致死率が高く感染力も強いウイルスほどその力の強大さゆえに地球上から早く消え去ってしまう理由とは?
人間の社会生活や人類の存続そのものをも脅かすような強力なウイルスというのは、一般的に言って、致死率が高く感染力も強いウイルスのことを意味することになると考えられることになります。
なぜならば、もしも、
ウイルスの致死率が高くても感染力が弱い場合には、そのウイルスは次の感染相手を見つける前に宿主を殺してしまうことによって、世界中へと十分に感染を拡大していく前にその感染の連鎖が途切れてしまうことになりますし、
その反対に、
ウイルスの感染力が強くても致死率が低い場合には、そうしたウイルスは季節性のインフルエンザのように、社会の内で人間と共存していくことになるため、人間の社会生活や人類の存続そのものを脅かすような危機的な事態へと至ることはないと考えられるからです。
致死率が高く感染力も強いウイルスほどその力の強大さゆえに地球上から早く消え去ってしまう理由
したがって、冒頭でも述べたように、
人間の社会を危機へと落とし入れ、人類の存続をも危うくさせるほどに危険で強力なウイルスというのは、強力な感染力と十分に高い致死率とを兼ね備えたウイルスに限定されることになると考えられることになるのですが、
そうした強力な感染力と高い致死率とをあわせ持った強力なウイルスは、そのウイルス自身が持つ強大な力のゆえに、
かえって人間の社会の内に長くとどまり続けることができずに地球上から早く消え去っていってしまうことになるという議論も成り立つと考えられることになります。
そうすると、まず、
一般的に言って、感染した人の半数以上を数日のうちに殺してしまうような致死率が非常に高いウイルスというのは、あまりに早く宿主を殺してしまうことによって次の感染相手へと効率的に感染を広げていくことができなくなるため、
上述した強力な感染力と十分に高い致死率とをあわせ持ったウイルスにおける致死率の高さというものは、高いとは言っても半分よりはだいぶ低く、せいぜい10%前後の致死率までにとどまることになると考えられることになります。
例えば、
そうした強力な感染力と十分に高い致死率とを兼ね備えた代表的なウイルス感染症としては、人類の歴史上における世界最大のパンデミックを引き起こし、
当時の世界人口の4分の1にあたるおよそ5億人の感染者と5000万人の死者を出したとも推定されているスペイン風邪が挙げられることになりますが、
こうしたスペイン風邪のような強力な感染力と十分に高い致死率とをあわせ持ったウイルスは、その爆発的な感染力によって世界中の人々に感染を拡大していくことによって、
多くの人々の命を奪うと同時に、それ以上に多くのウイルスに対する免疫を獲得した回復者を生み出してしまうことになります。
また、
そうした致死率が高いウイルスの感染拡大が生み出すことになる強い恐怖感は、必然的に、人間社会を大きく委縮させていくことになり、
経済活動を含む人間社会におけるあらゆる活動が停滞していくと同時に、強力な防疫対策を行うことを求められた国々は、互いに国境や空路を閉ざしていくことによって、世界全体が鎖国状態に近いような孤立した状態へと向かっていくことになります。
そして、
そうした互いに孤立した状態へと陥り、社会活動が停滞して、人々がほとんど家の中へと閉じこもって人通りがなくなった閑散とした町の中では、
どんなに強力な感染力を持ったウイルスであっても、次第に新たな感染相手を見つけることができなくなっていき、感染症の流行の拡大は徐々に終息へと向かっていくことになると考えられることになります。
実際、スペイン風邪の世界的な流行は、長いようでいて、1年と2か月ほどのあいだ世界中で猛威を振るったのちに、忽然とその姿を消してしまうことになったと考えられているのですが、
このように、
スペイン風邪のような強力な感染力と十分に高い致死率とをあわせ持った強力なウイルスというものは、そのウイルス自身が持つ力の強大さゆえに、
ウイルスが感染を拡大していくのに適した世界の人々の社会生活のあり方や、さらには、人類全体の免疫構成をも大きく歪めていってしまうことによって、
スペイン風邪のように長くてもせいぜい1年から2年ほどの間だけ悪魔のような疫病の猛威を振るったのちに流行は終息へと向かい、ウイルスそのものも地球上から消え去っていってしまうことになると考えられることになるのです。
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