黄道十二宮とは何か?①黄道帯における十二宮の具体的な配置と春分点との関係
前回までの記事で書いてきたように、天文学の分野においては、太陽の年周軌道にあたる黄道を中心とする南北に約8度ずつ幅にして約16度にわたる天球上における帯状の領域のことを指して、
日本語においては黄道帯(こうどうたい)または獣帯(じゅうたい)、英語においてはゾディアック(zodiac)という言葉が用いられていて、
こうした黄道帯や獣帯と呼ばれる領域には、おひつじ座やおうし座などといった動物をモチーフとした星座が多いことで知られる十二星座が位置することになるのですが、
そうした黄道帯あるいはゾディアックと呼ばれている天球上における帯状の領域は、さらに、黄道十二宮(こうどうじゅうにきゅう)、または、単に十二宮と呼ばれる十二の領域へと分けられていくことになります。
それでは、
こうした黄道十二宮と呼ばれる領域は、具体的にどのような基準に基づいて、天球上におけるそうした十二の領域の位置のあり方が定められていくことになると考えられることになるのでしょうか?
黄道十二宮の黄道帯における具体的な配置と春分点との関係
そうすると、まず、
こうした黄道帯と呼ばれる天球上における帯状の領域は、日本語においては、
白羊宮(はくようきゅう)、金牛宮(きんぎゅうきゅう)、双児宮(そうじきゅう)、巨蟹宮(きょかいきゅう)、獅子宮(ししきゅう)、処女宮(しょじょきゅう)、天秤宮(てんびんきゅう)、天蝎宮(てんかつきゅう)、人馬宮(じんばきゅう)、磨羯宮(まかつきゅう)、宝瓶宮(ほうべいきゅう)、双魚宮(そうぎょきゅう)
と呼ばれることになる全部で十二の領域へとそれぞれの領域の面積が等しくなるように分割されていくことになります。
そして、
こうした黄道帯における等分割された十二の領域のことを指して、黄道十二宮と呼ばれる言葉が用いられることになるのですが、
上記の図において示したように、
そうした黄道十二宮と呼ばれる領域は、天球上における太陽の通り道にあたる黄道と天の赤道との昇交点であり、地球上においては昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなる日にあたる春分点を基点としたうえで、
そこから黄道を基準とした天球座標である黄道座標における経度の値にあたる黄経が30度進んでいくごとに、十二宮のうちの次の領域へと移っていくことになると考えられることになるのです。
黄道座標における黄経を基準とした十二宮の具体的な配置
そして、
こうした黄道帯における黄道十二宮と呼ばれる十二の領域の黄道座標における黄経を基準とした具体的な配置のあり方について、
黄道十二宮のうちの最初の領域として位置づけられている白羊宮から、最後の領域として位置づけられている双魚宮までの配置のあり方について一通りまとめていく形で書いていくとすると、
白羊宮は、黄道帯と呼ばれる天球上の帯状の領域において春分点にあたる黄経0度から黄経30度までの領域、
金牛宮は、黄道帯における黄経30度から黄経60度までの領域、
双児宮は、黄道帯における黄経60度から黄経90度までの領域、
巨蟹宮は、黄道帯と呼ばれる天球上の帯状の領域において夏至点にあたる黄経90度から黄経120度までの領域、
獅子宮は、黄道帯における黄経120度から黄経150度までの領域、
処女宮は、黄道帯における黄経150度から黄経180度までの領域、
天秤宮は、黄道帯と呼ばれる天球上の帯状の領域において秋分点にあたる黄経180度から黄経210度までの領域、
天蝎宮は、黄道帯における黄経210度から黄経240度までの領域、
人馬宮は、黄道帯における黄経240度から黄経270度までの領域、
磨羯宮は、黄道帯と呼ばれる天球上の帯状の領域において冬至点にあたる黄経270度から黄経300度までの領域、
宝瓶宮は、黄道帯における黄経300度から黄経330度までの領域、
双魚宮は、黄道帯における黄経330度から黄経0度までの領域
としてそれぞれ位置づけられていくことになると考えられることになるのです。
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次回記事:黄道十二宮とは何か?②天球上における十二宮の具体的な配置のあり方と西洋占星術と黄道十二宮における太陽の位置の関係
前回記事:黄道帯が獣帯とも呼ばれる理由とは?十二星座のモチーフとなった動物たちと黄道帯との関係
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