春夏秋冬と東西南北の関係とは?陰陽五行説と太陽の運行の循環構造に基づく季節と方位との間の具体的な対応関係

前回書いたように、陰陽五行説においては、東西南北の四方を守護する神獣として、

青・白・赤・黒の四色によって表される青竜・白虎・朱雀・玄武という四神の名があげられることになるのですが、

陰陽五行説においては、こうした青・赤・白・黒という四色の色彩を介することによって、

春夏秋冬という季節と、東西南北という方位との間にも、一対一の対応関係が結ばれていくことになると考えられことになります。

それでは、

こうした陰陽五行説に基づく季節と方位の対応関係とは、具体的にどのようなものであると考えられることになるのでしょうか?

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陰陽五行説における四季と四方との関係とは?

陰陽五行説における四季と四方との関係

まず、詳しくは前回の陰陽五行説に基づく色と季節と方位との対応関係の記事で考察したように、

陰陽五行説においては、

季節と色彩との関係を表す表現として、青春(せいしゅん)、朱夏(しゅか)、白秋(はくしゅう)、玄冬(げんとう)といった言葉があるように、

春は青夏は赤秋は白冬は黒といった色彩によって表されるという四季と四色との間の対応関係が存在すると考えられることになります。

そして、そこからさらに、

今回取り上げる季節と方位の関係について考察を進めていくと、

まずは、

こうした春夏秋冬という四季と、東西南北という四方との間の具体的な対応関係については、

寒い北国と常夏の南国、冷たい北風と暖かい南風といった表現あるように、

方位と寒暖差との関係においては、一般的に、北は寒く南は暖かいという関係にあると考えられるので、

最も寒い季節である冬は方位では北に、最も暑い季節である夏は方位では南にそれぞれ対応することになると考えられることになります。

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四季と太陽の運行の循環構造に基づく東と西、春と秋との対応関係

それでは、

残された二つの方位である東と西と、春と秋という二つの季節の対応関係は具体的にどのようなものになるのか?ということについてですが、

まず、

春夏秋冬という季節のあり方は、四季の巡り四季の循環といった表現があるように、

春から夏を過ぎて秋へと至り、そこから冬が訪れて、再び元の春へと戻ってくるという春→夏→秋→冬という円環を成す循環構造の内に位置づけられていると考えられることになります。

それに対して、

東西南北という方位のあり方においては、北と正反対の方向に南が存在し、東に対して西が存在するという北と南、東と西との間の対立関係は存在するものの、

直接的な意味においては、東の次に南が来て、南の次には西が来るといった順序関係や循環構造などは存在しないと考えられることになります。

しかし、その一方で、

方位と季節との両者に関係する天体の運行という観点、その中でも特に、太陽の運行という観点に着目して方位のあり方を捉え直していくと、

明け方東の空から昇ってきた太陽は、やがて南の空へと進んでいき、夕方になると西の空へと向かって沈んて行くことになるというように、

方位のあり方にも一定の順序関係を見いだすことができると考えられることになります。

そうすると、

前述した夏=南という季節と方位の対応関係を基点とした場合、

季節において夏の前には春が、夏の後には秋が訪れることになるのと同様に、

太陽の運行においては、南の前には東が、南の後には西が位置づけられることになると考えられることになるので、

こうした季節と方位のそれぞれにおける循環構造と順序関係のあり方を考慮に入れると、夏=南という対応関係を基点とした場合、その前には春=東が来て、後には秋=西が来ると考えられることになります。

そして、

こうした三つの対応関係に、前述した冬=北という対応関係も合わせることによって、春=東夏=南秋=西冬=北という四季と四方との間の対応関係が一対一対応になる形ですべて定まることになると考えられることになるのです。

・・・

以上のように、

陰陽五行説に基づくと、季節と方位との間の対応関係においては、

寒さと暖かさという観点においては、最も寒い季節である冬が方位では北に、最も暑い季節である夏が方位では南へと対応づけられることになる一方で、

四季と太陽の運行における循環構造という観点においては、四季の循環において、春から夏そして秋へと順々に季節が巡っていくことになるのと同様に、

方位の順序においても、太陽が東から昇り南の空を通って西へと沈んていくという東から南そして西へという順序関係を見いだすことができると考えられることから、

春と東、そして、秋と西との間にも対応関係を見いだすことができると考えられることになります。

そして、こうした季節と方位との間に見いだすことができる一連の関係構造を根拠とすることによって、

春夏秋冬という四つの季節と、東西南北という四つの方位との間には、

春=東夏=南秋=西冬=北という対応関係が結ばれていくことになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:秦の始皇帝が中国で最初の皇帝とされる歴史上の理由とは?始皇帝以前の古代中国の統一王朝と秦の支配領域の規模の比較

前回記事:青竜・白虎・朱雀・玄武が青・白・赤・黒の四色で表される理由とは?陰陽五行説に基づく色と季節と方位との対応関係

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