秋分とは何か?天文学の厳密な意味における秋分の瞬間の定義と秋分の日に昼と夜の長さがぴったり同じ長さにならない理由

秋分(しゅうぶん)とは、一年を太陽の運行のあり方に合わせて24等分したうえで、それぞれの領域の区切りとなる日に季節を表す名前を付けた二十四節気(にじゅうしせっき)と呼ばれる暦の区分のあり方において16番目の節気として位置づけられる日であり、

一言でいうと、こうした秋分と呼ばれる日は、

地球から見た太陽の運行において、太陽が真東から昇って真西へと沈んでいくように観測されることになり、一日における昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなると同時に、この日を境にして北半球では冬至へと向けて昼が次第に短くなっていくことになる基点となる日のことを意味する言葉として定義することができると考えられることになります。

そして、

こうした秋分と呼ばれる日は、現代の日本の暦においては、922から923ごろに訪れることになると考えられることになるのですが、

それでは、こうした秋分と呼ばれる日は、天文学の分野におけるより厳密な定義においては、太陽と地球がどのような位置関係にある瞬間のことを意味する概念として定義されることになると考えられることになるのでしょうか?

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天文学における秋分点の定義と厳密な意味における秋分の瞬間の位置づけ

秋分点と黄道と天の赤道の位置関係

そうすると、まず、上記の図において示したように、

地球から見た太陽の運行のあり方においては、

太陽は月や星々といった様々な天体が見かけ上配置されていくことになる仮想的な球面にあたる天球上における黄道(こうどう)と呼ばれる大円の軌道一年かけて一周していくことになると考えられ、

こうした黄道と呼ばれる太陽の見かけ上の年周軌道は、地球における赤道が天球上に投影された大円にあたる天の赤道から23.4度傾いた大円として描かれていくことになります。

そして、

天文学においては、こうした黄道天の赤道という二つの大円が交差していくことになる二つの交点のうちの太陽が天の赤道を北側から南側へと降っていくように横切っていく降交点の側が秋分点として位置づけられることになり、

太陽がこうした秋分点と呼ばれる黄道天の赤道降交点にあたる点を通過する瞬間こそが、天文学における厳密な意味において秋分が訪れる瞬間として定義されることになると考えられることになるのです。

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秋分の日における昼と夜の長さがぴったり同じ長さにならない理由

そして、

こうした天文学における秋分の瞬間が訪れることになる秋分の日においては、地球における赤道面が天球上に投影された大円にあたる天の赤道上に太陽が位置することになるため、

地球からの観測においては、太陽は真東から昇って真西へと沈んでいくように観測されていくことになり、

それによって、こうした秋分の日の一日おける昼の長さと夜の長さほぼ等しくなると考えられることになります。

しかし、その一方で、以前に春分の日について取り上げた記事のなかでも詳しく考察したように、

太陽の光地球へと実際に到達する際には、

それまで真空の中を進んできた太陽の光地球の大気の層にぶつかることによって、真空地球の大気との間の光の屈折率の差によって、太陽の光が少し上方へと折れ曲がって地球上の観測地点へと到達することになり、

そうした地球の大気がもたらす太陽の光の屈曲現象によって、太陽が地平線から昇ってくる時と地平線へと沈んでいく際に、実際の太陽の位置よりも地球から見た太陽の位置が少し上方に観測されることによって、

日の出の時刻はわずかに早く、そして、日の入りの時刻はわずかに遅く観測されることになるため、

地球上における実際の観測においては、こうした秋分の日における昼と夜の長さはぴったり同じ長さというわけではなく、春分の日における昼と夜の長さとまったく同じように実際には、昼の長さの方が14分ほど長くなってしまうと考えられることになるのです。

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次回記事:冬至とは何か?天文学の厳密な意味における冬至の瞬間の定義と冬至の日が一年で一番日の出が遅い日にならない理由

前回記事:夏至とは何か?天文学の厳密な意味における夏至の瞬間の定義と夏至の日が一年で一番日の出が早い日にならない理由

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