桜と梅と桃の咲く順番とは?「初春の令月」と梅の花そして「ひな祭り」と桃の花といった開花時期と年中行事や和歌との関係
春の訪れを告げる代表的な花の種類としては、桜と梅と桃といった木々に咲く花たちの名前が挙げられることになりますが、
こうした桜と梅と桃という三つの花の種類が開花のピークを迎えるおおよその時期について一言でまとめると、
桜の開花時期は、だいたい3月下旬から4月ごろの時期であるのに対して、
梅の開花時期は、だいたい2月上旬から3月ごろの時期、
桃の開花時期は、だいたい3月下旬から4月ごろの時期
としてそれぞれ位置づけられることになります。
このように、一般的には、
まだ寒さの残る早春の時節にあたる2月上旬ごろの時期から梅の花が咲き始めたのち、3月下旬から4月ごろにかけて桜や桃の花が咲いていくといった順番でこれらの春の花たちは開花のピークを迎えていくことになると考えられることになるのですが、
こうした桜や梅や桃といったそれぞれの花たちの開花時期については、日本国内における年中行事や和歌との関連からも理解していくことができると考えられることになります。
こうした桜や梅や桃といったそれぞれの花たちの開花時期については、日本国内における故事や年中行事との関連からも理解していくことができると考えられることになります。
「初春の令月」と梅の花そして「ひな祭り」と桃の花との関係
そうすると、まず、
桜が卒業式や入学式のシーズンにあたる3月下旬から4月ごろの時期にかけて開花のピークを迎えていくことになる花の種類であるというのはいいとして、
残りの梅と桃という二つの花の種類についても、年中行事や和歌との関連からそうした花たちの開花時期を理解していくことができると考えられることになります。
このうち、
桃の花の開花時期と関係の深い年中行事としては、ひな祭りが挙げられることになり、
3月3日に健やかな成長と幸せを願ってひな人形を飾って祝う行事であるひな祭りは、桃の節句とも呼ばれるように、桃の切り花なども供えて祝われることになる桃の花とも非常に関係の深い年中行事であると考えられることになります。
そして、それに対して、
梅の花の開花時期と関係の深い言葉としては、初春の令月といった言葉が挙げられることになり、
例えば、
2019年に定められた新元号である令和という言葉の直接的な出典となった日本最古の和歌集にあたる『万葉集』に出てくる梅の花の句においては、
「初春の令月にして、気淑く(きよく)風和ぎ(かぜやわらぎ)、梅は鏡前の粉を披き(ひらき)、蘭は珮後(はいご)の香を薫す(かおらす)」
という言葉が語られていくことになるのですが、
こうした梅の花の句のなかで語られている令月(れいげつ)という言葉は、「美しい月」あるいは「良い月」といった意味を表す言葉であると同時に、二月の異名のことを意味する言葉としても位置づけられることになるのです。
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以上のように、
桜と梅と桃という春の訪れを告げる代表的な花たちの開花時期については、
桜の花は、卒業式や入学式のシーズンにあたる3月下旬から4月ごろの時期に開花の時期を迎え、
桃の花も、ひな人形と共に桃の切り花なども飾られる桃の節句にあたるひな祭りが祝われた後の3月下旬から4月ごろの時期に開花の時期を迎えていくことになり、それに対して、
梅の花は、万葉集の梅の花の句のなかに出てくる初春の令月という言葉が二月の異名のことも意味するように、2月上旬から3月ごろの時期に開花の時期を迎えていくことになるというように、
こうした桃の節句や初春の令月といった年中行事や和歌との関連性からも理解していくことができると考えられることになるのです。
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