人間以外の動物に感染するコロナウイルスの代表的な種類とは?コウモリと鳥を自然宿主とするコロナウイルスの起源
前回書いたように、コロナウイルスと呼ばれるウイルスは、人間に対しては、まずは、冬場の咳かぜを中心とする一般的な風邪の原因となるウイルスの種類として広く知られていると考えられるのですが、
こうしたコロナウイルスと呼ばれるウイルスは、人間だけではなく野生動物あるいは家畜やペットなどといった人間以外の動物に対しても様々な感染症を引き起こす感染する生物の範囲が極めて広いウイルスの種族としても位置づけられることになります。
人間以外の動物に感染するコロナウイルスの代表的な種類
そうすると、まず、
コロナウイルスに分類されるウイルスの種類が感染症を引き起こすことがあると考えられている人間以外の代表的な動物の種類としては、
コウモリや鳥、猫や犬、豚、牛、馬、さらには、ネズミやハリネズミ、ウサギやフェレット、クジラやイルカなどといった哺乳類と鳥類を中心とする数多くの生物の種類が挙げられることになります。
そして、
こうした人間以外の動物に感染するコロナウイルスの代表的な種類としては、
コウモリに感染して主に呼吸器系の症状を引き起こすことで知られているミニオプトラスコウモリコロナウイルス1やタケコウモリコロナウイルスHKU4などに代表される全部で七種類にもおよぶコウモリコロナウイルスを筆頭に、
ニワトリを中心とする鳥類に伝染性の気管支炎の症状を引き起こす鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)や、ヒヨドリコロナウイルスやツグミコロナウイルス、
豚やイノシシに伝染性の下痢の症状を引き起こすことによって畜産業に被害を与えることがある豚流行性下痢ウイルス(PED)、
その他にも、
ネココロナウイルスやイヌコロナウイルス、ウシコロナウイルス、七面鳥コロナウイルス、フェレット腸コロナウイルス、ウサギ腸コロナウイルスなどといった
主に、腸炎などの消化器系の症状を引き起こすことが多いウイルスの種類が数多く挙げられることになると考えられることになるのです。
コウモリと鳥を自然宿主とするコロナウイルスの起源
そして、上述したように、
コロナウイルスに分類されるウイルスには、コウモリや鳥に感染するウイルスの種類が数多く含まれていることからも分かる通り、
こうしたコロナウイルスと呼ばれるウイルスの種族は、もともとはコウモリや鳥などの野生動物を宿主としていたウイルスであると考えられることになります。
そして、そのなかでも特に、
人間に対して感染症を引き起こすことになるヒトコロナウイルスの多くは、人間と同じ哺乳類であるコウモリに由来するウイルスであると考えられていて、
例えば、
人間に対して肺炎などの重症の呼吸器疾患を引き起こすことで知られているSARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスといったウイルスも、
もともとは、コウモリに感染するコロナウイルスが食肉市場などにおける飼育環境を介して人間に感染するコロナウイルスへと変異したものであると考えられているのです。
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次回記事:ネココロナウイルスとイヌコロナウイルスの具体的な特徴と再感染のリスクと抗体依存性感染増強作用の問題
前回記事:風邪の原因になるコロナウイルスの代表的な四つの種類とは?具体的な症状の特徴と感染経路とワクチンや抗ウイルス薬の有無
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