安息日の語源とは?ヘブライ語で「休む」「止める」といった意味を表す言葉を語源とするシャバットとスペイン語の土曜日
前回の記事で書いたように、ユダヤ教やキリスト教などにおいて、仕事を休んで礼拝を行う聖なる日のことを意味する安息日は、
旧約聖書の創世記における神による七日間の天地創造の物語や、出エジプト記におけるモーセの十戒などにおいて書かれている記述を大本の起源とすることによって定められた聖なる日であると考えられることになるのですが、
それでは、
こうした安息日という言葉自体の語源としては、そうした旧約聖書が書かれた原語にあたるヘブライ語においては、具体的にどのような意味を持つ言葉として表現されていたと考えられることになるのでしょうか?
ヘブライ語において安息日を意味するシャバットの語源となる意味
そうすると、まず、
こうした安息日と呼ばれる言葉は、旧約聖書の原語にあたるヘブライ語においてはשבת、アルファベット表記に直すとšabbāth、
すなわち、シャバットといった形で発音される言葉として呼び表されていたと考えられることになるのですが、
こうしたヘブライ語におけるšabbāthという単語は、もともとは、「休む」あるいは「止める」といった意味を持つ言葉であったと考えられることになります。
そして、
そうした「休む」「止める」といった意味を表す言葉を語源とするヘブライ語におけるšabbāthという単語が、天地創造の物語における七日目の神の安息の日や、
預言者モーセが十戒と呼ばれる神が定めたとされる掟のなかで、人々が仕事を休んで神への感謝の祈りを捧げる日として位置づけている聖なる日のことを意味する言葉としても用いられていくことによって、
こうした一週間の七日目にあたる日が人々が仕事を休んで礼拝を行う聖なる日として位置づけられていく安息日と呼ばれる概念が形づくられていくことになっていったと考えられることになるのです。
英語とドイツ語とフランス語における「安息日」の呼び名とスペイン語における一週間の曜日の呼び名
そして、
こうした旧約聖書が書かれた原語にあたるヘブライ語における一週間の曜日の位置づけのあり方においては、現在における日曜日が一日目とされたうえで、そこから一週間がはじまっていくことになるため、
こうした旧約聖書の原語にあたるヘブライ語においては、週が始まってから七日目の日にあたる安息日は現在の土曜日にあたる日として位置づけられることになっていったと考えられることになります。
そして、
こうしたヘブライ語における語源的な経緯から、
例えば、現代においても、スペイン語においては、一週間の曜日はそれぞれ、
日曜日は、domingo(ドミンゴ)
月曜日は、lunes(ルネス)
火曜日は、martes(マルテス)
水曜日は、miércoles(ミエルコレス)
木曜日は、jueves(ホエベス)
金曜日は、viernes(ビエルネス)
土曜日は、sábado(サバド)
といった呼び名で表記されることになるように、
こうしたヘブライ語におけるšabbāth(シャバット)という単語を語源として、
スペイン語やポルトガル語においては、sábado(サバド)は「安息日」のことを意味すると同時に「土曜日」のことを意味する言葉としても用いられていると考えられることになります。
また、
英語やドイツ語やフランス語といったその他のヨーロッパ各国の言語においても、「安息日」のことを意味する単語としては、こうしたヘブライ語におけるšabbāth(シャバット)という単語を語源とする言葉として、
英語ではSabbath(サバス)、
ドイツ語ではSchabbat(シャバット)あるいはSabbat(サバト)、
フランス語ではSabbat(サバ)、
といった言葉が用いられていると考えられることになるのです。
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次回記事:サバトと安息日の関係とは?魔女の集会や悪魔崇拝を意味する言葉としてのサバトと魔女たちの闇の集会が開かれる具体的な日時
前回記事:安息日とは何か?旧約聖書の創世記と出エジプト記におけるモーセの言葉に基づく具体的な定義と由来
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