宇宙人が地球に来ない12通りの具体的な理由とは?③人類と直接的な交流を持つ意志の有無に基づく4つの説明のパターン

このシリーズの初回の記事では、宇宙人が地球に来ない理由を説明する具体的な説明のあり方のうち、「宇宙人自体の存在のあり方」に基づく四つの論理的説明のパターンについて取り上げ、

それに続く前回の記事では、恒星間航行を可能とする高度な科学技術の有無や、膨張宇宙論に基づく地球との距離の変化といった「地球に到達する手段の有無」に基づく四つの説明のパターンについて取り上げてきましたが、

このシリーズの最後にあたる、今回の記事では、宇宙人が実際に存在し、さらに彼らが地球まで到達することができる十分な手段を持っていたとしても、そもそも彼らの側に人類と直接的な交流を持つ意志がないがゆえに、地球上での直接的な両者の接触が実現しないといったパターンについて詳しく考えていきたいと思います。

スポンサーリンク

「人類と直接的な交流を持つ意志の有無」に基づく論理的説明のパターン

⑨宇宙人たちは地球に対して何の興味も関心も抱いていない

まず、一番わかりやすいケースとしては、

宇宙人たちは地球人に対して何の興味も持っていないか、そもそも宇宙の他の場所がどのような状況にあるのかといったこと外部の世界自体への関心が薄いため、地球人の存在に気づいてすらいないといったケースが考えられることになります。

恒星間航行を可能とするような高度な科学文明を築いて宇宙人たちにとっては、彼らにとっては原始人のような状態にある地球の文明からは何も学ぶことがないので、

わざわざ一定の労力をかけてまで太陽系までやって来て、地球人たちとコンタクトを取ろうとまでは思わないかもしれませんし、

あるいは、

そうした高度な文明にまで発展しきってしまった知的生命体の種族にとっては、もはや、自分たちの星系の外部の世界に対する興味自体がすでに失われていて、

そこでは、自分たちが暮らしている星系の内部における生活の充足と、内面的な精神世界の発展をより重視する閉鎖的な文明が進展していくことになるのかもしれません。

 

⑩動物園仮説に基づく地球人との接触の回避と証拠や記憶の改ざん

あるいは、

以前にも詳しく考察した動物園仮説や保護区仮説といった考え方において示されているように、宇宙人は地球に対して一定の関心は持ってはいるもの、特別な意図によって、あえて地球人に対して積極的なコンタクトをしてこないといったケースも考えられ、

こうした二つの仮説のうちの前者である動物園仮説の考え方に基づくと、宇宙人たちは自分たちよりも文明のレベルが劣っている地球人たちを文字通り動物のような下等な存在として捉えることによって、

 人類含む地球上の生物たちのことを単なる見世物として外部から単に観察しているか、あるいは、ある種の実験農場を運営しているような感覚でその生態系に密かに介入してくることになると考えられることになります。

そして、そうしたケースにおいては、

観察者や実験者である宇宙人の存在は被験者である人類の側には知られていない方が好都合であると考えられるので、

宇宙人たちは人類との直接的な接触を避けるためにあえて地球にまではやって来ないか、たとえ実際に地球に来ることがあったとしても、必要があれば接触の証拠や記憶自体を消去するなどの適切な処置を施すことによって、人類の側にとっては宇宙人との接触がないという認識の状態を保っていると考えられることになるのです。

 

スポンサーリンク

⑪保護区仮説に基づく人類の文化や地球の自然環境の保護の観点からの接触の禁止

それに対して、

後者の保護区仮説の方はより善良な存在としての宇宙人の捉え方に基づいた考え方であると考えられ、

この仮説の考え方に基づくと、宇宙人たちは高度な科学技術の発展と同時に、高度な道徳性までも備えていて、

自分たちの文明との接触によって人類の独自の文明や文化のあり方が破壊されてしまうといった事態を危惧して、宇宙人の側からの人類への接触を固く禁じているといった事態が想定されることになります。

つまり、このようなケースにおいては、

宇宙人たちは、自然保護多文化主義といった観点から、地球独自の生態系人類独自の文化を守るために、人類や地球の側への深い配慮と尊重の念から、人類とコンタクトを取ることを現時点においては慎んでいると考えられることになるのです。

 

⑫宇宙人はかつて地球に到来したがすでに調査を終えていて再び戻ってくることはない

また、もう一つの可能性としては、

宇宙人たちはかつては何度か地球にやって来ていたのかもしれないが、今はもうすでに帰ってしまっていて、再び戻ってくることはないといったケースも考えられ、

このようなケースでは、

宇宙人たちはすでに太陽系と地球についての探索と調査をはるか昔に終えてしまっていて、必要なことは十分に調べ尽くしたと考えているので、

彼らにとっては既知の星である地球のことをあえて再び訪れる必要はなく、現在の時点において、向こう側から人類とコンタクトを取ろうとする意志はないとも考えられることになるのです。

・・・

以上のように、

宇宙人が地球に来ない理由を説明する具体的な理由としては、このシリーズの初回から今回までの記事で取り上げたように、

①宇宙には過去から現在に至るまで人類以外の知的生命体は現れたことはない
②宇宙人は過去には存在した現在の宇宙の内部には存在しない
③宇宙人は人類が住む宇宙とは別の宇宙において存在している
④宇宙人は人類とは異なる属性や次元において存在している

⑤宇宙人は存在するが文明のレベルが原始的な段階にとどまっている
⑥高度な文明を持つ宇宙人は存在するがその発展方向が物質的な方向へと向けられていない
⑦宇宙飛行が可能な科学技術を持つ宇宙人は存在するがその技術力は高速で安定的な恒星間航行の域にまでは達していない
⑧宇宙人が住む星系と地球との距離が遠すぎて両者の間の宇宙空間の膨張の割合が光の速度を上回ってしまっている

⑨宇宙人たちはそもそも地球に対して何の興味も関心も抱いていない
宇宙人たちは動物園仮説が示すような意図から地球人との接触の回避や証拠や記憶の改ざんを行っている
⑪宇宙人たちは保護区仮説が示すように人類の文化や地球の自然環境の保護の観点から人類の側との接触の禁止している
⑫宇宙人はかつて地球に到来したがすでに調査を終えていて再び戻ってくることはない

といった全部で12通りの具体的な理由を挙げていくことができると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:デカルトによる神の存在証明①無限性と完全性という観念に基づく神の実在性の論証

初回記事:宇宙人が地球に来ない12通りの具体的な理由とは?①宇宙人自体の存在のあり方に基づく4つの論理的説明のパターン

前回記事:宇宙人が地球に来ない12通りの具体的な理由とは?②地球に到達する手段の有無に基づく4つの論理的説明のパターン

宇宙論のカテゴリーへ

宇宙人のカテゴリーへ

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ