市中肺炎の四大病原菌とそれぞれの肺炎の具体的な症状の特徴とは?肺炎球菌とインフルエンザ菌とマイコプラズマとクラミジア

前回の記事で書いたように、肺を中心とする下気道における急性炎症のことを意味する肺炎と呼ばれる疾患は、肺炎を発症した患者自身の生活状況といった観点からは、

市中すなわち街の中で日常的な社会生活を営んでいる人が突然発症する肺炎のことを意味する市中肺炎と、すでに何らかの病気などによって医療施設内で入院している人が新たに発症する肺炎のことを意味する院内肺炎と呼ばれると呼ばれる二つのグループへと分類されることになるのですが、

それでは、

こうした日常的な社会生活を営んでいる人々が突然発症することになる一般的な肺炎としての市中肺炎の原因となる病原体としては、具体的にどのような細菌の種類が挙げられることになり、

それぞれの細菌によって引き起こされる肺炎の症状には、具体的にどのような特徴が見出されることになると考えられることになるのでしょうか?

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市中肺炎の四大病原菌とそれぞれの肺炎の具体的な症状の特徴

まず、

こうした市中肺炎と呼ばれる一般的な肺炎の原因となる病原体の種類としては、ウイルスよりも細菌が主要な病原体として挙げられることになり、

具体的には、だいたい7割~8程度の肺炎が細菌によって引き起こされていると考えられることになります。

そして、

こうした市中肺炎の原因となる病原菌としては、検出される頻度が多い順に、

肺炎球菌インフルエンザ菌マイコプラズマクラミジア(クラミドフィラ)という四つの細菌の種類が挙げられることになり、

原因となる病原体がはっきりと判明している肺炎においては、だいたい半分以上の肺炎が上記の四大病原菌によって引き起こされていると考えられることになるのです。

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それでは、次に、

こうした市中肺炎の原因となる四大原因菌によって引き起こされる肺炎には、それぞれ具体的にどのような特徴があるのか?ということについてですが、

それについては以下のような形でまとめていくことができると考えられることになります。

①肺炎球菌

まず、こうした市中肺炎の原因となる四大原因菌のなかでも筆頭として挙げられる肺炎球菌(Streptococcus pneumococcus、ストレプトコッカス・ニューモニエ)という細菌は、肺炎連鎖球菌あるいは肺炎双球菌といった名でも知られる細菌の種族であり、

肺炎球菌が原因となる肺炎においては、鉄錆色(赤茶色)緑色あるいは黄色がかった着色のある痰を伴う湿った咳高熱、さらには、呼吸困難といった症状が引き起こされることになるほか、

こうした肺炎球菌が耳管から中耳へと侵入して感染を広げていくと急性中耳炎の原因となることや、細菌性髄膜炎敗血症といったより重篤な全身症状を引き起こすケースもあると考えられることになります。

②インフルエンザ菌

そして、その次に挙げたインフルエンザ菌(Haemophilus influenzaeヘモフィルス・インフルエンザ)という細菌は、咽頭や鼻腔といった上気道を中心に感染を広げていく風邪の原因となる病原菌としても知られる細菌であり、

こうしたインフルエンザ菌による感染がさらに気管支や肺といった下気道を含むより広範囲な領域へと拡大していくと、気管支炎肺炎、あるいは、中耳炎副鼻腔炎といった様々な感染症が引き起こされていくことになると考えられることになります。

また、

こうしたインフルエンザ菌と呼ばれる細菌は、ウイルスと呼ばれる病原体の存在自体がいまだ認知されてなかった1892年当時

日本を代表する医学者にして細菌学者でもあった北里柴三郎らの手によって、インフルエンザ患者の気道からインフルエンザの病原体の候補となる病原体として分離された細菌であるため、

こうしたインフルエンザ菌という名が付けられることになったと考えられることになるのですが、

その後の分子生物学の研究の進展によって、インフルエンザの原因となる病原体は、細菌ではなくインフルエンザウイルスであることが明らかとなったため、

本来は、こうしたインフルエンザと呼ばれる感染症とは無関係な病原体であるこの細菌に対して、インフルエンザ菌という名前だけが取り残されることになってしまったと考えられることになるのです。

③マイコプラズマ

そして、その次に挙げたマイコプラズマ(Mycoplasmaは、大きさが最小の部類に属する細菌であり、細胞壁をもたず酸素がない状態でも生存し続けることができるといった同じ細菌のなかでも特異的な性質を持った細菌の種族であると考えられることになります。

そして、こうしたマイコプラズマが原因となる肺炎においては、痰を伴わない乾いた咳が長く続き咽頭痛発熱頭痛倦怠感といった症状などが引き起こされることになるほか、

 嘔吐下痢腹痛といった消化器系の症状が引き起こされるケースもあると考えられることになります。

④クラミジア(クラミドフィラ)

そして、最後に挙げたクラミジア(Chlamydiaあるいはクラミドフィラ(Chlamydophilaと呼ばれる細菌が原因となる肺炎においても、前述したマイコプラズマの場合と同様に、

 痰を伴わない乾いた咳発熱といった症状が見られることになるほか、急性喉頭炎に伴う咽頭痛声のかすれ声枯れといった症状なども見られることになり、

特に、高齢者施設などにおける飛沫感染を介した集団感染や、感染母体からの母子感染による新生児や乳児などにおける肺炎の発症などについても注意が必要とされることになると考えられることになるのです。

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次回記事:クラミジア肺炎の三つの分類とは?病原菌の種類の違いに基づくオウム病や性感染症としてのクラミジアとの関係

前回記事:市中肺炎と院内肺炎の違いとは?両者の具体的な定義と原因となる代表的な病原体の種類

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