おとめ座のギリシア神話における由来とは?豊穣の女神デメテルの娘にして冥界の王ハデスの妻ともなったペルセポネの物語

黄道十二星座の一つとして位置づけられている乙女座(おとめざ)は、黄道十二宮における処女宮(しょじょきゅう)の領域とも結びつけられることによって、

二十四節気のうちの処暑から秋分の頃までの時期にあたる 823日から922までの31日間の期間を司る星座としても位置づけられることになるのですが、

こうしたおとめ座と呼ばれる星座は、ギリシア神話においては具体的にどのような由来を持つ星座であると考えられることになるのでしょうか?

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豊穣の女神デメテルの娘にして冥界の王ハデスの妻ともなったペルセポネの物語

そうすると、まず、

こうしたおとめ座と呼ばれる星座において描かれていくことになる麦の穂を持つ女神の姿は、

ギリシア神話の物語においては、作物の実りをもたらす豊穣の女神であるデメテルの娘にして、のちに冥界の王であるハデスの妻となったペルセポネの物語のうちにその具体的な由来が求められていくことになると考えられることになります。

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ローマ神話においてはプロセルピナと呼ばれ春をもたらす農耕の女神として位置づけられていくことになるギリシア神話における女神ペルセポネは、

豊穣の女神であるデメテルと、ギリシア神話における主神にして天界の王であるゼウスとの間に生まれた娘であり、

彼女は、母である女神デメテルに見守られながら美しく心優しい女性へと成長していくことになります。

しかし、その後、ペルセポネは、

その美しさに心を惹かれた冥界の王であるハデスによって地の底の冥府の国へと連れ去られてしまい、

このことを知った母なる女神デメテルの怒りによって、地上の世界からは作物の実りがすべて消え去り長い冬の季節が訪れてしまうことになります。

そして、その後、

ハデスデメテルの間をとりもったゼウスの計らいによって、最終的には、ペルセポネは冥界から解放されて、母親である女神デメテルのもとへと帰って来ることになるのですが、

この時、すでにペルセポネは、ハデスによって連れ去られて冥府の国に留め置かれている間に、空腹に耐えかねて冥界の食べ物を口にしてしまっていたため、

たとえ一度でも冥界の食べ物を口にした者は、冥界の住人とされることになるという神々が定めた掟にしたがって、

彼女は冥界の住人として、冥界の王であるハデスの妻としても迎え入れられてしまうことになるのです。

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ペルセポネの冥界と地上の世界の行き来にともなう四季と星座の移り変わり

そして、その後、

豊穣の女神であるデメテルの娘であると同時に、冥界の王であるハデスの妻としても位置づけられることになったペルセポネは、彼女が冥府の国において口にしてしまったザクロの実の数に基づいて、

一年のうちの4か月は夫であるハデスと共に冥界で過ごし、残りの8か月は自分の母親であるデメテルと共に地上で過ごすように定められることになるのですが、

ギリシア神話においては、こうしたペルセポネの物語に基づいて、

彼女が冥府の国の内にとどめ置かれている期間は、娘に会うことができない豊穣の女神デメテルの悲しみによって地上では冬の季節が訪れることになるのに対して、

やがて彼女が地上にいる母親のもとへと再び帰って来ることになると、娘との再会したデメテルの喜びによって地上に春の季節がもたらされることになるという形で、

一年における四季の移り変わりが説明されていくことになります。

そして、

こうした豊穣の女神であるデメテルの娘にあたるペルセポネ冥界と地上の世界の行き来にともなって、

天上の世界においても、ペルセポネが地の底の冥界の内にとどめ置かれている冬の季節には彼女のことを象徴する星座も夜空から隠れてしまい

ペルセポネが地上へと戻って来る春の季節になると彼女のことを象徴する星座も夜空に再び輝くことになるというのが、

こうしたギリシア神話におけるおとめ座と呼ばれる星座の具体的な由来であると考えられることになるのです。

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次回記事:てんびん座のギリシア神話における由来とは?純潔の女神アストライアが星空に残した法と正義を象徴する星座の形

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