ペンテコステ(五旬節)が実際には復活祭の49日後に祝われるのに復活祭の50日後にあたる日と呼ばれている理由とは?

前回の記事で書いたように、ペンテコステまたは五旬節と呼ばれるキリスト教における聖霊降臨日は、

キリスト教においてイエス・キリストの十字架の死からの復活を祝う復活祭からキリスト教における暦の数え方において50日後日曜日に祝われることになるのですが、

その一方で、教会暦においては、

こうしたペンテコステと呼ばれる日が定められている基準となっているキリスト教における復活祭の日もペンテコステの日と同じく日曜日とされることになります。

しかし、

1週間が7日である以上、同じ曜日になるのは7の倍数にあたる日数が経過した日であるはずなので、

復活祭の日日曜日であるならば、同じ日曜日となるのは復活祭の49日後にあたる日のはずであり、その次の日にあたる50日後の日は日曜日ではなく月曜日になると考えられることになるのですが、

キリスト教においては実際のペンテコステは前述したように月曜日ではなく日曜日に祝われることになります。

このように、

復活祭ペンテコステというキリスト教における二つの祭日日数と曜日との関係において、一見すると矛盾しているようにも見えるような関係が成立してしまっていることには具体的にどのような理由があると考えられることになるのでしょうか?

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キリスト教暦における「数え年」方式の日数の数え方

こうした復活祭ペンテコステと呼ばれるキリスト教の二つの祭日における日数の差曜日の位置づけとの関係において一見すると矛盾しているようにも見える関係性が生じてしまっている具体的な理由としては、

一言でいうと、

キリスト教における暦の数え方に、その大本となる原因を見いだしていくことができると考えられることになります。

以前に「イエスは金曜日に死んでから三日後に復活したのに復活祭が日曜日に行われる理由とは?」の記事のなかでも詳しく考察したように、

キリスト教の聖典である新約聖書においては、イエス・キリスト十字架の死を迎えてから3日目に復活」または3日後に復活」したと記述されているのですが、

そうしたイエス・キリストの十字架の死からの復活までに経過した日数と曜日との関係については、具体的には、

イエス・キリストは、金曜日に十字架の死を迎えたのち、通常の日数の数え方においてはその2日後にあたる日曜日に復活したと解釈されることになります。

つまり、

こうした新約聖書の記述などにおいても見られるキリスト教における暦の数え方においては、

生まれた年を「1歳」あるいは「1年」として数えていく数え年のような日数の数え方と同様に、イエスが十字架にかけられた日である金曜日1日目」としたうえで、

の次の日である土曜日を「2日目」あるいは「2日後」と数えて、さらにその次の日にあたるイエスが復活した日である日曜日3日目」あるいは「3日後」として数えられていて、

そうした通常の日数の数え方においては、本来は2日後にあたる日であるはずの復活の日が、こうしたキリスト教の暦の数え方においては3日後にあたる日として位置づけられていると考えられることになるのです。

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ペンテコステが通常の暦の数え方では復活祭の49日後に祝われるのに復活祭の50日後にあたる日と呼ばれている理由

そして、それと同様に、

復活祭ペンテコステとの日数と曜日の関係においても、復活祭の日から数えてキリスト教における暦の数え方において50日後にあたる日というのは、

復活祭の日そのものを1日目としたうえで、その次の日を「2日目」あるいは「2日後」と数えて、さらにその次の日を「3日目」あるいは「3日後」として数えていったうえでの50日目」および50日後」にあたる日、すなわち、

通常の日数の数え方においては49日後にあたる日のことを指して、こうした50日目」や「50日後」といった表現が用いられていると解釈していくことができると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうしたペンテコステという言葉は、もともと古代ギリシア語において50」を意味する言葉に由来する日であるように、

イエス・キリストの十字架の死からの復活を祝う復活祭から数えて50日後」日曜日に祝われるキリスト教における聖霊降臨日のことを意味することになるのですが、

ここで言う50日後」とは、キリスト教の暦の数え方である数え年方式での50日後」、すなわち、通常の暦の数え方においては、49日後のことを意味していると考えられ、

こうしたペンテコステ五旬節と呼ばれるキリスト教における聖霊降臨日は、

通常の暦の数え方においては、イエス・キリストの十字架の死からの復活を祝う日である復活祭の日曜日の49日後、すなわち、ちょうど7週間後の日曜日に祝われることになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:ペンテコステ(五旬節)は何月何日に祝われるのか?カトリック教会の典礼暦におけるペンテコステの具体的な日付の計算方法

前回記事:ペンテコステ(五旬節)とは何か?新約聖書における聖霊降臨についての記述と世界宗教としてのキリスト教の誕生

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