荒野での40日の修行にはじまり十字架の死からの復活と40日間の神の国の教えに終わる伝道者としてのイエスの生涯、四旬節でキリストの苦難を思う祈りの期間が40日間続く理由とは?②

前回の記事で書いたように、キリスト教において四旬節と呼ばれるキリストの十字架の死の苦難を思って執り行われる祈りの期間がちょうど40日間におよぶ期間とされている直接的な理由としては、

新約聖書マタイによる福音書ルカによる福音書などにおいて記されているイエス・キリスト荒野での40日間の修行と断食の期間に合わせて、そうした40日間におよぶ祈りの期間の長さが定められていくことになっていったと考えられることになるのですが、

 こうした新約聖書の記述のなかでは、そうしたキリストの荒野の修行の場面のほかにも、

四旬節における直接的な祈りの対象となっているキリストの十字架の死と復活といった出来事とより関わりが深い場面においても、

こうした40日間という日数についての記述が書き記されている箇所を挙げていくことができると考えられることになります。

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新約聖書における十字架の死から復活したイエス40日間におよぶ神の国の教えと四旬節との関係

新約聖書の記述においては、神を信じるすべての人々の罪を贖うために十字架の死を遂げることになったイエス・キリストは、その三日目に復活して弟子たちの前に姿を現したのち、再び天へと昇っていくことになったと語られているのですが、

そうしたイエス・キリストの復活と昇天の場面については、例えば、新約聖書使徒言行録における以下のような記述のなかで、その復活後の詳細な様子が詳しく語られていくことになります。

・・・

イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された

そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。」

さて、使徒たちは集まって、「主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか」と尋ねた。

イエスは言われた。「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」

こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった

(新約聖書「使徒言行録」1章 3節~9節)

・・・

つまり、

こうした新約聖書使徒言行録における記述のなかでは、

イエス・キリスト十字架の死という大いなる苦難を受けたのち、三日目に復活して、その姿を使徒たちの前に示して復活の約束が果たされたことの証としたうえで、

さらに、四十日間にわたって、自分が天へと昇っていったのちに人々に告げ知らせていくべき神の国についての教えを自分の最愛の弟子である使徒たちに語り聞かせてから天へと昇っていったということが語られていると考えられることになるのです。

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荒野での40日の修行にはじまり十字架の死からの復活と40日間の神の国の教えに終わる伝道者としてのイエスの生涯

そして、以上のように、

こうしたキリスト教において四旬節と呼ばれるちょうど40日間におよぶことになる復活祭の前祈りの期間については、

前回の記事で取り上げた新約聖書マタイによる福音書ルカによる福音書などにおいて記されているキリストの荒野での40日間の修行と断食についての記述だけではなく、

今回の記事で取り上げた新約聖書使徒言行録において記されているイエス・キリスト十字架の死からの復活を成し遂げてから再び昇天していくまでに40日間にわたって使徒たちに神の国の教えを語り伝えていったという記述についても一つの拠り所とされたうえで、

そうした四旬節におけるイエス・キリストの十字架の死の苦難を思って行われる40日間におよぶ祈りの期間の長さが定められていくことになっていったとも考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

新約聖書の記述においては、イエスは聖霊によって導かれて荒野での40日間の修行を経て神の教えを伝える伝道活動への道へと入っていったのち、

その後、十字架の死を受けて3日目に復活してから、さらに40日間にわたって再び神の国についての教えを弟子たちに語り伝えてから神のもとへと還っていくことになったと語られているように、

こうした神の教えを世の人々に語り伝える伝道者としてのイエスの生涯は、

荒野での40日間の修行にはじまり、復活後の40日間の神の国の教えによって終わるという40日間という聖なる期間によって、そのはじまりの時終わりの時が明確な形で境界づけられているとも捉えていくことができると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:キリストの荒野の修行が40日間とされる理由とは?旧約聖書の出エジプト記におけるモーセの十戒との関係

前回記事:四旬節でキリストの苦難を思う祈りの期間が40日間続く理由とは?①新約聖書におけるキリストの荒野での40日の修行

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