地震の原因となる古代ギリシア神話の神々とは?海の神ポセイドンとタルタロスに幽閉されたクロノスを筆頭とする古代の巨神族
ギリシア神話において、地震や津波を引き起こす神としては、海を司る神であるポセイドンの存在が挙げられることになるのですが、
そのほかにも、
こうしたギリシア神話における地震と関係が深い神としては、
ティタノマキアと呼ばれる古代の神々の大戦争において、地の底の牢獄にあたるタルタロスへと幽閉されたクロノスを筆頭とする巨神族の存在も挙げられることになると考えられることになります。
津波を引き起こし大地を海へと沈める力を持った海の神ポセイドン
詳しくは前回の記事でも書いたように、古代ギリシア神話においては、ゼウスやポセイドンやハデスなどに代表されるオリュンポスの神々と、クロノスに代表される古代の巨神族との間で繰り広げられた神々の大戦争についての記述が出てくることになり、
こうしたオリュンポスの神々と古代の巨神族の間で戦われた神々の大戦争は、そうしたクロノスを筆頭とするティターン神族と呼ばれる古代の巨神族の名前をとってティタノマキアとも呼ばれていくことになります。
そして、
こうしたティタノマキアと呼ばれる新旧のギリシア神話の神々の間で繰り広げられた大戦争においては、ゼウスと筆頭とするオリュンポスの神々の陣営は、大地を司る原初の女神であるガイアの助けを借りて、
地の底の牢獄にあたるタルタロスに閉じ込められていたキュクロプス(サイクロプス)やヘカトンケイルと呼ばれる巨人たちを解放して、彼らと共に、クロノスを筆頭とする古代の巨神族の軍勢を打ち破って、天界と地上の支配権を手に入れていくことになるのですが、
そうしたティタノマキアの戦争の際に、海を司る神であるポセイドンは、大地の女神ガイアから生まれた巨人であるキュクロプスが鍛え上げたとされる
古代ギリシア語ではトリアイナ(τρίαινα)、英語ではトライデント(Trident)と呼ばれる三叉の矛(みつまたのほこ)を手にすることによって、
海だけではなく大地をも根底から揺るがすことができるような強大な力を手に入れことになり、戦局をオリュンポスの側の優位に傾けることに大きく貢献したと伝えられています。
そして、
こうしたポセイドンと呼ばれる古代ギリシア神話におけるオリュンポスの神は、そうしたトリアイナやトライデントと呼ばれる三叉の矛を武器とすることによって、
津波を引き起こして大地を海へと沈めてしまうことができるような強大な力を持っているとされているため、
ポセイドンは海を司る神であると同時に、大地を揺るがす地震を司る神としても位置づけられるようになっていったと考えられることになるのです。
地底の牢獄タルタロスへと閉じ込められた巨神族ティターンとクロノス
また、その一方で、
こうしたティタノマキアと呼ばれる古代の神々の大戦争においては、その敗北者となった神々の側であるクロノスを筆頭とするティターンあるいはタイタンと呼ばれる巨神族たちは、
その後、その強大な力を恐れたオリュンポスの神々によって、かつては、ティターンたち自身が自らの権威に逆らう敵や巨人たちを閉じ込めていた地の底の牢獄にあたるタルタロスへと閉じ込められてしまうことになるのですが、
ギリシア神話においては、そうした地底の奥深くへと閉じ込められたクロノスを筆頭とするティターンたちが、時折、自分たちになされた仕打ちに怒り狂って地下で暴れることによって、地震などの大地を揺るがす現象が引き起こされていくことになるとも説明されていくことになります。
つまり、そういった意味では、
こうしたギリシア神話における一連の記述においては、大地を揺るがす地震の原因となる神々としては、
トリアイナやトライデントと呼ばれる三叉の矛を武器とすることによって津波を引き起こして大地を海へと沈めてしまうことができるような強大な力を持つ海を司る神であるポセイドンと、
ティタノマキアと呼ばれる古代の神々の大戦争において地の底の牢獄にあたるタルタロスへと閉じ込められた巨神族ティターンの長であるクロノス
という二人の神々の存在の名が挙げられることになると考えられることになるのです。
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次回記事:ヘリコプターの語源とは?DNAの二重らせん構造やヘリコバクターなどのらせん菌との関係とギリシア語における言葉の由来
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