上弦の月の一日の動きのあり方の解説と上弦の月が夕暮れ時から真夜中にかけて観測されることが多い理由
前々回 と 前回の記事では、満月と新月の時期に地球上から観測されることになる一日における月の動きのあり方について詳しく図示していく形で考えてきましたが、
今回からの記事では、さらにそれに引き続いて、
上弦の月や下弦の月などの半月や三日月などといったその他の時期における月の一日の動きのあり方についても順番に図解していく形で詳しく考えていってみたいと思います。
上弦の月の時期における天球上の月と太陽の位置関係と上弦の月が右半分が輝く半月として観察される理由
そうすると、まず、
はじめに挙げた上弦(じょうげん)の月と呼ばれる月は、
月の満ち欠けの周期に基づく暦のあり方である旧暦において一月のはじまりの日として位置づけられる新月の日から数えて先に現れる半月、
すなわち、一月のうちの上旬に現れる弦のような形をした半円形の月という意味で、こうした上弦の月という名が付けられていると考えられることになります。
そして、
こうした上弦の月と呼ばれる月は、地球からの観測において天球上における月と太陽の位置が同じ方向へと重なることになる新月の日を迎えてから7日ほど後に現れることになると考えられていて、
天球上における月と太陽の位置関係においては、そうした月と太陽が同じ方向へと重なる新月の日を迎えた後の7日ほどの間に、
月の側は、天球上における月の通り道にあたる白道の軌道上を西から東へと反時計回りに90度ほど回っていくことになるため、
上記の図において示したように、
こうした上弦の月と呼ばれる月の姿は、地球からの観測においては、右半分が輝いている半月の姿として観測されることになると考えられることになるのです。
上弦の月の一日の動きのあり方の図解と上弦の月が夕暮れ時から真夜中にかけて観測されることが多い理由
そこで、例えば、
こうした上弦の月と太陽との一日の動きにおける位置関係のあり方がより分かりやすくなるように、
月と太陽が両方とも真東の空から昇ってきて真西の空へと沈んでいくことになる時期における月の出から月の入りまでの上弦の月と太陽の位置関係の推移のあり方を例に挙げていくことによって、
こうした上弦の月が現れることになる時期の一日における月の動きのあり方について考えていくとした場合、
上記の図において示したように、
まず、①の月の出の時点での上弦の月と太陽の位置関係においては、
東の空から上弦の月が姿を現していくことになる月の出の頃は、ちょうど太陽が南中することになる真っ昼間の時間帯にあたり、太陽の強い光によって月の弱い光がかき消されてしまうことになるため、この時間帯において上弦の月の姿を実際に見ることは難しいと考えられることになります。
そして、その後、②の月が南中していく時点を迎えていくことになると、
ちょうどその頃になると、太陽は西の空へと沈んでいく日没の時を迎えていくことになり、そうした太陽が沈んでいくことになる夕方の頃の時の南の空において、上弦の月が薄っすらと見え始めていくことになると考えられることになります。
そして、さらにその後、③の月の入りの時点になると、
太陽は地平線の下深くに沈んでいく真夜中の時間帯を迎えていくことになるなか、上弦の月も西の地平線へと沈んでいくことによって、それから夜明けの頃までは太陽も月も見ることができない暗闇に包まれた夜の時間帯が続いていくことになると考えられることになるのです。
そして、以上のように、
こうした上弦の月と太陽との一日の動きにおける位置関係のあり方においては、
上弦の月が月の出を迎えることになる真っ昼間の午前12時ごろの時間帯においては、月の弱い光が太陽の強い光によってかき消されることによってその姿をほとんど見ることはできないという一方で、
太陽が日没を迎える夕暮れ時の午後6時ごろから、上弦の月が月の入りを迎えることになる真夜中の深夜0時ごろまでの時間帯にかけて観測することができるようになっていくと考えられることになるというように、
こうした上弦の月と呼ばれる月の姿は、太陽が日没を迎える夕暮れ時から真夜中の時間帯にかけて、南の空から西の空へと沈んでいく姿が観測されていくことになると考えられることになるのです。
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次回記事:下弦の月の一日の動きのあり方の図解と下弦の月が真夜中から夜明け前にかけて観測されることが多い理由
前回記事:新月の時に月の姿を地球から見ることができない二重の理由とは?
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