ヘリコプターの語源とは?DNAの二重らせん構造やヘリコバクターなどのらせん菌との関係とギリシア語における言葉の由来
英語におけるヘリコプター(helicopter)という言葉は、
ギリシア語においてらせん(螺旋)のことを意味するhelix(ヘリックス)という単語を語源とするhelico-(ヘリコ)という接頭辞と、
羽や翼のことを意味するpteron(プテロン)という単語を語源とする-pter(プター)という接尾辞が結びつけられることによってつくられた言葉であり、
こうしたヘリコプターと呼ばれる空を飛ぶ乗り物は、らせん状の形状をした回転翼(プロペラ)を高速で回すことによって発生した垂直方向への揚力を利用して飛行することから、
こうしたヘリコプターという名前がつけられることになったと考えられることになります。
そして、
こうしたヘリコプターの語源となったhelico-(ヘリコ)という接頭辞が用いられている言葉としては、そのほかにも、
例えば、
生物学の分野におけるヘリコバクターと呼ばれる細菌の存在や、人間を含む地球上に住むあらゆる生物の細胞の遺伝情報を担っているDNAの二重らせん構造などが挙げられることになります。
ピロリ菌などのらせん菌のことを意味するヘリコバクター
こうしたヘリコプターという言葉の語源ともなったギリシア語におけるhelix(ヘリックス)あるいは英語におけるhelico(ヘリコ)という言葉は、
もともとは、
生物学の分野などにおいて、オウムガイやアンモナイトなどに代表されるようならせん状の貝殻を持つ巻き貝や、カタツムリのような生物のことを意味する言葉として用いられていたと考えられることになるのですが、
こうしたヘリコ(helico)という接頭辞がつけられた生物の種類としては、そのほかにも、ヘリコバクター(Helicobacter)と呼ばれる細菌の種族の名が挙げられることになります。
そして、
ヘリコバクター呼ばれる細菌の種族に分類される代表的な細菌の種類としては、胃炎や胃潰瘍などの原因菌として有名なピロリ菌などが挙げられることになるのですが、
こうしたピロリ菌と呼ばれる細菌は、正式な学名においては、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)と呼ばれていて、
こうしたピロリ菌に代表されるようなヘリコバクター属に分類される細菌たちは、ヘリコプターについているプロペラの形状と同じように、
らせん状(helico)の形状をした細菌(bacteria)の種類であるため、こうしたヘリコバクター(Helicobacter)という名前がつけられることになったと考えられることになるのです。
DNAの二重らせん構造のことを意味するダブル・ヘリックス
また、
人間を含む地球上に住むあらゆる生物の細胞の遺伝情報を担っているDNAと呼ばれる遺伝物質の構造は、二本の鎖がらせん状に絡まった形状をしていると考えられることになるのですが、
こうした生物の細胞のDNAにおける二重らせん構造のことは、
英語ではdouble helix(ダブル・ヘリックス)、ドイツ語ではDoppelhelix(ドッペル・ヘリックス)とそれぞれ表記されることになります。
そして、以上ように、
こうしたヘリコプターという言葉の語源ともなっているギリシア語においてらせん(螺旋)のことを意味するhelix(ヘリックス)という単語や、そうしたギリシア語を語源とする英語におけるhelico(ヘリコ)という接頭辞は、
オウムガイやアンモナイトなどの巻き貝やカタツムリ、あるいは、
DNAの二重らせん構造の呼び名や、ピロリ菌に代表されるようなヘリコバクターと呼ばれるらせん菌の名前などといった
生物学を中心とする様々な学問分野において広く用いられている言葉であると考えられることになるのです。
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