脱皮動物に分類される代表的な生物の種類とは?節足動物を筆頭とする八つの生物の部門に分類される多様な生物の種類
脱皮を行う代表的な生物としては、一般的には、ヘビやトカゲなどの爬虫類や、カエルなどの両生類がイメージされることになりますが、
そうした爬虫類や両生類といった哺乳類などと同じ脊椎動物に分類されるような一般的な動物には含まれない生物の種類のなかにも、
さらに言えば、そうした一般的な動物のイメージには含まれないような原始的な生物の種族のなかにこそ、こうした脱皮と呼ばれる方法によって成長していく生物の種類が数多く分類されることになり、
そうした脊椎動物が分類されることになる新口動物(後口動物)に分類されることになる生物の種族以外で、脱皮によって成長していく生物の多くは、その名の通り脱皮動物と呼ばれる生物のグループに分類されることになります。
それでは、こうした脱皮によって成長を行うことを主要な特徴とする脱皮動物と呼ばれる生物のグループには、具体的にどのような生物の種類が分類されることになると考えられることになるのでしょうか?
脱皮動物に属する八つの生物の部門とそれぞれに分類される代表的な生物の種類
まず、
こうした脱皮動物(だっぴどうぶつ)と呼ばれる生物のグループは、大きく分けて、
節足動物、有爪動物、緩歩動物、動吻動物、鰓曳動物、胴甲動物、線形動物、類線形動物と呼ばれる八つの生物の部門へと区分されていくことになり、
上記の八つの生物の部門のいずれかに分類されることになるすべての生物は、基本的には、卵から幼虫、そして、成虫へと成長していく過程において、自らの体表面を覆っている外皮や殻を脱ぎ捨てるという脱皮と呼ばれる現象を通じて成長していく生物の種類として位置づけられることになると考えられることになります。
それでは、
こうした脱皮動物に属する八つの生物の部門のそれぞれには、具体的にどのような生物の種類が分類されることになるのか?ということについてですが、
まず、はじめに挙げた
節足動物(せっそくどうぶつ)には、蝶やハチ、バッタやトンボ、セミやカブトムシといった昆虫のほかにも、クモやムカデ、あるいは、エビやカニやミジンコといった甲殻類に分類される生物もこうした節足動物と呼ばれる生物の部門に分類されることになります。
そして、その次に挙げた
有爪動物(ゆうそうどうぶつ)には、細長い円筒状の胴体の側面に付いた多数の歩脚の先端に存在する鋭い鉤爪のような構造によって小型の昆虫などを捕食する体長5~15センチメートルくらいのカギムシ(鉤虫)と呼ばれる生物が分類されることになり、
緩歩動物(かんぽどうぶつ)には、樽(たる)のような形をした胴体に八本の太く短い脚が付いたずんぐりむっくりとした形状をした体長が1ミリメートルに満たないほどの微小な生物でありながら、150℃もの高温から絶対零度(-273℃)の超低温状態、さらには、真空状態や人間の致死量の千倍を超える高線量の放射線といった過酷な環境においても乾眠(かんみん)と呼ばれる特殊な休眠状態に入ることによって生存し続ける非常に強い生命力を持ったクマムシ(熊虫)と呼ばれる生物が分類されることになるのです。
また、その次に挙げた
動吻動物(どうふんどうぶつ)には、紡錘形の形をした体の表面が多数の硬いトゲによって覆われた海岸や深海の泥の中に棲むトゲカワムシ(棘皮虫)と呼ばれる生物が、
鰓曳動物(えらひきどうぶつ)には、前述したトゲカワムシと同じく海底の泥の中に棲む細長いひも状の形状をしていて体の後端に扇状の感覚器を備えたエラヒキムシ(鰓曳虫)と呼ばれる生物が、
胴甲動物(どうこうどうぶつ)には、同じく海底の泥の中に棲む胴部に甲羅状の構造をもった壺型の形状をしたコウラムシ(甲羅虫)と呼ばれる生物がそれぞれ分類されることになります。
そして、その次の
線形動物(せんけいどうぶつ)には、回虫(かいちゅう)やアニサキス、蟯虫(ぎょうちゅう)や鞭虫(べんちゅう)といった細長いひも状の形状をした寄生虫の種族なども数多く分類されることになり、
類線形動物(るいせんけいどうぶつ)には、幼虫の間にはカマキリの体内に寄生していて、成虫になると水中で自由生活を営むようになる細長い針金状の形状をしたハリガネムシと呼ばれる生物が分類されることになるのです。
・・・
以上のように、
こうした脱皮によって成長を行うことを主要な特徴とする脱皮動物と呼ばれる生物のグループに分類されることになる代表的な生物の種類としては、
節足動物、有爪動物、緩歩動物、動吻動物、鰓曳動物、胴甲動物、線形動物、類線形動物と呼ばれる八つの生物の部門のそれぞれに分類される代表的な生物の種類として、
蝶やハチといった昆虫、エビやカニなどの甲殻類、クモやムカデ、カギムシ(鉤虫)、クマムシ(熊虫)、トゲカワムシ(棘皮虫)、エラヒキムシ(鰓曳虫)、コウラムシ(甲羅虫)、回虫、アニサキス、蟯虫、鞭虫、ハリガネムシといった多様な生物の種類が挙げられることになると考えられることになるのです。
・・・
次回記事:ミミズが脱皮しない理由とは?環形動物としてのミミズの生物学的な位置づけとムカデなどの節足動物や線形動物との違い
前回記事:肝蛭(カンテツ)が蛭(ヒル)に分類されない理由とは?扁形動物である肝蛭と環形動物である蛭の具体的な特徴の違い
「生物学」のカテゴリーへ