七種競技と十種競技の違いとは?現代のオリンピックの男子と女子の陸上競技における二つの混成競技の具体的な特徴の違い
前回までの一連の記事で書いてきたように、現代のオリンピックにおいて、一人の競技者が複数の異なる競技を順番に行なっていって総合得点を競っていく混成競技としては、
陸上競技としての十種競技(デカスロン)や、射撃やフェンシングなども加わった複合競技にあたる近代五種競技(モダン・ペンタスロン)などが有名ですが、
そのほかにも、現代のオリンピックにおいて正式種目として採用される陸上競技における混成競技としては、さらにもう一つ、七種競技(ヘプタスロン)と呼ばれる競技種目が挙げられることになります。
それでは、
こうした現代のオリンピックにおける正式種目として採用されている七種競技と十種競技と呼ばれる陸上競技における二つの混成競技のあり方には、具体的にどのような特徴の違いがあると考えられることになるのでしょうか?
現代のオリンピックの十種競技と七種競技における競技構成の違いとは?
そうすると、まず、
オリンピックにおける男子の陸上競技の種目として採用されている十種競技(じっしゅきょうぎ)においては、
競走種目としては、100m走と110m障害(10台のハードルを跳び越えながら110メートルを走るハードル走)、400m走と1500m走の四種目が行われ、
跳躍種目としては、走幅跳と走高跳(走り高跳び)と棒高跳(棒高跳び)の三種目が、
投擲種目としては、やり投と円盤投と砲丸投の三種目がそれぞれ行われていくことになります。
そして、それに対して、
オリンピックにおける七種競技(ななしゅきょうぎ)は、女子の陸上競技の種目として採用されていて、
競走種目としては、100m障害と200m走と800m走の三種目が行われ、
跳躍種目としては、走幅跳と走高跳(走り高跳び)の二種目が、
投擲種目としては、やり投と砲丸投の二種目がそれぞれ行われていくことになります。
そして、具体的な競技の日程としては、
十種競技の場合も七種競技の場合も、どちらも基本的には、二日間に分けて競技が行われていくことになり、
前者の十種競技の場合には、
競技の一日目には、100m走、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m走の五つの種目が、
競技の二日目には、110m障害、円盤投、棒高跳、やり投、1500m走の五つの種目がそれぞれ順番に行われていくことになるのに対して、
後者の七種競技の場合には、
競技の一日目には、100m障害、走高跳、砲丸投、200m走の四つの種目が、
競技の二日目には、走幅跳、やり投、800m走の三つの種目がそれぞれ順番に行われていくことになるのです。
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そして、以上のように、
こうした現代のオリンピックにおける七種競技と十種競技の具体的な特徴の違いとしては、
十種競技(デカスロン)は、現代のオリンピックにおいては、男子の陸上競技の種目として位置づけられていて、
100m走・110m障害・400m走・1500m走・走幅跳・走高跳・棒高跳・やり投と円盤投・砲丸投という全部で十種目の陸上競技が行われることになるのに対して、
七種競技(ヘプタスロン)は、現代のオリンピックにおいては、女子の陸上競技の種目として位置づけられていて、
100m障害・200m走・800m・走幅跳・走高跳・やり投・砲丸投という全部で七種目の陸上競技が行われるという点が挙げられることになります。
つまり、そういった意味では、
こうした現代のオリンピックにおける女子の陸上競技の種目としての七種競技(ヘプタスロン)における競技種目の構成のあり方は、
男子の陸上競技の種目にあたる十種競技における競技種目のうち、競走競技の距離が少し短くなるように設定されていて、数も一種目減らされたうで、
跳躍競技からは棒高跳が、投擲種目からは円盤投がそれぞれ省かれていく形で競技種目の構成がなされているといった点に、
こうした現代のオリンピックの五種競技と七種競技における主要な特徴の違いを見いだいしていくことができると考えられることになるのです。
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次回記事:八種競技と十種競技の違いとは?18歳未満の選手が行う八種競技と成年選手が行う十種競技における具体的な競技内容の違い
前回記事:近代五種競技の由来とは?フランスのクーベルタン男爵との関係と兵士としての軍事的技能を備えた理想のアスリート像の追求
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