スピンクスの謎を解くオイディプスと第二の神託の成就、ギリシア神話のオイディプス王の悲劇と彼と家族のその後の物語②

前回書いたように、かつて生まれながらにして実の父であるライオス王にその死を望まれて、その足首に自らの名前の由来となる烙印を刻まれたオイディプスは、

コリントスの王家の養子とされて智勇ともに秀でた青年へと成長していったのち、デルポイの神殿からの帰途において、再びその父とまみえることとなり、その場での諍いから、自分ではそれが自らの実の父であることは知らないままライオス王をその従者もろとも切り殺してしまうことになるのですが、

その後、オイディプス王の悲劇の物語は、再び彼の生まれ故郷であるテーバイの国へと舞台を移して進んでいくこととなり、

その物語のなかで、運命は、彼のことを束の間の栄光さらなる深き罪の道へと導いて行くことになるのです。

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王妃イオカステの弟クレオンによるテーバイの統治とスピンクスの災い

ライオス王の死後、オイディプスは、彼と入れ替わるようにしてテーバイの町を訪れることになるのですが、

その頃、主を失ったテーバイでは、隣国のプラタイアイの王ダマシストラトスによってライオス王の葬儀が執り行われたのち、

ライオス王の妻にして、オイディプスのまだ見ぬ実の母であった王妃イオカステの弟クレオンが摂政となってこの国を治めることになります。

王が死んで守る者がいなくなったテーバイの国に、やがて、女の顔を持ち、胸と足と尾は獅子のようであり、背中には鳥の羽を持つスピンクス(スフィンクス)と呼ばれる怪物が送り込まれ、

この怪物は、町へと続く大道が通っていたピーキオン山の頂に坐することになるのですが、

スピンクスは、この道に通りかかる旅人たちを差し止めると、その場で一つの謎をかけて、その謎を解くことができなかった者は食い殺してしまうようになったため、

摂政クレオンは、事態の収拾を図るため、スピンクスの謎を解いた者をライオス王の亡き後未亡人となった王妃イオカステの夫として迎え、その者にテーバイの王国を与えるという布告を出すことにします。

ライオス王を失い、スピンクスと呼ばれる怪物のために大きく苦しめられていたテーバイの国の人々は、強く賢い新たな王の出現を心待ちにするようになっていたのです。

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スピンクスの謎を解くオイディプスと第二の神託の成就

自らが育った国であるコリントスを捨て去り、放浪の旅を続けていたオイディプスは、こうしたテーバイの国の求めに応じて自分の力を試すために、スピンクスが坐するピーキオン山へと自ら赴くのですが、

そこでスピンクスは、オイディプスに対して以下のような謎かけをすることになります。

一つの声を持ちながら朝には四足、昼には二足、夕(ゆうべ)には三足となって歩くものは何か?」

武勇だけではなく知恵にも優れた人物であったオイディプスは、しばらく考えると、スピンクスの問いかけに対して以下のように答えることになります。

それは人間だ。人間は赤児の時には両手と両膝で這って歩くが、成人するとまっすぐに立って歩く。そして、老年になるとさらにもう一本の杖の助けを借りて歩くことになるであろうから。」

こうして自らがかけた謎を解かれて、はじめて勝負に敗れることになったスピンクスは、そのことを強く恥じると、かねてからの定めに従って山の頂の崖から身を投げて死んでしまうことになるのですが、

こうしてテーバイの国は、英雄オイディプスの手によって、スピンクスの災いから解放され、元通りの平和と繁栄を取り戻すことになるのです。

彼の手によって助けられたテーバイの人々は、オイディプスのことを喜んで彼らの国の王として迎え入れ、ライオス王の未亡人であった王妃イオカステと新たにテーバイの王となったオイディプス王との結婚を祝福することになるのですが、

こうして、オイディプスは、いまだ自分自身では自らが犯そうとしている罪の自覚のないままに、それ自分の実の母であることは知らないまま、イオカステと結ばれてしまうことになります。

そして、このようにして、

かつてその父ライオス王が受けた「汝は決して男子をもうけてはならない。その子は父を殺して王位を奪う者となるであろうから。」という第一神託に続いて、

オイディプス自身が受けた「汝の故郷へと再び赴いてはならない父を殺し、母と交わることになるであろうから」という第二の神託についても、

その呪われた予言の言葉のままに、彼自身はいまだ知らぬ間にそうした神託のすべてがその言葉通りに成就してしまうことになるのです。

・・・

次回記事:オイディプスの追放と彼が犯した三重の罪、ギリシア神話のオイディプス王の悲劇と彼と家族のその後の物語③

前回記事:ギリシア神話のオイディプス王の悲劇と彼と家族のその後の物語①父ライオスによる息子殺しの命令とオイディプスの名前の由来

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