うお座の星の名前の由来とは?「ひも」で結ばれた二匹の魚の姿として描かれる「く」の字型をした星座の形
黄道十二星座の一つとして位置づけられている魚座(うおざ)は、黄道十二宮における双魚宮(そうぎょきゅう)の領域とも結びつけられることによって、
二十四節気のうちの雨水から春分の頃までの時期にあたる 2月19日から3月20日までの30日間の期間を司る星座としても位置づけられることになるのですが、
天文学において、こうしたうお座を構成する主要な星としては、具体的にどのような星の名前が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?
うお座を構成する主要な四つの星の名前と具体的な由来
そうすると、まず、
こうした日本語ではうお座、英語ではPisces(パイシーズ)と呼ばれる星座は、現代の天文学においては、全部で177個ほどの恒星によって構成されている星座として位置づけられることになるのですが、
こうしたうお座を構成している様々な星々のうち、地球から見たとき比較的明るくて大きい星として観測されることになる主要な星の名前を挙げていくと、
アルレシャとアルファーグ、そして、カウダ・ピスキスとシンマといった全部で四つの星の名前を挙げていくことができると考えられることになります。
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こうしたうお座を構成する主要な四つの星のうち、はじめに挙げた
アルレシャ(Alrescha)は、アラビア語において「ひも」を意味するal-rišā’(アル・リシャ)という言葉に由来する名前を持つ星であり、
この星はうお座を構成する星々のなかでは三番目に明るい四等星の恒星として位置づけられることなり、
その次に挙げた
アルファーグ(Alpherg)は、アラビア語において「水の流出」を意味するal-pherg(アル・ファーグ)という言葉に由来する名前を持つ星であり、
この星はうお座を構成する星々のなかでは最も明るい四等星の恒星として位置づけられることなります。
そして、それに対して、その次に挙げた
カウダ・ピスキス(Cauda Piscis)は、ラテン語において「魚の尾」を意味する名前がつけられたうお座を構成する星々のなかでは四番目に明るい四等星の恒星、
シンマ(Simmah)は、バビロニア神話における魚の女神の名を意味する名前がつけられたうお座を構成する星々のなかでは二番目に明るい四等星の恒星としてそれぞれ位置づけられることになると考えられることになるのです。
「ひも」で結ばれた二匹の魚の姿として描かれる「く」の字型の星座の形
そして、
こうしたうお座を構成している主要な星々を線でつなげて星座の形を描いていく場合には、
前述した主要な四つの星のなかの一番左に位置するアルレシャと呼ばれる星を基点として、上の方向と右の方向という二つの方向へと星々が互いに連なっていくことによって、
うお座における「く」の字型をした星座の形が描かれていくことになると考えられることになります。
そして、そもそも、
こうしたうお座と呼ばれる星座が、黄道十二宮の区分においては双魚宮、すなわち、二匹の魚が司る天球の領域として位置づけられていることからも分かるように、
うお座を構成する星々の名前を順番に見ていくと、
はじめに挙げた「ひも」を意味するアルレシャと呼ばれる星によって、魚が泳いでいく「水の流れ」を意味するアルファーグや、「魚の尾」を意味するカウダ・ピスキスといったうお座を構成する星々が互いに結びつけられていくというように、
夜空に互いの尾をひもによって結びつけられた二匹の魚の姿が描かれていくことになると考えられることになるのです。
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