)による抗菌石けんに対する規制において挙げられている19種類の化学物質の禁止リストには、

クロフルカルバンフルオロサランヘキサクロロフェンヘキシルレゾルシノール⑤アンモニウムエーテル硫酸、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸⑥アルキルアリールオキシポリエチレングリコールリン酸エステル⑦ノニルフェノキシポリ(エチレノキシ)エタノールヨウ素、⑧ポロキサマーヨウ素複合体⑨ポビドンヨード(ヨウ素5~10%)⑩塩化ウンデコイリウムヨウ素複合体メチルベンゼトニウムクロリド、塩化メチルベンゼトニウム⑫フェノール(1.5%以上)、⑬フェノール(1.5%未満)、⑭二級アミルトリクレゾール類⑮オキシクロロセンナトリウムトリブロムサラントリクロカルバン、トリクロロカルバニリド⑱トリクロサン、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル⑲トリプルダイ、ブリリアントグリーン

といった薬品の種類の名称が挙げられることになります。

そして、

これらのアメリカ食品医薬品局の禁止リストに加えられている様々な薬剤の種類のうち、

フェノールクレゾールあるいはポビドンヨードといった一般的な消毒薬にも分類される薬品については、そうした薬品自体が特別に危険であるというわけではなく

むしろ、

医療用の消毒薬としても用いられるこれらの薬品は、日常的な生活用品として用いるには少々消毒薬としての殺菌作用が強すぎるといった意味で、薬用石けんなどの日用品への使用に対する禁止リストのうちに加えられることになったと考えられることになります。

そして、それに対して、

オキシクロロセンナトリウムトリクロカルバントリクロサンといった薬剤については、

それが医薬品としての抗生物質や抗菌薬と呼ばれる薬剤と極めて近い性質を持った薬剤として位置づけられることになるため、

こうした薬剤を日常的に多用しすぎることによって、そうした抗生物質や抗菌薬に対する耐性を備えた耐性菌の発生なども危惧されてしまうことになるといった理由からも、

そうした薬剤の種類が上記の19種類の化学物質の禁止リストのうちに加えられることになったと考えられることになるのです。

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次回記事:真菌と細菌の違いとは?カビや酵母やキノコが分類される真菌と細菌の細胞における五つの特徴の違い

前回記事:抗菌グッズや除菌グッズの使用が危険とされる四つの具体的な理由とは?健康上のリスクとベネフィットの適切なバランス

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