月食で赤い色をした月が観測される理由とは?粒子と波という光の二重の性質に基づく具体的な説明

月食では、月が太陽からの光を遮る地球の影のなかへと入っていくことによって、月の姿が少しずつ欠けていって暗闇へと包まれていくという天体現象が観測されることになりますが、

こうした月食と呼ばれる天体現象において観測されることになる暗闇へと包まれた月の姿は、地球上からの実際の観測においては、必ずしも月の姿がまったく見えなくなってしまうというわけではなく、通常の場合は、暗く赤い色をした月の姿が薄っすらと観測されることが多いと考えられることになります。

そして、このように、

月食において、赤い色をした月が観測されることになる具体的な理由については、粒子と波という光の二重の性質のあり方から説明していくことができると考えられることになります。

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粒子としての光の性質に基づく青い光の大気圏内における散乱と消衰

粒子としての光の性質に基づく青い光の大気圏内における散乱と消衰

そうすると、まず、

太陽から地球そして月へと降り注いでいくことになるは、その波長の長さに応じて人間の目に映る色彩のあり方が変わっていくことになり、

具体的には、

波長が短い方から順に、紫・青・緑・黄色・橙・赤というように色彩の見え方が変化していくことになると考えられることになります。

そして、上記の図において示したように、

こうした波長が短い光にあたる紫や青といった色彩として観測されることになる粒子としての光は、太陽から地球の表面を包む大気圏へと到達した際に、

そうした大気圏内に存在する細かい塵や粒子などとぶつかって四方八方へと散乱していくことによって、すぐに消衰していってしまうことになるのに対して、

波長が長い光にあたる赤や橙といった色彩として観測されることになる粒子としての光は、太陽から地球の表面を包む大気圏へと到達した後も、

そうした大気圏内に存在する細かい塵や粒子などと衝突することなくそのまま大気圏を抜け切っていく確率が高くなると考えられることになるのです。

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波としての光の性質に基づく赤い光の屈折と月までの到達

波としての光の性質に基づく赤い光の屈折と月までの到達

そして、それに対して、

今度は、粒子としての光の性質ではなく、波としての光の性質について注目していった場合、そのまま大気圏を抜けていくことになった一部の赤い波長の光は、

ちょうど、お風呂に入っているときに、お湯の中に指をまっすぐに入れていくと、空気と水との間の光の屈折率の差によって、光が折れ曲がって進んで行くことにより、指が短くなったように見えることがあるのと同様に、

それまで真空のなかを進んできた太陽の光が地球の大気の層にぶつかって今度は大気圏のなかを進んで行くことになる際に、真空と地球の大気との間の光の屈折率の差によって、太陽の光が折れ曲がっていく形で進んで行くことにより、

一部の光は、本来は地球の影のなかに位置しているはずの月の地点にまで到達していくことになると考えられることになります。

そして、以上のように、

月食において、赤い色をした月が観測されることになる具体的な理由については、太陽からの光が地球の大気圏を通っていく際に、

粒子としての光の性質に基づくと、波長が短い光にあたる青い色の光は、大気圏内に存在する細かい塵や粒子との衝突によって、四方八方へと散乱していってしまうことによって、すぐに消衰していってしまうことになるのに対して、

波長が長い光にあたる赤い色の光のうちの一部は、そうした大気圏内の微粒子との衝突を経ることなく、そのまま大気圏を通過していくことになると考えられ、

それに対して、今度は、

波としての光の性質に基づくと、そうした地球の大気圏を通過していくことになる一部の赤い色の光は、それまで光が通ってきた真空と地球の大気との間の光の屈折率の差によって折れ曲がって進んでいくことによって、

地球の影のなかに位置しているはずの月食が観測されることになる月の地点にまで到達していくことによって、

そうした一部の光が地球の影のなかに位置している月の地点にまで到達していくことで、月食の時における赤い色をした薄暗い月の姿が観測されていくことになると考えられることになるのです。

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次回記事:日食と月食の違いとは?①太陽と地球と月の位置関係に基づく四つの具体的な特徴の違い

前回記事:月食と満月の関係とは?月食は必ず満月の日に起こるのに満月の日に必ずしも月食が起こるとは限らない理由

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