正午と正子における天球上の太陽の位置の違いとは?太陽の南中時刻と北中時刻としての天文学における正午と正子の定義
前回の記事で書いたように、正午と正子という二つの言葉の具体的な由来については、午(うま)と子(ねずみ)という十二支の動物との時刻との対応関係にその大本の由来が求められることになると考えられ、
具体的には、
十二支の午(うま)が司る時間の中心にあたる真昼の12時ごろの午の刻の正刻にあたる時刻が正午(しょうご)、
十二支の子(ねずみ)が司る時間の中心にあたる真夜中の0時ごろの子の刻の正刻にあたる時刻が正子(しょうし)として定義されることになると考えられることになるのですが、
それでは、
こうした正午と正子と呼ばれる二の時刻において、実際の天球上における太陽の位置はそれぞれ具体的にどのような地点に位置することになると考えられることになるのでしょうか?
正午と正子の時刻における実際の天球上における太陽の位置
そうすると、まず、上記の図において示したように、
地球からの観測において天体が配置されていくことになる天球上における太陽の日周軌道においては、太陽は東の空から昇ってきて、南の空を通ったのちに、西の空へと沈んでいくことになるのに対して、
詳しくは「子午線と卯酉線の具体的な意味と由来」の記事で書いたように、天文学の分野においては、そうした天球上においては天体の位置や方角を計るときの基準線となる線としては子午線と呼ばれる線が位置づけられていくことになります。
そして、
こうした子午線と呼ばれる線は、十二支の子(ねずみ)が司る方位にあたる天の北極と、十二支の午(うま)が司る方位にあたる天の南極、そして、観測者の頭上にあたる天頂の三点を通る天球上の大円にあたる線として定義されることになり、
北と南という二つの方位に対応する十二支における子と午を結ぶ線という意味で子午線と呼ばれていると考えられることになるのですが、
正午と正子と呼ばれる時刻は、天文学的な意味においては、
そうした天球上における太陽の日周軌道と子午線との交点にあたる位置に太陽が位置する時刻として定義されることになると考えられることになるのです。
太陽の南中時刻と北中時刻としての天文学における正午と正子の定義
そして、上記の図において示したように、
こうした正午と正子と呼ばれるそれぞれの時刻における実際の天球上での太陽のより具体的な位置関係のあり方については、
正午の時刻は、東の空から昇ってきた太陽が南の空において天球上における南北を結ぶ線にあたる子午線を通過すると同時に、そうした地平線の上方において一日のなかで最も高い高度へと到達する時刻として位置づけられることになるのに対して、
正子の時刻は、西の空へと沈んでいった太陽が北の空のはるか下の地点において子午線を通過すると同時に、そうした地平線の下方において一日のなかで最も低い高度へと到達する時刻として位置づけられることになると考えられることになります。
つまり、そういった意味では、
そうした天文学的な意味における正午と正子と呼ばれる二つの時刻の位置づけのあり方について、一言でまとめると、
正午とは、太陽が地平線の上方において子午線を通過することになる太陽の南中時刻として定義されることになるのに対して、
正子とは、太陽が地平線の下方において子午線を通過することになる、言わば、太陽の北中時刻にあたる時刻として定義していくことができると考えられることになるのです。
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次回記事:子午線とは何か?地球上と天球上における子午線の具体的な定義の違いと赤道と地平線との位置関係
前回記事:正午と正子の具体的な意味と由来とは?十二支と時刻の対応関係に基づく午の刻の正刻と子の刻の正刻としての両者の定義
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