新型コロナウイルスによる医療崩壊はいつ起きるのか?感染者の増加ペースと医療崩壊が起きる限界地点との関係

新型コロナウイルスの致死率SARSより低く感染力インフルエンザより低いと考えられているが、中国の武漢の例を見ても分かる通り、

このウイルスの真の危険性は、医療崩壊によって市民生活の基盤を破壊することにあると考えられる。

新型コロナウイルスの感染は、中程度から重度の症状をきたした患者において、肺炎や呼吸困難といった比較的長期の入院が必要な病態を引き起こすことになる。

そして、医療の側の受け入れ能力を超えるレベルにまで感染拡大が進むと、病院において一定程度の隔離措置が必要な感染者用のベッドの確保ができなくなることによって患者に対して必要な治療を行うことができなくなる医療崩壊が引き起こされてしまうことになる。

それでは、感染拡大の状況具体的にどのような条件を満たしてしまった時に、こうした医療崩壊という破局的状態が引き起こされてしまうことになると考えられることになるのだろうか?

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感染者の増加ペースと医療崩壊が起きる限界地点との関係

ウイルスの感染拡大病院側の対応能力を超えてしまう医療崩壊が起きるための条件は、それぞれの国や地域における感染者数の総計からの単純な計算によっては導き出すことはできない。

例えば、

総計で3万人の感染者が生じてしまうケースにおいても、その1万人の感染者が毎日200人ずつのペースで150日間かけて増えていくとするならば、日本国内において医療崩壊が引き起こされることはない

しかし、その一方で、

もしも明日1一挙に3000人の感染者が生じてしまうようなケースでは、その新たに増えた3000人の感染者によって、日本国内における医療崩壊がたった1日で引き起こされてしまうということも十分にあり得る

なぜならば、

たとえトータルの感染者数が非常に多くなる場合であっても、1日ごとの感染者の増加のペースが緩やかであれば、先に入院していた肺炎患者が治癒して退院した後に生じる病院のベッドの空き新たな感染者を収容することによって正常な治療活動を維持していくことができるが、

たとえトータルの感染者数自体はそれほど多くなかったとしても、病院の受け入れ能力を超える数の患者一挙に病院へと押し寄せてしまう場合には、病院のベッドの空きがなくなって医療崩壊が引き起こされてしてしまうことになるからである。

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日本国内で新型コロナウイルスによる医療崩壊が起きる具体的な条件

それでは、具体的には、新型コロナウイルス感染者の増加どのくらいのペースにまで高まる医療崩壊が危惧されることになるのか?というと、

それは、医療側が提供することができる感染者用のベッドの数と、一人一人の患者の平均的な入院期間との関係で決まることになる。

新型コロナウイルスに感染した患者の入院期間については、中国や韓国などの事例においては、平均して2週間ほどの入院期間を経たのちに治癒または死亡への道をたどることになるという統計データが示されている。

それでは、それに対して、日本国内において新型コロナウイルスの感染者を受け入れることが可能な感染者用のベッドの数はどのくらいあるのか?というと、

新型コロナウイルスが分類される指定感染症を受け入れることが可能な感染症指定医療機関における感染症病床の数は全国で1758とされている。

そして、2月29日に行われた安倍首相の記者会見によれば、最大で5000を超える病床を新型コロナウイルス感染者のために用意することが可能とする見解も表明されているが、

逆に言えば、最大でも5000。それがこの国の医療現場において同時に受け入れる可能な新型コロナウイルスの感染者数の限界値であるということを意味してもいる。

そして、こうした情報を総合的に解釈すると、自宅療養で治癒する軽症患者に対しては基本的には積極的なウイルス検査は行わない現在の検査体制を前提とする場合、

日本国内では、新型コロナウイルスに感染した一人の患者が入院してから退院するまでの平均期間にあたる2週間の間に合計で5000

1日あたり360人を超えるペース感染者が増加してくような状態に陥ってしまった時に医療崩壊が起こる限界地点へと到達することになると考えられる。

逆に言えば、

そうした2週間の間5000人を超える新規感染者が発生するという加速度的な感染拡大によって生じる医療崩壊という破局的な事態を回避するために、

今回、政府が要請した一斉休校渡航制限といった措置、さらには、イベントの自粛不要不急の外出の自粛といった政府と国民のそれぞれのレベルで打つことができるすべての手段必要な限り全力で講じていくことによって、

感染拡大のピークをそうした医療現場の限界値の範囲内に収束させることが現在の日本における最も重要な課題となっていると考えられるのである。

・・・

次回記事:イタリアでの新型コロナウイルスの感染拡大の日本への短期的および中期的な影響とイギリスと東京オリンピックとの関係

前回記事:韓国への渡航制限と渡航中止勧告が急務である理由、新型コロナウイルスに対する日本とアメリカの現時点での対外対応の違い

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