ニュージーランドの国名の由来とは?「新しい海の国」を意味するオランダ語における国名の由来とマオリ語での三つの呼称
南太平洋に位置する二つの主要な島と数多くの小さな島々からなる島国であるニュージーランド(New Zealand)は、
形式上はイギリス国王を元首とするイギリス連邦の加盟国にもあたる立憲君主制国家としても位置づけられることになるのですが、
それでは、
こうしたニュージーランドという国名の由来については、具体的にどのような歴史的な経緯において名づけられていくことになった名前であると考えられ、
もともとこの島に住んでいた先住民にあたるマオリ族の言葉においては、こうした現在ではニュージーランドと呼ばれている二つの島はそれぞれどのような別名で呼ばれていたと考えられることになるのでしょうか?
「新しい海の国」を意味するオランダ語における国名の由来
そうすると、まず、
こうしたニュージーランドという国名の由来については、大航海時代のヨーロッパにおける南方海域の探索にその直接的な起源が求められることになると考えられ、
そうした大航海時代のまっただなかの時代にあたる1642年、オランダの探検家であったアベル・タスマンがヨーロッパ人としてはじめてのちにニュージーランドと呼ばれる二つの島へと到達することになるのですが、
その際、タスマンは、これらの島々を南アメリカ大陸のチリの南へと続く土地であると誤認して、この地を当時のオランダ総督の名にちなんでそれらをスターテンラント(Staten Landt)と命名することになります。
そして、その後の探索において、
こうしたタスマンの発見によってはじめはスターテンラントと呼ばれていた土地が、実際には南アメリカ大陸とはかけ離れた海域に存在する独立した島々であることが明らかになると、
1645年、この地は当時のオランダの地図製作者の手によって、オランダ南西部に位置するゼーラント州(Zeeland)の名にちなんでラテン語でノヴァ・ゼーランディア(Nova Zeelandia)と改名されることになります。
ちなみに、
ゼーラント(Zeeland)とは、オランダ語において「海」を意味するゼー(zee)と、「土地」や「国」のことを意味するラント(land)とが結びつくことによってできた言葉にあたり、つまりは、「海の国」のことを意味する言葉として位置づけられることになると考えられることになるのですが、
こうしたオランダ語において「海の国」のことを意味するゼーラント(Zeeland)という言葉とラテン語において「新しい」を意味するノヴァ(Nova)という言葉が部分的に英訳されていくことによって、
英語でニュージーランド(New Zealand)と呼ばれていくことになったのがこうしたニュージーランドという国名の由来として位置づけられることになると考えられることになるのです。
マオリ語におけるニュージーランドの島を意味する三つの呼称
そして、それに対して、
こうした現在ではニュージーランドと呼ばれている島国にもともと住んでいた先住民にあたるマオリ族の言葉においては、こうしたニュージーランドを構成している北島と南島と呼ばれる二つの島を中心とする様々な島々は多様な名前によって呼び表されていたと考えられ、
具体的には、
こうしたニュージーランドを構成する主要な二つの島のうちの北島については、最も広く知らせている呼び名としては、マオリ語において「白く長い雲のたなびく地」といった意味を表す アオテアロア(Aotearoa)という言葉によって呼び表されていたと考えられることになります。
またその他にも、
北島の呼び名については、ポリネシア神話における創造神にあたるマウイ(Māui)の名をとって「マウイの魚」のことを意味する テ・イカアマウイ(Te Ika-a-Māui)といった言葉によっても呼び表されていたと考えられるのに対して、
南島の呼び名については、マオリ語において「碧玉の海の広がる地」といった意味を表す テ・ワイポウナム(Te Waipounamu)といった言葉によって呼び表されていたと考えられることになるのです。
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次回記事:ニュージーランドを象徴する色が黒と白である理由とは?マオリ神話における神秘的な暗闇とシルバー・ファーンの銀白色の葉
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