バウムクーヘンの由来とは?ドイツ語で「木のケーキ」を意味するドイツの伝統的な焼き菓子の名前とトルテとクーヘンの違い
ドイツの代表的な焼き菓子としては、中心にドーナツ状の穴があって断面が樹木の年輪のような同心円状の模様になっているのが特徴的なバウムクーヘンが有名ですが、
こうしたバウムクーヘンというお菓子の名前は、ドイツ語での語源となる言葉自体の意味においては、もともとどのようなお菓子のことを意味する言葉であったと考えられ、
このお菓子は、具体的にどのような由来と経緯から、こうしたバウムクーヘンという名で呼ばれることになっていったと考えられることになるのでしょうか?
ドイツ語で「木のケーキ」を意味するバウムクーヘンの由来とは?
(出典:Wikimedia Commons:<https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Baumkuchen,dresden,Deutschland.JPG>、Baumkuchen,dresden,Deutschland, by katorisi, 2008)
そうすると、まず、
こうしたバウムクーヘンと呼ばれるお菓子の名前は、ドイツ語ではBaumkuchen(バオムクーヘン)と表記されることになり、
こうしたドイツ語におけるBaumkuchen(バオムクーヘン)単語は、もともと、
「木」や「樹木」のことを意味するBaum(バオム)という名詞と、「ケーキ」や「焼き菓子」のことを意味するKuchen(クーヘン)という名詞が結びつくことによってできた言葉であると考えられることになります。
つまり、一言でいうと、
こうしたバウムクーヘンと呼ばれるドイツのお菓子の名前は、こうしたドイツ語での語源となる言葉自体の意味に基づくと、もともとは「木のケーキ」あるいは「木の焼き菓子」といった意味を表す言葉であったと考えられ、
このお菓子は、
小麦粉とバターと砂糖と卵そしてコーンスターチといったケーキの材料となる食品を混ぜ合わせてできた生地を太い棒に何層にもわたって薄く重ねて巻いていったうえで、生地が巻きつけられた棒を回しながら繰り返し生地を焼いていき、
焼き色のついた茶色の生地の層と焼き色のついていない黄色い記事の層が交互に幾重にも折り重なっていくことによって、輪切りにすると断面に樹木の年輪のような模同心円状の模様ができあがることになるため、
こうしたドイツ語で「木のケーキ」のことを意味するバウムクーヘンという名前がつけられることになったと考えられることになるのです。
ドイツのケーキにおける「トルテ」と「クーヘン」の違いとは?
ちなみに、
ドイツ語において、「ケーキ」のことを意味する単語としては、こうしたバウムクーヘンにおけるKuchen(クーヘン)という言葉のほかに、Torte(トルテ)という言葉も挙げられることになるのですが、
前者のKuchen(クーヘン)という言葉は、もともとはオーブンで焼いたお菓子全般のことを意味する言葉であったと考えられるのに対して、
後者のTorte(トルテ)という言葉は、主に、上にクリームや苺などの果物が乗せられているショートケーキなどの一般的なケーキやデコレーションケーキなどの大きな円形のケーキのことを意味する言葉であるといった点に、
こうしたドイツ語においてケーキのことを意味する「トルテ」と「クーヘン」という言葉の具体的な意味の違いがあると考えられることになります。
そして、そういった意味では、
こうしたドイツの伝統的なお菓子の一つであるバウムクーヘンは、
「トルテ」ではなく「クーヘン」におけるオーブンで焼いたお菓子全般のことを意味する言葉としてのドイツ語におけるケーキのイメージが念頭に置かれることによって、
ショートケーキやデコレーションケーキなどといった一般的なケーキのイメージというよりは、どちらかと言えば、カステラやマドレーヌといった焼き菓子のイメージの方に近いと考えられるこのお菓子に対して、
こうしたバウムクーヘンという「木のケーキ」のことを意味する名前がつけられることになったと考えられることになるのです。
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