化学物質による食中毒の原因となる代表的な原因物質の種類とは？有害な化学物質の混入を原因とする食中毒の代表的な事例
食中毒を引き起こす原因物質の種類としては、細菌やウイルスあるいは寄生虫といったといった病原体などのほかにも、
食品中に本来は含まれるべきではない化学物質や、自然界において動物や植物が持っている自然毒によって引き起こされる食中毒の種類も挙げられることになります。
そこで、今回の記事では、
こうした細菌やウイルスといった一般的な病原体以外で食中毒の原因となる様々な病因物質のなかでも、化学物質による食中毒を引き起こすことになる代表的な原因物質の種類について、詳しく取り上げていきたいと思います。
食品が腐敗していく際に生成されるヒスタミンやアミンなどの化学物質
まず、
こうした化学物質によって引き起こされる食中毒のタイプは、大きく分けて、
食品が腐敗していく際に、食品の内部にもともと存在していた細菌が産出する化学物質によって引き起こされる食中毒のタイプと、
食品の生産や流通の過程などにおいて、もともとは食品には含まれてないはずの化学物質が新たに混入してしまうことによって引き起こされる食中毒のタイプへと分類されることになると考えられることになります。
そして、
そのうちの前者である食品が腐敗していく際に、食品中にもともと存在していた細菌が産出する化学物質によって引き起こされることになる食中毒の原因となる代表的な原因物質の種類としては、
ヒスタミンやアミンと呼ばれる化学物質の名が挙げられることになります。
そして、
こうしたヒスタミンやアミンと呼ばれる化学物質は、食品が腐敗していく際に、魚の切り身などの食品中に含まれているアミノ酸がヒスタミン生成菌と呼ばれる細菌のグループによって分解されることによって生成されていくことになると考えられることになるのです。
有害な化学物質の食品への混入を原因とする食中毒の代表的な事例
そして、それに対して、
もともとは食品中には含まれてないはずの化学物質が新たに混入してしまうことに引き起こされることになる食中毒の原因となる代表的な原因物質の種類としては、
農薬や食品添加物、さらには、洗剤や漂白剤のうちに含まれている様々な化学物質や、鉛や水銀、ヒ素やカドミウムといった有害金属、そのほかにもダイオキシンやカビ毒による汚染なども挙げられることになると考えられることになります。
そして、
こうした有害な化学物質の食品への混入によって引き起こされる食中毒の具体的な事例としては、
例えば、農薬による食中毒の代表的な例としては、
1970年代頃まで殺虫剤として世界的に広く用いられてきたDDTの食品中への残留や誤飲によって引き起こされる中毒症状や、
2007年から2008年にかけて中国製の冷凍餃子への混入が発覚したことで話題となった有機リン化合物系の殺虫剤の一種であるメタミドホスによる食中毒が挙げられることになりますし、
有害金属の一種としても分類されるヒ素による食中毒事件の代表的な事例としては、
1998年に、地区で行われた夏祭りにおいて提供されたカレーにヒ素の一種である亜ヒ酸が混入されることによって、カレーを食べた67人が中毒症状を起こして、そのうちの4人が死亡した和歌山毒物カレー事件などが挙げられることになります。
また、
ダイオキシンが原因となることによって引き起こされた食中毒事件の代表的な事例としては、
1968年に、カネミ倉庫が製造する食用油に、ダイオキシンの一種として分類されるポリ塩化ビフェニルが混入することによって、その食用油を摂取した人々に重大な後遺症が残るような食中毒症状を引き起こし、約2000人にもおよぶ認定患者を出してしまうことになったカネミ油症事件などが挙げられることになります。
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以上のように、
化学物質による食中毒を引き起こす代表的な原因物質の種類としては、
食品が腐敗していく際に、食品の内部にもともと存在していたヒスタミン生成菌などの細菌によって生成されるヒスタミンやアミンといった化学物質のほかに、
食品の生産や流通の過程において混入してしまうことになる鉛や水銀、ヒ素やカドミウムといった有害金属や、DDTやメタミドホスといった人体にとって毒性の強い農薬や殺虫剤、
そのほかにも、
食品添加物あるいは洗剤や漂白剤などの内に含まれている人体にとって有害な様々な化学物質や、ダイオキシンやカビ毒による汚染なども例として挙げていくことができると考えられることになるのです。
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次回記事：ヒスタミンによる食中毒が起こる具体的な仕組みと症状の特徴とは？ヒスタミン生成菌によるアミノ酸からのヒスタミンの合成
前回記事：細菌性食中毒の四つの分類とは？生体内毒素型と食物内毒素型そして感染型と感染症型に分類される代表的な細菌の種類
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