レポートは左とじか右とじか?横書き縦書きに共通する絶対に間違えないとじ方の法則とは?

洋装本や和装本といった出版物の製本においても、横書きである洋書は左とじ、縦書きであることが多い和書は通常は右とじとなりますが、

それと同様に、

レポートなどの書類のとじ方においても、横書きの文書は左上を、縦書きの文書は右上をとじるのが通常の文書のとじ方となっています。

したがって、

通常の横書きのレポートでは、文書の左上をななめ45度の角度でホッチキスでとめるというのが常識的な文書のとじ方ということになるのですが、

このように、横書きの文書が左とじとされ、縦書きの文書が右とじとされるのには、具体的にどのような理由があると考えられるのでしょうか?

今回は、なぜ、横書きの文書は左とじになり、縦書きの文書では右とじになるのか?という理由について詳しく考えていくことを通じて、

横書き縦書きのどちらの文書をとじる時にも共通して使える文書のとじ方の普遍的な法則を明らかにしたいと思います。

スポンサーリンク

作業上の効率性と視線の流れに基づく左とじ右とじの理由

レポートのような普通の横書きの文書をとじる時に、左上隅と右上隅のどちらをとじるべきか?という問題については、

文書を扱う時の実務的な作業上の効率性と、実際に文章を読み進めていくときの視線の流れという二つの観点から答えが考えられることになります。

まず、はじめに、

文字を取り扱う作業の効率性について考えてみると、
それは以下のような議論となります。

人間の90%程度は右利きであると考えられているので、例えば、提出されたレポートの採点を多数派である右利きの人がするケースについて考えてみると、

採点者は、利き手である右手でペンを持ち、読んでいるレポート用紙自体か、別に用意した記録用紙などにコメントや採点結果を書き入れながらレポートを読み進めていくことになります。

すると、ページをめくるのは、ペンを持っていない空いている方の手である左手ということになるので、

このとき、レポートが右上隅でとじられていると、左手で左から右へとペンを持っている右手をクロスするような形でページをめくらなければならなくなってしまい、非常に手の動きが窮屈でページがめくりにくい状態になってしまいます。

したがって、

レポートの採点者が右利きであり、右手にペンをもって書き込みを行いながら左手でページをめくると仮定すると、右とじのレポートはめくりにくく左とじのレポートの方がスムーズにめくれて採点者にとっては親切である可能性が高いと考えられることになるのです。

しかし、

以上のような作業の効率性の観点からの説明では、横書きの文書が左とじになる理由についてはうまく説明できても、縦書きの文書が右とじになる理由は説明できないので、

縦書きの文書の場合も含めた文書の左とじと右とじの理由については、むしろ、実際に文章を読み進めていくときの視線の流れという観点から説明されることになります。

例えば、

縦書きで書かれた文庫本の小説を読んでいるときの視線の流れは、右側のページの文頭である右上隅の位置から始まり、その後、視線は上下しながら徐々に左へと進んでいくことになり、最後には、左側のページの文末である左下隅の位置までくることになります。

そして、このとき、

最も自然な流れとしては、最後に視線が行き着いた先である左下隅の紙の端をめくってから新しいページの右上隅の文頭の位置へと再び視線が向かうことになるのですが、

こうした文章を読み進めていくときの視線の流れとページをめくる手の動きというのは、製本された文庫本であっても、ホッチキスでとじられた普通の縦書きの書類であっても、基本的には同じ流れということになるので、

縦書きの文書の場合、文庫本における流れと同様に、最後に視線が行き着く先である左下隅の紙の端をめくって次のページへと進むのが最も自然な流れということになります。

そして、

文書の左下隅を手に取ってぺージをめくるためには、紙をめくるための支点となるホッチキスの位置は、紙がめくられる左下隅の位置とは正反対の右上隅の位置でとじられていることが必要になるので、

縦書きの文書の場合は、右上隅をホッチキスでとじる右とじが適していると考えられることになるのです。

これと同じ理屈で、

横書きの文書では、文章を読み進めていったときに、視線は最後に文末である右下隅の位置にくることになるので、

視線が最後に行き着く先である右下隅の紙の端をそのままめくって次のページへと進むためには、ホッチキスの位置は、紙がめくられる右下隅の位置とは正反対の左上隅の位置でとじられていることが必要となり、

横書きの文書の場合は、次のページの文頭部分が位置することになる左上隅をホッチキスでとじる左とじが適していると考えられることになるのです。

スポンサーリンク

横書き縦書きに共通する絶対に間違えない文書のとじ方の法則

そして、

以上のように、文章を読み進めていくときの視線の動きに焦点を当てたうえで、文書の一般的なとじ方について考えていくと、

単に、横書きだから左とじ縦書きだから右とじということ以上に、文章のとじ方には、横書き縦書きにも共通する普遍的な法則があると気づくことになります。

それは、文章が横書きの場合でも縦書き場合でも、結局、そのページで読み手の視線が最後に行き着くことになる隅とは反対の、次のページの文頭部分が位置する側の隅をとじれば自動的に正しい文章のとじ方になるという法則です。

-%e6%a8%aa%e6%9b%b8%e3%81%8d%e3%81%a8%e7%b8%a6%e6%9b%b8%e3%81%8d%e3%81%ae%e6%96%87%e6%9b%b8%e3%81%ae%e3%81%a8%e3%81%98%e3%82%8b%e4%bd%8d%e7%bd%ae%e3%81%a8%e6%96%87%e9%a0%ad%e3%81%ae%e4%bd%8d

例えば、

上図に示した二つの文書では、

通常の文書のとじ方の分類としては、横書きの方は左とじ、縦書きの方は右とじという、互いに逆のとじ方がされていると考えられることになるのですが、

どちらの文書においても、この文章の文頭の文字である「が位置する側の隅がとじられているという点においては、両者は互いに共通するとじ方がなされていると捉えることもできます。

つまり、

横書きと縦書きのどちらの文書の場合でも、

とにかく「文頭の文字が位置する側の隅をホッチキスでとじる」と覚えておけば、横書き、縦書きという書式の違いに関係なく、常に、常識的に正しい文書のとじ方をすることができるということになるのです。

ちなみに、

この文書のとじ方の法則は、それが横書きの文書にも縦書きの文書にも同等に適応できる普遍的な法則である以上、

それは、例えば、横書きと縦書きのページが混在した文書についても同様に適応できることになります。

横書きと縦書きが混在した文書の場合、文書全体のとじ方だけではなく、個々のページを組み合わせる向きなどについても問題となり、混乱する元となってしまうわけですが、

上記の文書のとじ方の法則を適用すれば、横書きと縦書きのどちらのタイプのページでも、それぞれのページの文頭部分が一隅に重なるように組み合わせたうえで、その文頭部分の角をホッチキスでとじれば常識的なとじ方にしたがった文書が完成することになるのです。

・・・

以上の考察を踏まえて、

横書きは左とじ縦書きは右とじ」といった形で機械的に丸暗記しようとしても、いざという時にど忘れしてしまったり、かえって混乱してしまう可能性がある人は、「横書きならば…」、「縦書きならば…」と下手に場合分けせずに、

どのような文書の場合でも、

文頭の文字が位置する側の隅をとじれば、それが人間が文章を読み進めていくときの自然な視線の流れとも合致する適切で常識的な文書のとじ方になる

と理解しておけば、絶対に間違えることがないということになるのです。

・・・

その他の雑学のカテゴリーへ

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ