ヨハネの黙示録における第一の獣と第二の獣の関係とは?666という獣の数字の刻印を与える黙示録の獣として第二の獣の存在

前回の記事で書いたように、ヨハネの黙示録においては、世界の終末の時に現れて人類を滅びの道へと導く者として位置づけられている黙示録の獣は、

炎のように燃える赤い大きな竜の姿をしたサタンからその力と権威とを与えられることによって悪しき人々を支配する力を手に入れていくことになると記されているのですが、

こうしたヨハネの黙示録の記述においては、そうしたサタンから力と権威を直接与えられることになっている海の中から現れる第一の獣に続いて、

今度は、大地の中から第二の獣と呼ばれる新たな黙示録の獣が現れていく場面が描かれていくことになります。

スポンサーリンク

ヨハネの黙示録における第一の獣と第二の獣の関係とは?

そして、

こうした世界の終末の時に現れて人類を滅びの道へと導いていく者であるとされている第一の獣第二の獣との関係は、

ヨハネの黙示録における記述のなかでは、具体的には以下のような形で描かれていくことになります。

・・・

わたしはまた、もう一匹の獣が地中から上って来るのを見た。この獣は、小羊の角に似た二本の角があって、竜のようにものを言っていた

この獣は、先の獣が持っていたすべての権力をその獣の前で振るい、地とそこに住む人々に、致命的な傷が治ったあの先の獣を拝ませた。

そして、大きなしるしを行って、人々の前で天から地上へ火を降らせた。更に、先の獣の前で行うことを許されたしるしによって、地上に住む人々を惑わせ、また、剣で傷を負ったがなお生きている先の獣の像を造るように、地上に住む人に命じた

第二の獣は、獣の像に息を吹き込むことを許されて獣の像がものを言うことさえできるようにし獣の像を拝もうとしない者があれば、皆殺しにさせた

また、小さな者にも大きな者にも、富める者にも貧しい者にも、自由な身分の者にも奴隷にも、すべての者にその右手か額に刻印を押させた

そこで、この刻印のある者でなければ、物を買うことも、売ることもできないようになったこの刻印とはあの獣の名、あるいはその名の数字である。

ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である

(新約聖書「ヨハネの黙示録」13章11節~18節)

・・・

このように、上記のヨハネの黙示録における記述においては、

第一の獣が現れたのちに、地中から姿を現すことになるとされている第二の獣には、ヤギのような二本の角があり、言葉巧みな話術を用いることによって人間の心を惑わしていくとともに、

人々の前で天空から地上へと火の玉を降らせるといった魔術のような超常的な業を示すこともできるといった卓越した能力を持った存在として描かれていると考えられることになります。

そして、

こうした第二の獣と呼ばれる黙示録の獣の存在は、「先の獣」すなわち第一の獣が持っていたすべての権力を振るうことができたと記されているように、

竜の姿をしたサタンが直接その権能を与えられることになった第一の獣と同等の力と権威を持った邪悪な存在として位置づけられていると考えられることになるのです。

スポンサーリンク

「666」という獣の数字の刻印を与える黙示録の獣として第二の獣の存在

また、

こうしたヨハネの黙示録における記述では、第二の獣は、「竜のようにものを言う」とも記されていていますが、ヨハネの黙示録においては、

「竜」とは、すなわち、サタンや悪魔の化身にあたる存在として位置づけられていると考えられることになるため、

ここで語られている「竜のようにものを言う」という記述は、こうした第二の獣と呼ばれる黙示録の獣は、悪魔やサタンと同じように言葉を操るのに優れた能力を持っているということを意味していると考えられることになります。

例えば、

旧約聖書ヨブ記などの記述においては、堕天して地上へと落されることになる前のサタンが神に対して議論を仕掛けて、神の僕であったヨブの心の正しさを試すことを口実としてヨブに対して様々な災厄と苦痛を与える許可を与える言質を神から引き出す場面が示されているように、

こうした悪魔やサタンと呼ばれる存在は、もともと、神に対しても対等に議論を挑むことができるような言葉巧みで雄弁な存在としても位置づけられていたと考えられることになるのですが、

そういった意味では、

こうした第二の獣と呼ばれる黙示録の獣の存在は、サタンの化身にあたる竜と同じように言葉巧みに人々を操って、人々に自分よりも先に地上へと現れた第一の獣の像を造って拝むように仕向けていくというように、

第一の獣がサタンとしての竜から与えられていた邪悪で強大な権威をさらに高めて、そうした獣たちによる支配へと人々を服従させていくように言葉巧みに操っていくという狡智に優れた存在として位置づけられていると考えられることになります。

そして、

こうしたヨハネの黙示録の記述においては、神を信じずに獣の像を崇拝して獣たちの支配に服従する人間たちの右手と額に666という獣の数字の刻印を与える黙示録の獣の存在は、直接的な意味においては、

海中から現れた第一の獣ではなく、それに続いて地中から現れることになる第二の獣のことを指していると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:ヨハネの黙示録におけるサタンと二匹の獣の三位一体の関係、力と権威を象徴する第一の獣と知恵と狡猾さを象徴する第二の獣

前回記事:ヨハネの黙示録の獣とサタンとの関係とは?七つの頭に記された神を冒涜する名と竜の姿をしたサタンと第一の獣との関係

新約聖書のカテゴリーへ

語源・言葉の意味のカテゴリーへ

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ