マオリ神話における天地創造の物語とは?二つの暗闇の世界からの生命と光の世界の誕生と天空の父ランギと大地の母パパ

ニュージーランドハワイ諸島そしてイースター島とを結ぶヨーロッパ大陸の3倍もの面積を有する巨大な三角形の海域のうちに含まれる南太平洋の島々の総称としてポリネシアという言葉が用いられていることがありますが、

そうしたポリネシアを中心とする南太平洋の島々において広く語り伝えられてきたポリネシア神話、そのなかでも、ニュージーランドの先住民にあたるマオリ族創世神話においては、

天と地が生まれ、そこから世界におけるあらゆる存在が形づくられていく天地創造の物語は、具体的にどのような形で語られていくことになると考えられることになるのでしょうか?

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マオリ神話における原初の暗闇の世界からの生命と光の世界の誕生

そうすると、まず、

南太平洋の島々において広く語り伝えられてきたポリネシア神話、そのなかでも、ニュージーランドの先住民にあたるマオリ族創世神話においては、

天と地が生まれる前原初の宇宙においては、テ・コレコレ(Te Korekoreあるいはテ・ポー(Te Pōと呼ばれる潜在的な暗闇の世界が広がっていたとされることになります。

そして、ある時、

そうした原初の暗闇の世界の内に、新たな世界を生み出そうとするテ・ウェイ・アオ(Te Whei Aoと呼ばれる叫びや発火といった意味も表すある種の活動的な力が生じることによって、

テ・アオ・マラマ(Te Ao Maramaと呼ばれる生命と光の世界が生まれていくことになり、それが自然界における調和のもたらされた現在の世界へとつながっていくことになっていったと語られていくことになるのです。

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天空の父ランギと大地の母パパの間に生じた天と地の隙間の暗闇と森の神ターネによる光の世界の解放

その一方で、

こうしたマオリ神話における世界創造の物語より具体的な形で語られている箇所においては、

こうしたテ・コレコレあるいはテ・ポーと呼ばれる原初の暗闇の世界の内からは、最後に現在の世界のはじまりとなるランギ(Rangiと呼ばれる天空の父と、パパ(Papaと呼ばれる大地の母が生まれていくことになり、

現在の世界のうちに存在するすべての事物は、そうした天空としてのランギ大地としてのパパ、すなわち、天と地の交わりによって生み出されていくことになったとも語られていくことになります。

そして、その後のマオリ神話の物語のなかでは、

天と地の交わりによって生み出された当初の世界は、いまだ両者の間が狭く、新たに生まれた神々や生き物たちはみな、そうした天と地の隙間の暗闇のうちに閉じ込められた状態のまま時を過ごしてくことになったとされていて、

そうした天と地の間に生まれた息子にあたるターネ(Tāneと呼ばれる森と生命の神にしてカヌーの守護神にもあたる神が天と地を引き離していくことによって、天空と大地とが遠く離れた現在の世界の形がつくり上げられていくことになっていったと語られていくことになります。

つまり、そういった意味では、

こうしたマオリ神話における世界創造の物語においては、

天と地が生まれる前の原初の宇宙における潜在的な暗闇の世界と、そうした原初の暗闇のうちから生まれた天と地の隙間の暗闇という二つの暗闇の世界のうちからの二段階にわたる光の世界の誕生を通じて、

生命と光の世界として位置づけられることになる現在の世界の形がつくり上げられていくことになったと語られていると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:マオリ神話における光と闇そして天と地との関係、天空が闇の世界へと大地が光の世界へと結びつけられる理由

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