地球外文明の存在を肯定する論理的な根拠となるドレイクの方程式を用いた現存する接触可能な地球外文明の数の具体的な推定

前回の記事で書いたように、ドレイクの方程式においては、

NR×f p×n e×f l×f i×f c×L

という数式において示されている右側の七つの項に対して適切な数値を代入していくことによって、

現在の銀河系において存在する人類がコンタクトをとることが可能な地球外文明の数を推定することができると考えられることになるのですが、

今回の記事では、それでは、こうしたドレイクの方程式を用いることによって、この方程式の発案者であるドレイク自身は地球外文明とその担い手である地球外知的生命体の存在の有無とその具体的な数について実際にどのような推定をおこなったのか?ということについて詳しく考察していきたいと思います。

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ドレイク博士による地球外知的生命体探査の発案とドレイクの方程式が提唱されることになった具体的な経緯

ドレイクの方程式の考案者であるフランク・ドレイクFrank Drakeアメリカの天文学者にして天体物理学者にもあたる人物であり、

彼は、1960に世界ではじめて電波による地球外知的生命体探査を行った科学者としても知られている人物でもあります。

そして、

そのドレイク博士は、そうした地球外知的生命体調査の具体的なプロジェクトがはじまった1960年の翌年にあたる1961に、

そうした地球外生命体あるいは地球外文明の探索におけるプロジェクトの成功の見込みを理論的な面からも検証していくために開かれた科学会議のなかで提示したプレゼンテーションの一部として、

のちにドレイクの方程式と呼ばれることになる数式によってまとめることができる一連の科学的な推論を提唱していくことになるのです。

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地球外文明の存在を肯定する論理的な根拠となるドレイクの方程式を用いた地球外文明の数の具体的な推定

ドレイク博士とその同僚たちによって進められたドレイクの方程式に基づく地球外文明の数に関する議論においては、その時々において数式に代入されることになる具体的な数値にある程度の範囲の幅が見られていくことになるのですが、

それらのドレイクの方程式に関する一連の議論についてまとめると、彼らは、そうした地球外文明の存在の有無とその具体的な数の推定は、おおよそ以下で述べるような数値の範囲におさまると結論づけていくことになります。

まず、前回の記事でも書いたように、

NR×f p×n e×f l×f i×f c×L

というドレイクの方程式の各項はそれぞれ具体的には、

N=銀河系内に現存する人類とコンタクトをとることが可能な地球外文明の数
R=銀河系内において一年間に誕生する恒星の数
f p=そうして誕生した恒星のうちの一つが惑星を持つ確率
n e=そうした惑星を持つ恒星系の内に存在する生命の存在が可能な惑星の平均数
f l=生命の存在が可能な条件を備えた惑星において実際に生命が誕生する確率
f i=そうして誕生した生命体が知性を備えた知的生命体にまで進化する確率
f c=そのような知的生命体へと進化した生物が宇宙空間に自らの存在を示す信号を送るような高度な通信技術を持った文明を築き上げる確率
L=そのような高度な通信技術を持った地球外文明が存続し続ける年数

を意味することになるのですが、

こうしたドレイクの方程式に代入されることになる具体的な数値についてのドレイク博士自身の手による算定においては、

まずは、銀河系内において誕生する恒星の数の割合はだいたい1年に1個は誕生する、すなわち、

R11 と算定されたうえで、

次に、そうして誕生した恒星が惑星を持つ確率20%から50程度、すなわち、

f p0.20.5 と算定されることになります。

そして、その次に、そうした惑星を持つ恒星は平均して1個から5程度の生命の存在が可能な条件を備えた惑星を持つ、すなわち、

n e15 と算定されたうえで、

さらに、そうした条件を整えた惑星においては、十分な条件が整っているのだから長い年月の間にはいずれ必ず生命が誕生し、そうした生命体の一部はやはりいずれは確実に知的生命体の段階へと到達する、すなわち、

f l1f i1 (つまり、f lもf iともに100%)と算定し、

その次に、そうした知的生命体が築き上げる文明が高度な通信技術を発達させるような物理学や科学技術に秀でたタイプの文明へと発展させる確率はだいたい10%から20程度、すなわち、

f c0.10.2

そして、最後に、そのような高度な通信技術を持った地球外文明がそうした文明の高度な水準を保ったままの状態で存続し続ける年数は、少なくとも千年、長ければその十万倍の1憶年以上にわたって続いていくことになるかもしれないと推定し、

L1000100000000 という数字を算定していくことになります。

そして、こうしたR11f p0.20.5n e15f l1f i1f c0.10.2L1000100000000という七つの項のそれぞれに代入する数値の範囲を算定したうえで、

これらの数値をすべて上記のドレイクの方程式の数式に代入すると、

現在の銀河系において存在する地球外文明の数N

R×f p×n e×f l×f i×f c×L

(11)×(0.20.5)×(15)×1×1×(0.10.2)×(1000100000000)

2050000000

となり、

上記のドレイク博士自身の手による推定においては、この銀河系のうちには地球外文明の数が少なくても20個以上は存在していると考えられ、

多ければ5千万にもおよぶ膨大な数の地球外文明によって銀河系全体が覆いつくされていると結論づけられることになるのです。

※ちなみに上記の計算式に含まれる「年」という単位の部分は、はじめのRの項に代入された11という分母の部分の「年」と、最後のLの項に代入された1000100000000という分子の部分の「年」の両者が掛け合わされることによって消去されることになります。

・・・

以上のように、

こうしたドレイクの方程式に基づく地球外文明の数の推定においては、当初の段階では、20個から5千万個にもおよぶ比較的多くの数の地球外文明がこの銀河系の内には存在していると推定されていくことになります。

そして、

ドレイク博士自らの発案によって実現することになった地球外知的生命体探査のプロジェクトが始まった1960年代においては、

ドレイクの方程式に基づいて地球外文明およびその担い手である地球外知的生命体の存在を肯定する論理的な説得力を持った推論が提示されていくことによって、

こうした地球外知的生命体探査の計画は、理論的に言っても成功する確率の高い有望な計画であると見なされていくことになったと考えられるのです。

・・・

次回記事:オズマ計画とは何か?その名称の具体的な由来と「オズマⅠ」と「オズマⅡ」の二回におよぶ地球外知的生命体の観測実験

前回記事:ドレイクの方程式の七つの項の具体的な意味とは?N、R*、f p、n e、f l、f i、f c,L の八つの文字が選ばれた理由

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