武装競走(ホプリトドロモス)とは何か?ギリシア語の語源に基づく具体的な意味と重装歩兵の大盾との関係

前回の記事で書いたように、古代ギリシアオリンピアの祭典を中心とする古代のオリンピックにおいては、競技への参加者は、奴隷を除く自由人の成人男子に限られたうえで、基本的には、衣服をまとわない全裸の状態で競技に挑むことが通例となっていたと考えられることになるのですが、

その一方で、

こうした古代のオリンピックにおいても、競技の性質上、全裸ではなく、通常の衣服というよりは一定の装備を身につけて行われていた競技の種目も少しはあったと考えられ、

そうした参加者が装備を身につけて競技を行うことになっていた古代オリンピック代表的な種目としては、

武装競走(ホプリトドロモス)戦車競走(アルマトドロミア)と呼ばれる軍事的な色彩の強い二つの競技種目の名が挙げられることになると考えられることになります。

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古代ギリシア語の語源に基づく武装競走(ホプリトドロモス)の意味とは?

そうすると、まず、こうした武装競走戦車競走と呼ばれる二つの競技種目のうち、

前者の武装競走(ホプリトドロモス)とは、古代ギリシアにおける軍隊の主戦力として位置づけられていた重装歩兵(ホプリテス)の格好をして行われる競走競技として位置づけられることになります。

そして、

こうした古代ギリシアにおいて「重装歩兵」のことを意味するホプリテス(πλίτηςという言葉は、もともと、同じ古代ギリシアにおいて「大盾」のことを意味するホプロン(πλονという単語から派生してできた言葉であると考えられるように、

古代のオリンピックにおける武装競走(ホプリトドロモス)の競技においては、競技の参加者たちは、そうした重装歩兵の象徴ともいえる大盾小手すね当てといった兵士の装備を身につけた状態で競走競技へと臨んでいくことになっていたと考えられることになるのです。

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古代のオリンピックにおける武装競走の具体的な競技内容とは?

そして、

こうした武装競走と呼ばれる古代オリンピックの競技においては、前述した重装歩兵の装備を身につけた参加者たちは、

スタディオン走ディアウロス走ドリコス走といった全裸の状態で行われる通常の競走競技において用いられているものと同じ競走路を走っていくことになっていたと考えられ、

具体的には、通常の場合、

武装競走においては、ディアウロス走の場合と同じ2スタディオン、すなわち、だいたい350400mくらいの距離走っていくことになっていたと考えられることになります。

また、

こうした古代オリンピックにおける武装競走においては、当初は、そうした重装備を身につけて実際に敵と戦うための準備をするという軍事訓練的な意味合いも強かったと考えられるため、

競技への参加者たちは、当初は、前述したように、

直径が80cmから100cmにも及ぶような青銅で被覆がなされた木製の丸い大盾や、青銅製の兜小手すね当てなどといった全部で重量が6.58kgにも及ぶような文字通りの重装備で競技に臨んでいたと考えられることになるのですが、

その後、

徐々に競技における選手の装備のあり方が簡素化されていくなかで、最終的には、重装歩兵の象徴である大盾を左手に持つというだけのシンプルな装備に落ち着いていくことになっていった考えられることになるのです。

・・・

次回記事:戦車競走(アルマトドロミア)とは何か?ギリシア語の語源に基づく具体的な意味とシノリスとテスリッポンという種目の違い

前回記事:古代オリンピックではいつから裸で競技が行われるようになったのか?全裸で走る最初の優勝者となったスパルタのアカントス

 

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