スタディオン走とディアウロス走とドリコス走の違いとは?古代オリンピックの三つの競走競技における最初の優勝者の名前
前回までの一連の記事のなかで書いてきたように、古代ギリシアにおけるオリンピアの祭典を中心とする古代オリンピックにおいて行われてきた徒競走に分類される陸上競技においては、
スタディオン走とディアウロス走とドリコス走と呼ばれる三つの方式へと分かれていく形で競技が行われていたと考えられることになるのですが、
それでは、
こうしたスタディオン走とディアウロス走とドリコス走における競走の方式の具体的な特徴の違いとしては、どのような点が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?
スタディオン走とディアウロス走とドリコス走の具体的な特徴の違い
そうすると、まず、
はじめに挙げたスタディオン走においては、人間の足の大きさの600倍の長さにあたるともされている1スタディオンの距離に合わせて競走路の長さが定められていて、
具体的には、古代オリンピックが行われていた古代都市オリンピアで用いられていた距離の長さを基準とすると、
そうしたスタディオン走と呼ばれる競走競技においては、選手たちは、約192 mの直線距離を走る速さを競っていたと考えらえることになります。
そして、それに対して、
その次に挙げたディアウロス走においては、選手たちは、前述したスタディオン走において用いられていた直線状の競走路を往復していく形で競技が行われていたと考えられ、
具体的には、そうしたディアウロス走と呼ばれる競走競技においては、選手たちは、スタディアオン走における競走距離の2倍にあたる約384mの距離を走っていくことになっていたと考えられることになります。
そして、
最後に挙げたドリコス走においては、選手たちは、前述したスタディオン走において用いられていた競走路を10往復から14往復するのに相当する距離を
具体的には、こうしたドリコス走と呼ばれる競走競技においては、選手たちは、スタディアオン走における競走距離の20倍から28倍にあたる4km~5kmほどの距離を走っていくことになっていたと考えられることになります。
以上のように、
こうしたスタディオン走とディアウロス走とドリコス走と呼ばれる古代オリンピックにおいて行われていた徒競走に分類される陸上競技の具体的な特徴の違いについて一言でまとめると、
スタディオン走は、約192 mの直線距離を走る速さを競っていくという現代の200m走に近い古代の短距離走にあたる陸上競技、
ディアウロス走は、約384mの距離を走っていくという現代の400m走に近い古代の中距離走にあたる陸上競技、
ドリコス走は、約4km~5kmの距離を走っていくという現代の4000m走または5000m走に近い古代の長距離走にあたる陸上競技として位置づけられることになると考えられることになるのです。
古代オリンピックの三つの競走競技における最初の優勝者の名前
また、
古代オリンピックにおいて、こうしたスタディオン走とディアウロス走とドリコス走と呼ばれる三つの競走競技が形づくられていくことになっていった歴史的な経緯としては、
紀元前776年に行われた古代オリンピックの第1回大会では、スタディオン走と呼ばれる古代の短距離走にあたる競技だけがオリンピアの祭典における唯一の運動競技として行われていたのに対して、
その50年ほどの後の時代にあたる
紀元前724年に行われた古代オリンピックの第14回大会からは、ディアウロス走と呼ばれる古代の中距離走にあたる陸上競技が新たに導入されていくことになったと考えられることになります。
そして、さらにその次の大会にあたる
紀元前720年に行われた古代オリンピックの第15回大会において、ドリコス走と呼ばれる古代の長距離走にあたる陸上競技が導入されることによって、
こうしたスタディオン走とディアウロス走とドリコス走という古代オリンピックにおける主要な三つの競走競技がすべて成立していくことになっていったと考えられることになります。
ちなみに、
古代オリンピックにおいて、こうしたスタディオン走とディアウロス走とドリコス走という三つの競走競技がはじめて行われることになったそれぞれの大会におけるそれぞれの競技の最初の優勝者となった人物の名前としては、
紀元前776年に行われた古代オリンピックの第1回大会において、オリンピックにおけるスタディオン走の最初の優勝者となったのはエリスのコロイボス(Koroibos)、
紀元前724年に行われた古代オリンピックの第14回大会において、オリンピックにおけるディアウロス走の最初の優勝者となったのはエリスのヒュペノス(Hypenos)、
紀元前720年に行われた古代オリンピックの第15回大会において、オリンピックにおけるドリコス走の最初の優勝者となったのはスパルタのアカントス(Acanthus)、
という三人の人物の名前が挙げられることになるのです。
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①古代オリンピックで最初にはじまった競技とは?英語のスタジアムの由来とオリンピック大会の象徴としてのスタディオン走
②スタディオン走とは何か?古代の短距離走の具体的な競技の手順と古代バビロニアとギリシア神話におけるスタディオンの由来
③ディアウロス走とは何か?ギリシア語の語源に基づく具体的な意味と古代の中距離走としての競技の具体的な特徴
④ドリコス走とは何か?ギリシア語の語源に基づく具体的な意味とトラック競技よりもマラソンに近い形式としての競技の位置づけ
⑤スタディオン走とディアウロス走とドリコス走の違いとは?古代オリンピックの三つの競走競技における最初の優勝者の名前
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次回記事:古代オリンピックではいつから裸で競技が行われるようになったのか?全裸で走る最初の優勝者となったスパルタのアカントス
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