新型コロナウイルスの流行は100年前のスペイン風邪を繰り返すのか?日本国内と世界各国で亡くなった代表的な著名人
2020年3月13日、アメリカのトランプ大統領は新型コロナウイルスの流行拡大を受けて、ついに非常事態宣言を行った。
その翌日の3月14日には、スペインのサンチェス首相も同様に非常事態宣言を行うことを明言していて、
新型コロナウイルスの世界的な流行拡大は、100年前のスペイン風邪の流行を再び繰り返すかのような深刻な様相を見せている。
(3月13日の時点において、スペインの新型コロナウイルスの感染者は5232人となり、フランスの3661人とドイツの3675人を超えて、ヨーロッパですでに深刻な感染拡大と医療崩壊が進行しているイタリアに次ぐ第2位の感染者数となっている。)
スペイン風邪の流行の概要と当時の日本国内で亡くなった著名人
スペイン風邪は、今からほぼ100年前(正確には102年前)にあたる1918年3月から流行がはじまり、その後、1919年9月ごろに終息するまでの1年半の間に、
当時の世界人口の4分の1にあたるおよそ5億人の感染者と5000万人の死者を出したとも推定されている。
ちなみに、
スペイン風邪の最初の流行地は、その名が付けられたスペインではなくなく実際にはアメリカであったとされていて、ウイルスの起源自体については、その前年における中国での小規模なインフルエンザの流行にあったとする説もある。
また、
こうした1918年に始まるスペイン風邪の流行においては、日本を含む世界各地において各国を代表する数多くの著名人の命も失われることになり、
日本国内では、かつて第4次伊藤内閣で内務大臣を務めていた末松謙澄(享年65歳)や、内大臣や明治天皇の侍従長を務めたこともある徳大寺実則(享年79歳)といった高名な政治家たちや、
皇族では竹田宮恒久王(たけだのみやつねひさおう、享年36歳、明治天皇の玄孫としてテレビ番組の解説者としても有名な政治評論家の竹田恒泰氏の曾祖父にあたる)も薨去されている。
スペイン風邪の流行で亡くなった世界各国における著名人と現時点における新型コロナウイルスの世界的な感染状況の比較
また、こうしたスペイン風邪の流行において命を落とすことになった世界各国の著名人としては、
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』などの著作で有名なドイツの経済学者であったマックス・ヴェーバー(享年56歳)や、
象徴主義やアール・ヌーボーと呼ばれる先進的な芸術運動の中心となったオーストリアの画家であるグスタフ・クリムト(享年55歳)などの名が挙げられるほか、
ブラジルでは、1902年から1906年までブラジル大統領を務めたのち、彼自身の政治家としてのキャリアにおける2期目の大統領として選出されたロドリゲス・アルヴェスもスペイン風邪で命を落としている(享年70歳)。
ちなみに、
今回の新型コロナウイルスの世界的な流行においても、ブラジルのバンガールテン広報担当長官が感染したという発表があり、その後、アメリカのFOXニュースなどの報道によって、
一時は、ブラジルのボウソナロ大統領にもウイルスの陽性反応が出たとの情報も流れたが、現在は誤報だったとして訂正がなされている。
しかし、その一方で、すでに現時点において、
フランスのリーステール文化相や、オーストラリアのピーター・ダットン内相といったヨーロッパ各国の政府高官への感染も確認されていることは事実であり、
その他にも、カナダのトルドー首相の妻や、アメリカの人気俳優のトム・ハンクス夫妻にも感染が確認されたとの報道もあり、世界各国において混乱が広がっている。
100年前のスペイン風邪の流行における5億人の感染者と5000万人の死者という悲劇を再びくり返すことがないようにするために、
我々日本人を含む世界中の人々が自分たちのそれぞれの立場においてやることができる総力を挙げて、今回の新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために全力を尽くすことが必要となっている。
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次回記事:新型コロナウイルスの流行が終息する四つのパターンとは?集団免疫の強化やウイルスの弱毒化を通じた終息への具体的な道筋
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