ノロウイルスの徹底した予防対策ってそんなに大変なの?ノロウイルス対策③

今回のシリーズ「ノロウイルス対策」は、ノロウイルスに対する徹底した予防対策おこなうには、どういうことに注意をしなければならないのか、について調べてみました。

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ノロウイルスに対する徹底した予防対策ってどうやるの?

前回の「ノロウイルス対策②」で見たように、
ノロウイルスに対する一般的な予防対策だけでも、それを全部おこなおうとするとけっこう大変なことになってしまいます。

ノロウイルスの家庭内感染を完全に予防するためには、

除染作業にとりかかるたびに、マスクもビニール手袋も新しいものに取り替えなければならないし、

除染も、感染者がトイレなどに移動するたびに、
ドアノブから蛇口便器、はてはスリッパから、感染者が移動した廊下全部まで、
200ppmの次亜塩素酸ナトリウムでことごとく除染しなければならないし、

除染作業時の感染リスクをゼロにするためには、
マスクやビニール袋だけではなく、使い捨てのエプロンやゴーグルまで着用して、
皮膚と粘膜を完全に防護しなければならないし、

吐物などの汚染物の処理では、ウイルスの飛散を完全に防ぐために、
ペーパータオルを複数枚かぶせてから、
塩素系漂白剤の原液を上からスプレーして30分待ち
さらに1000 ppmの次亜塩素酸ナトリウムをかけて湿らせてから、
ビニール袋に包み込んで完全に密封処理してから廃棄し、
その後でを200ppmの次亜塩素酸ナトリウムで除染しなければならないし、

そうそう、調理器具食器も、片づけたり、新たに調理にとりかかるたびに、
一通り煮沸して、毎回すべて熱湯処理しておかなくてはならないし・・・、

というように、

絶対に感染しない、「完全な予防対策」を目指す限り、
感染予防対策に費やす、手間コスト労力も、無際限に増加していき、
身体がいくらあっても足りないという状態になってしまいます。

しかも、

ノロウイルス胃腸炎の症状自体は2日程度でおさまっても、
ウイルスの排出自体は2週間から最大で1カ月くらい続くこともあり得るので、

感染者がノロウイルスから回復しても、こうした徹底した感染予防対策を、さらにまるまる1か月間続けることになるのです。

なんだか、考えただけでうんざりしてきますよね。

そして、
このような完璧と思えるノロウイルス撃退プランを立てて、それを実行しようとしてもなお、

想定外の事態が起こったり、
手順のなかで一つでもうっかりミスをしてしまえば、
また新たな感染者が発生してしまう可能性がでてくることになるのす。

なんだかこれでは、
アウトブレイク』や『バイオハザード』などのような、ウイルスパニック映画の恐怖の世界に迷い込んでしまったみたいですよね。

予防対策中はいっときも気の休まる時がなく、
これでは、ノロウイルスに感染してしまうかどうかの勝敗が決着する前に、
予防対策を実行している人の方が先に倒れて、ノイローゼにでもなってしまいそうです。

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家庭内でノロウイルスの徹底した予防対策をおこなうのは無理なの?

もちろん、医療機関や、レストランなどのお店では、
たとえ1件でもノロウイルスの食中毒や集団感染を引き起こしてしまえば、
評判がガタ落ちとなり、社会的にも大きなリスクとなるので、
ある程度は徹底した予防対策を組織的に実施していくことが必要ですし、
それが企業としての死活問題になります。

しかし、家庭内での感染予防対策としては、ここまで徹底した予防対策をするのは、土台無理というものではないでしょうか。

また、仮に頑張ってこうした徹底対策をやりきったとしても、
心身の疲労や日常生活への支障といったマイナス面の方が大きく出てしまい、
トータルとしてはデメリットの方が大きかったという事態になってしまいそうです。

業務として感染予防対策をおこなう場合は、
こうした徹底した予防対策がある程度は求められることになりますが、

それを家庭レベルでおこなおうとすると、
手間も、コストも、労力も過大になってしまうので、
決してバランスのとれたベストな対策とはいえないように思えます。

それでは、日常生活にも、看護者の心身にも、過度な負担をかけない、
適切なバランスのとれた予防対策とはどのようなものなのでしょうか?

そして、家庭内感染を完璧に防ぎきる、徹底した感染予防対策が難しい、とすると、

そもそも、家庭内におけるノロウイルス対策の目標はどのようなところにおくべきなのでしょうか?

次回は、そうしたことについて考えていきたいと思います。

まとめ

ノロウイルスの家庭内感染を完全に予防するためには、
感染予防対策に費やす、手間もコストも労力も、無際限に増加していき、
身体がいくらあっても足りないという状態になってしまいます。

しかも、ノロウイルス胃腸炎の症状は2日程度でおさまっても、
ウイルスの排出は2週間から最大で1カ月くらい続くこともあり得ます。

医療機関や、レストランなどのお店では、ある程度は徹底した予防対策を組織的に実施していくことが必要ですが、家庭内での感染予防対策で、徹底した予防対策をするのは、無理ではないでしょうか。

 

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