二十四節気で冬を構成する立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒という六つの節気の天文学的な位置づけと具体的な意味と特徴
前回の記事でも書いたように、二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれる日本や中国の暦において古来、長きにわたって用いられてきた暦の区分のあり方においては、立春から大寒までの二十四の節気によって一年の区分けがなされていたと考えられることになるのですが、
そうした二十四節気における季節の区分においては、立冬から立春の前日までにあたる期間が冬の季節と位置づけられていて、
具体的には、
立冬(りっとう)・小雪(しょうせつ)・大雪(たいせつ)・冬至(とうじ)・小寒(しょうかん)・大寒(だいかん)と呼ばれる六つの節気が、
こうした冬を構成する六つの暦の区分点として位置づけられることになると考えられることになります。
それでは、
こうした二十四節気における立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒という冬を構成する六つの節気は、それぞれ具体的にどのような意味と特徴をもった節気のあり方として位置づけられることになると考えられることになるのでしょうか?
二十四節気における冬の季節の天文学的な定義と冬の季節の中心としての冬至の日の位置づけ
そうすると、まず、上記の図において示したように、
二十四節気において冬の季節として位置づけられることになる立冬から立春の前日までの期間は、天文学的な位置づけにおいては、
天球上の太陽の年周軌道にあたる黄道上において、天の赤道を基準とした太陽の高度が最も低い地点へと到達することになる黄経270度の冬至点を中心とする天球上の90度の領域に太陽が位置している期間、
すなわち、太陽黄経が225度から315度までの期間が冬の季節にあたる期間として位置づけられることになると考えられることになります。
そして、
こうした冬の季節の中心として位置づけられることになる冬至の日は、
日本を含む北半球の地域からの観測においては南中時における太陽の高度が最も低くなることによって、一年のなかで昼の長さが一番短くなる日として位置づけられることになると考えられることになるのです。
立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒という冬を構成する六つの節気の具体的な意味と特徴
それでは、
こうした冬の季節のうちに含まれている立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒という六つの節気は、それぞれ具体的にどのような意味と特徴を持つ節気として位置づけられることになるのか?ということについてですが、
こうした冬を構成する六つの節気のうちのはじめに挙げた
立冬(りっとう)とは、その名の通り、秋が極まったのちに冬の気配が立ちはじめる日のことを意味していて、この頃になると太陽の光が弱まっていき、草木を枯らす寒い北風である木枯らしが吹きはじめることになり、
天文学的な定義においては、現在の暦の日付では11月7日ごろにあたる太陽黄経が225度に達する日がこうした立冬の日として位置づけられることになると考えられることになります。
そして、その次に挙げた
小雪(しょうせつ)とは、少しばかりの雪が降りはじめる時期のことを意味していて、日本国内においても北陸地方などを中心に初雪の観測がなされていく時期を迎えていくことになり、
天文学的な定義においては、現在の暦の日付では11月22日ごろにあたる太陽黄経が240度に達する日がこうした小雪の日として位置づけられることになるのに対して、
その次に挙げた
大雪(たいせつ)とは、多くの雪が降り積もっていくようになる時期のことを意味していて、日本海側などを中心に大量の積雪などが観測されるようになっていく時期にあたり、
天文学的な定義においては、現在の暦の日付では12月7日ごろにあたる太陽黄経が255度に達する日がこうした大雪の日として位置づけられることになります。
そして、それに対して、その次の
冬至(とうじ)とは、前述したように、南中時における太陽の高度が最も低くなることによって、一日における昼の長さが一番短くなる日となる冬の季節の中心として位置づけられる節気にあたり、
天文学的な定義においては、現在の暦の日付では12月22日ごろにあたる太陽黄経が270度に達する日がこうした冬至の日として位置づけられることになると考えられることになります。
また、その次に挙げた
小寒(しょうかん)とは、暦の上で寒さが最も厳しくなる時期の前半部分、すなわち、寒さが厳しくなりはじめる時期のことを意味していて、
天文学的な定義においては、現在の暦の日付では1月5日ごろにあたる太陽黄経が285度に達する日がこうした小寒の日として位置づけられることになるのに対して、
最後に挙げた
大寒(だいかん)とは、暦の上で寒さが最も厳しくなる時期の後半部分、すなわち、寒さが一年のうちで最も厳しくなる時期のことを意味していて、この頃になると大地だけではなく川の水までもが凍てついて氷が堅く張りつめていくようになる時期を迎えていくことになり、
天文学的な定義においては、現在の暦の日付では1月20日ごろにあたる太陽黄経が300度に達する日がこうした大寒の日として位置づけられることになると考えられることになるのです。
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次回記事:二十四節気における四季の区分と現代の暦の日付との対応関係とは?春夏秋冬のそれぞれに分類される六つずつの暦の区分点
前回記事:二十四節気で秋を構成する立秋・小満・芒種・夏至・小暑・大暑という六つの節気の天文学的な位置づけと具体的な意味と特徴
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