知恵の女神アテナが軍事や戦争を司る軍神でもある理由とは?ギリシア神話で生まれずじまいに終わったアテナの弟との関係

前回の記事で書いたように、ギリシア神話において知恵を司る女神であるアテナは、その誕生に際して、父親であるゼウスの頭の中から兜とマントを装備した武装した状態で生まれてくることになり、

そうしたこともあって、女神アテナは、知恵学芸工芸などといった分野を司る女神であると同時に、戦争戦略軍事などといった分野を司る女神としても位置づけられることになるのですが、

知恵の女神という、本来は、軍事や戦争といった荒々しい事柄とは縁の遠い存在であるようにも思われるアテナが、

このように、兜とマントを装備した武装した状態で生まれ、のちに、軍事や戦争を司る軍神としても位置づけられるようになっていた根本的な理由としては、具体的にどのような要因が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?

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ギリシア神話において生まれずじまいに終わったアテナの弟になるはずだった神の存在

そうすると、まず、

そもそもギリシア神話の物語においては、

アテナが生まれる前に、彼女の父親となるゼウスに対して与えられた大地の女神ガイアによる予言の言葉においては、

ゼウスと彼の最初の妻であったメティスとの間に生まれることになっていた子供としては、女神アテナの後に、ゼウスが持つ天界の支配者の座を奪い取ることが予言されていた息子の誕生が予言されていて、

そうした予言の言葉が成就することを恐れたゼウスが、彼女が身ごもっていた子供ごとメティスを丸飲みにしてしまうことによって、アテナは本来の自分の母親となるはずのメティスではなく、父親であるゼウス頭の中から誕生することになるのですが、

そうしたアテネの誕生の時に際して、

彼女の後に続いて、実際には、アテネの弟にあたるような男の子の神様が生まれてくることはないまま、時が過ぎ去っていってしまうことになります。

つまり、

こうしたギリシア神話における大地の女神ガイアによるゼウスとメティスの間に生まれるはずだった二人の子供についての予言と、その後のアテナの誕生までの一連の物語においては、

ゼウスが子供を身ごもった状態のメティスを飲み込んでしまった時点で、飲み込まれてしまった女神メティスは、神であるため死んでしまうことはないものの、かといって、ゼウスの体の中ではそのまま普通に子供を生むこともできないというどっちつかずの状態へとおちいってしまうことになり、

結局、かつて示されていた予言の言葉がちょうど半分だけ成就するような形で、

最初に生まれることが予告されていた娘である女神アテナだけが生まれてきて、その後に続いて生まれてくることが予告されていた息子である男の子の神様は、生まれずじまいに終わってしまうことになってしまったと考えられることになるのです。

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知恵の女神アテナが軍事や戦争を司る軍神でもある理由

そして、そういった意味では、

こうした予言の言葉が半分だけ成就するような形で、自分の本来の母親であるはずのメティスではなく、父親であるゼウス頭の中から生まれてきた知恵の女神であるアテナは、

本来、自分の弟として生まれてくるはずであったゼウスから天界の支配者の座を奪い取ることが予言されていたゼウスの息子の存在をも自らの内に含み持つことによって、生まれてきたと解釈していくこともできると考えられることになります。

そして、

そうしたゼウスから天界の支配者の座を奪い取ることが予言されていたゼウスの息子にしてアテナの弟となるはずであった神様は、

当然、自分の父親であるゼウスをも打ち倒すような強大な力を持ち、その知略を大きく凌駕するような戦略や軍事の才能に秀でた神様であったと考えられることになるため、

以上のことを考え合わせると、

本来は、学芸工芸といった戦争とは縁遠い分野を司る知恵の女神であったはずのアテナは、そうした本来自分の後に生まれてくることが予言されていたゼウスをも凌駕する強大な力軍事的な才能を持つ自分の弟となるはずであった神の力をも自らの内に受け継いでいくことによって、

ギリシア神話において、戦争戦略軍事などといった分野を司る軍神としても位置づけられていくようになっていったとも考えられることになるのです。

また、そういった意味では、

こうした女神アテナの誕生に際して、彼女がゼウスの頭の中でメティスが自分の子供のためにせっせと準備していた兜とマントを装備した状態で生まれてきた理由についても、

女神アテナと彼女に続くゼウスの息子の母親となるはずであったメティスは、本来は、自分の娘のためには彼女の体を包む美しいマントを織り上げ、自分の息子のためには力強い兜を用意してはいたものの、

結局、実際に生まれてきたのは、娘であるアテナの方だけであったため、彼女に自分がつくったマントと兜の両方を装備させることによって、その代わりとしていたとも解釈していくことができると考えられることになります。

・・・

次回記事:パラス・アテナのギリシア神話における二つの由来とは?巨人パラスとの戦いと女神アテナの親友であった少女パラスの悲劇

前回記事:知恵の女神アテナに母親はいるのか?生物学的な母メティスと代理母となったゼウスから生まれたギリシア神話の中性的な女神

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