大地の女神ガイアが天空神ウラノスの母であると同時に妻でもある理由とは?カオスの捉え方の違いに基づく哲学的な解釈

前々回の記事で書いたように、ギリシア神話における宇宙開闢の物語においては、大地の女神ガイア天空神ウラノスの間に、

ティターン十二神と呼ばれる巨神族にあたる古代の神々や、ヘカトンケイルキュクロプスといった巨人たちが生まれていくことによって、ギリシア神話の物語が始まっていくことになるのですが、

その一方で、ギリシア神話の別の物語のなかでは、

こうした天空神ウラノスもまた、すべての神々の母にして万物の始原にあたる大地を司る原初の女神であったガイアから生まれた神の一柱としても位置づけられていくことになります。

つまり、そういった意味では、ギリシア神話においては、

大地の女神ガイアは、天空神ウラノスとの間に、多くの神々巨人たちを生んでいくというウラノスの妻にあたる存在として位置づけられると同時に、そうしたウラノス自身もまたガイアから生まれたウラノスの母にあたる存在としても位置づけられることになるのですが、

このように、ギリシア神話における最初の神々にあたるガイアウラノスの間に、ガイアがウラノスの母であると同時に妻でもあるというこうした複雑な関係性が生じてしまっている理由としては、

こうした神話に対する哲学的な解釈といった観点からは、具体的にどのような理由が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?

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空隙としてのカオスにおけるガイアとウラノスの対等な関係としての別々の創造

まず、

こうしたギリシア神話における宇宙開闢の物語においては、空隙あるいは混沌のことを意味するカオス(Chaosの内から、

ガイア(大地)ウラノス(天空)が生まれることによって宇宙が誕生していくことになると説明されていくことになるのですが、

こうした万物の始原としてのガイアと呼ばれる存在が、ウラノスと対等の関係にあるウラノスの妻にあたる存在なのか?それともウラノスをも自らの内から生み出したウラノスの母にあたる存在なのか?といった問題は、

結局、

こうしたガイアとウラノスが生じる以前に存在していたカオスと呼ばれる原初の宇宙の状態のことを、空隙混沌と呼ばれる状態のどちらの存在のあり方として捉えていくのか?というカオスの定義のあり方の問題と結びつけて解釈していくことができると考えられることになります。

そうすると、まず、

こうしたカオスと呼ばれる原初の宇宙の状態のことを空隙(くうげき)、すなわち、何も存在しない空っぽの空間だけが存在している状態として捉えた場合、

原初の神々にあたるガイア(大地)ウラノス(天空)は、そうした空っぽの空間のうちに、それぞれ別々に創造されていったと考えられることになるため、

こうしたガイアウラノスと呼ばれる二柱の神々は、両者ともに互いに対等な関係に位置づけられる神々、すなわち、ガイアはウラノスの妻であり、ウラノスはガイアの夫にあたる神々として位置づけられていくことになると考えられることになります。

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混沌としてのカオスにおける最初の神としてのガイアの誕生とウラノスとの同時的な誕生

そして、それに対して、

こうしたカオスと呼ばれる原初の宇宙の状態のことを混沌(こんとん)、すなわち、天と地を含むすべてのものが一体となって互いに不可分な形で混じり合った状態として捉えた場合、

そうした混沌としてのカオスの内からの大地を司る原初の女神としてのガイアの誕生は、無からの創造ではなく

それ自身としては、いまだ何ものでもないすべてのものが混然一体となった何らかの存在から、ある特定の部分が分かれ出でていくような形でガイア(大地)と呼ばれる存在が形づくられていくことになっていったと考えられることになり、

そうした混沌としてのカオスの内でガイア(地上)へと属することがなかった残りの部分はすべてウラノス(天界)へと属することになっていったと解釈されることになると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうしたカオスと呼ばれる原初の宇宙の状態のことを混沌、すなわち、すべての存在が混然一体となった状態として捉える解釈に基づいた場合、

そうした混沌としてのカオスの内からガイア(大地)が分かれ出でていくということは、それと同時にウラノス(天界)も分かれ出でていくことになるということも意味することになるため、

こうしたカオス混沌として捉える解釈においては、

ガイア(大地)最初の神として誕生すること、すなわち、ガイアがウラノスも含むすべての神々の始原にあたるウラノスの母ともいえる存在として位置づけられるということと、

ガイア(大地)ウラノス(天界と呼ばれる二柱の神々が同じカオスの内から互いに分かれ出でていくようにして同時に誕生すること、すなわち、ガイアがウラノスと対等な関係にあるウラノスの妻ともいえる存在として位置づけられるということは、互いに矛盾なく両立していくことになると考えられることになるのです。

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次回記事:ギリシア神話の世界観に基づく天界と地上の世界の区分とは?地球と生命を象徴するガイアと不死なるものを象徴するウラノス

前回記事:ギリシア神話の原初の神々にあたる四柱の神とは?天と地と暗黒と愛を司るウラノスとガイアとエレボスとエロスの関係

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