サクラは何月に咲くのか?日本を代表する14種類の桜の開花時期の比較
サクラの開花時期は、日本の首都である東京が位置する関東地方を基準とした場合、日本国内における最も代表的な桜の品種であるソメイヨシノの開花時期に合わせて、3月下旬から4月中旬くらいの時期として捉えられる場合が多いと考えられることになりますが、
実際には、サクラに分類される樹木のなかには、カンザクラのように東京でも2月頃から咲き始める花もあれば、ミヤマザクラのように5月になってからやっと咲く花もあるというように、その開花時期にはサクラの種類によって大きな違いがあると考えられることになります。
日本国内において生育しているサクラに分類される代表的な樹木の種類としては、
ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、ソメイヨシノ、チョウジザクラ、マメザクラ、サトザクラ、タカネザクラ、ミヤマザクラ、カンヒザクラ、カンザクラ、クマノザクラといった
全部で14種類ほどの代表的な桜の種類の名前が挙げられることになるのですが、
今回の記事では、
こうした全部で14種類におよぶ日本を代表する桜の開花時期について、互いに比較していく形でまとめて書いていきたいと思います。
全部で14種類の日本を代表する桜の具体的な特徴と開花時期の比較
まず、はじめに挙げた代表的な桜の種類である
ヤマザクラ(山桜)とは、日本国内に自生する様々な桜の種類のなかでも最も代表的な桜の種類であり、4月頃に緑色の新葉と同時に淡紅色の五弁花を咲かせていくことになります。
そして、それに対して、その次に挙げた
オオヤマザクラ(大山桜)は、4月から5月上旬ごろにかけて緑色の新葉と同時に前述したヤマザクラよりも少し色の濃い淡紅色の花を咲かせていくことになり、
カスミザクラ(霞桜)は、4月から5月上旬ごろにかけて緑色の新葉と同時に少し紅を帯びた白色の五弁花を咲かせていくことになります。
そして、その次に挙げた
オオシマザクラ(大島桜)は、新葉が桜餠などの和菓子をくるむのに使われることでも有名な桜の種類であり、3月下旬から4月ごろにかけて開花時期を迎えることになり、
エドヒガン(江戸彼岸)は別名ではウバヒガン(姥彼岸)とも呼ばれていて、3月中旬から4月ごろにかけて、新葉よりも先に淡紅色の花だけを咲かせていくことになり、
ソメイヨシノ(染井吉野)は、こうしたエドヒガンと前述したオオシマザクラとの交配によって生まれた品種であり、3月下旬から4月ごろにかけて新葉よりも先に淡紅色から白色の花を咲かせていくことになるのです。
また、その次に挙げた
チョウジザクラ(丁子桜)は、3月上旬から4月ごろにかけて新葉よりも先に筒状の長い萼(がく)を持つ淡紅色の花を2~3個ずつまとめて咲かせていく桜の種類、
マメザクラ(豆桜)は、3月下旬から5月上旬ごろにかけて小さな淡紅色の花を1~3個ずつ咲かせていく桜の種類であり、
サトザクラ(里桜)は、前述したオオシマザクラにヤマザクラ、エドヒガン、カスミザクラ、マメザクラなどの様々な桜の種類を掛け合わせてつくられた桜の品種の総称であり、白や黄色や紅色などといった様々な色を咲かせる品種があるほか、花弁が幾枚も重なって咲く八重桜に分類される品種もあり、だいたい4月から5月上旬ごろにかけて開花時期を迎えていくことになります。
そして、その次に挙げた
タカネザクラ(高嶺桜)は別名ではミネザクラ(峰桜)とも呼ばれていて、赤褐色の新葉と同時に淡紅色の五弁花を咲かせる5月下旬から6月下旬ごろにかけて開花時期を迎えていくことになる桜の種類、
ミヤマザクラ(深山桜)は、新葉よりも少し遅れて白色の五弁花を数個ずつまとめて咲かせていく5月上旬から6月ごろにかけて開花時期を迎えていくことになる桜の種類、
カンヒザクラ(寒緋桜)は、別名では緋寒桜とも呼ばれていて、沖縄では1月、関東でも2月といったまだ寒い冬の時期から、新葉より先に濃紅色の花を咲かせていくことになる桜の種類、
カンザクラ(寒桜)は、カンヒザクラとオオシマザクラの交配によって生まれた新葉より先に淡紅色の五弁花を咲かせる2月から3月上旬ごろにかけて開花時期を迎える桜の種類であり、
最後に挙げた
クマノザクラ(熊野桜)は、紀伊半島南部の熊野川流域を中心に自生していて2018年に日本原産の新種の桜であることが明らかとなった鮮やかなピンク色の花弁を特徴とする桜の種類であり、3月中旬から4月上旬ごろにかけて開花時期を迎えていくことになるのです。
2月から6月まで続く多様な種類の桜の開花時期と日本国内における地域ごとの桜の開花時期の違いの目安
以上のように、
こうした全部で14種類におよぶ代表的な桜の開花時期をそれぞれ時系列順に並べていくとすると、
まずは、
2月から3月上旬といったまだ寒い時期から、カンヒザクラ(寒緋桜)やカンザクラ(寒桜)などが花を咲かせ始めていき、
3月上旬から中旬ごろになると、チョウジザクラ(丁子桜)やエドヒガン(江戸彼岸)が順番に開花時期を迎えていくことになり、
その後、
3月下旬から4月上旬にかけて、ヤマザクラ(山桜)やオオシマザクラ(大島桜)、ソメイヨシノ(染井吉野)などといった日本を代表する桜たちが開花時期のピークを迎えていくことになります。
そして、さらにその後には、
4月から5月にかけて、オオヤマザクラ(大山桜)やカスミザクラ(霞桜)、マメザクラ(豆桜)やサトザクラ(里桜)といった桜たちが開花時期を迎えていき、
5月から6月になっても、タカネザクラ(高嶺桜)やミヤマザクラ(深山桜)などといった遅咲きの桜たちが花を咲かせていくことになると考えられることになるのです。
そして、最後に、
こうした日本国内における関東や近畿といった地域ごとの桜の開花時期の違いといった点についても一言補足しておくとするならば、
一般的には、
関東から中部、近畿、中国地方、四国、九州にかけての桜の開花時期はだいたい同じ時期になる一方で、
関東や関西と比べた場合、
東北地方では半月、北海道では1か月ほど開花時期が遅くなるのに対して、
沖縄では2か月ほど開花時期が早くなる傾向があると考えられることになるのです。
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次回記事:八重桜と一重桜の違いとは?八重桜に分類される代表的な桜の品種と奇形の花の咲き方としての八重桜の位置づけ
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