ノロウイルスの感染ルートと一般的な予防対策とは?ノロウイルス対策②

今回のシリーズ「ノロウイルス対策」は、ノロウイルスの感染ルートと一般的な予防対策について調べてみました。

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ノロウイルスに感染する3つのルートとは?

ノロウイルスには次の3つの感染ルートがあります。

① 感染者の手に触れたり、汚染物や、汚染されたドアノブ、蛇口の取っ手などに触れたりした後、
その汚染された手で自分の口や鼻を触ってしまうことによりウイルスが体内に入り込む、接触感染

② 汚染物が乾燥して塵や埃と一緒に空気中に舞い上がり、
その汚染された塵や埃ごと吸い込むことによる、飛沫感染

③ 汚染されたカキなどの二枚貝を加熱せずに食べたり、
ウイルスが付いた手で調理したり、
調理器具や食器にウイルスが付着していたりした、食品感染(=食中毒

以上の、①接触感染、②飛沫感染、③食品感染食中毒)が、ノロウイルスに感染する一般的なルートです。

ノロウイルスに対する一般的な予防対策とは?

次に、ノロウイルスを失活(活性を失わせ、反応を起こさせなくすること)させるための予防対策ということですが、

前回の、シリーズ「ノロウイルス対策」の「ノロウイルスの特徴と失活条件」の項目でも書いた通り、

ノロウイルス自体を完全に失活化させるためには、
85℃以上で1分間以上加熱するか、次亜塩素酸ナトリウムで消毒することが必要となります。

したがって、それぞれの感染ルートからの感染を防ぐためには、
以下のような対策が、ノロウイルスの一般的な予防対策となります。

感染者を自室などに隔離して、
看護のために部屋に入るなど、患者や汚染物と接触する可能性があるときは、
使い捨てのマスクやビニール手袋などで防護してから入室します。

ドアノブや蛇口、便座などのウイルスが付着した可能性がある場所をこまめに200ppm次亜塩素酸ナトリウム水溶液で消毒します。

ppmは「100万分のいくらという割合」を示す数値なので、パーセントで言うと、1ppm=0.0001%、200ppm=0.02%ということになります。

[su_box title=” 200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液のつくり方” style=”soft” box_color=”#0c06ec” title_color=”#e5fefe”]⑴ 500ml入りのペットボトルなどを用意します。
水500mlに対して、塩素系漂白剤(キッチンハイターや衣料用ハイターなど) を2cc(小さじ2分の1弱)入れれば、200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液ができます。
[/su_box]

※ なお、塩素系漂白剤は、「混ぜるな危険」とよく言われているように、塩素系漂白剤と酸性洗浄剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生する危険があるので、取り扱いには十分注意しましょう。

③ 吐物などの汚染物を処理するときは、
使い捨てのマスク、ビニール手袋などを着用したうえで、
周りに飛び散らないようにペーパータオルなどで汚染物を拭き取ってから、
床を200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液で浸すようにして拭き取ります。

食品感染を防ぐために、カキなどの二枚貝は食品の中心部が85℃以上になるようにして1分間以上しっかり加熱します。
また、ウイルスが付着した可能性のある調理器具や食器については、煮沸して熱湯処理するか、200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液で浸すように拭いてから、十分に水洗いします。

以上が、一般的な予防対策とされてます。

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ノロウイルスに対する徹底した予防対策とは?

以上のような一般的な予防対策だけでも、それを全部行おうとするとけっこう大変なことになってしまうように思います。

まず、塩素系漂白剤を用意して、それを希釈した水溶液をつくるだけでもひと手間ですし、
感染者がトイレに行ったりするたびに、後をくっついていくように希釈液であちこち除染してまわるとなると、それだけでかなりの労力になってしまいます。

しかも、当然のことですが、ノロウイルス胃腸炎の感染者は、かなり頻繁に自室からトイレまでの道のりを往復し続けることになり、
その分だけ、ドアノブや蛇口、便器などを除染してまわる労力も飛躍的に増大していくことになります。

それに、感染者が使用した食器を煮沸して熱湯処理したり、
除染作業にとりかかるたびに、マスクやビニール手袋を着用して、
それを外して捨てるときには密閉処理をしてから廃棄する、となると、
ほとんど一日中、ノロウイルスの感染予防対策だけにかかりっきりになってしまうことになります。

しかも、10個から100個程度のウイルスが入ってきただけで感染してしまうノロウイルスの感染力の強さを考えると、
以上のような一般的な予防対策を実行するだけでは、なかなか完全に予防しきるには至らないでしょう。

では、ノロウイルスの家庭内感染を完全に予防するためには、どこまで徹底した予防対策をすることになってしまうのでしょうか?
また、それをおこなうことは実際に可能なのでしょうか?

次回は、それらのことについて具体的に検証していくことにします。

まとめ

ノロウイルスには、接触感染、飛沫感染、食品感染(=食中毒)という3つの感染ルートがあります。

ノロウイルスの感染を防ぐための一般的な予防対策は、
患者を隔離し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液で消毒し、食品感染を防ぐために加熱したり煮沸したり、次亜塩素酸ナトリウム水溶液で水洗いをします。

しかし、このような一般的な予防対策を実行するだけでは、ノロウイルスの感染を完全に予防することはできません。

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