ヨハネの黙示録の獣とサタンとの関係とは?七つの頭に記された神を冒涜する名と竜の姿をしたサタンと第一の獣との関係

前回の記事で書いたように、新約聖書最後の書として位置づけられているヨハネの黙示録においては、七人の天使が吹く七つのラッパの音の後に訪れることになる世界の終末と災厄の時に際して、

炎のように燃える赤い大きな竜の姿をしたサタンがその姿を現すことになるとされているのですが、

その後、

こうしたヨハネの黙示録における記述においては、竜の姿をしたサタンは、666という獣の数字の刻印を与えて人類を滅びへと導く者として有名な黙示録における獣の存在とも深く結びつけられていくことになります。

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ヨハネの黙示録における第一の獣の七つの頭に記された神を冒涜する名と竜の姿をしたサタンとの関係

日本語においては、一般的には、黙示録の獣といった呼び名で知られている獣の存在は、英語においてはシンプルにThe Beast(ザ・ビースト)と呼ばれることになるのですが、

こうした黙示録の獣の存在は、ヨハネの黙示録における記述のなかでは、具体的には以下のような形で登場することになります。

・・・

わたしはまた、一匹の獣が海の中から上って来るのを見た。これには十本の角と七つの頭があった。それらの角には十の王冠があり、頭には神を冒涜するさまざまの名が記されていた。

わたしが見たこの獣は、豹に似ており、足は熊の足のようで、口は獅子の口のようであった竜はこの獣に、自分の力と王座と大きな権威とを与えた

この獣の頭の一つが傷つけられて、死んだと思われたが、この致命的な傷も治ってしまった。そこで、全地は驚いてこの獣に服従した。

竜が自分の権威をこの獣に与えたので、人々は竜を拝んだ。人々はまた、この獣をも拝んでこう言った。「だれが、この獣と肩を並べることができようか。だれが、この獣と戦うことができようか。」

(新約聖書「ヨハネの黙示録」13章1節~4節)

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・・・

このように、上記のヨハネの黙示録における記述においては、

こうした黙示録において登場する第一の獣は、ヒョウのような体クマのような足と、ライオンのような口をしていて、

七つの頭十本の角十の王冠を持ち、そうした七つの頭のそれぞれ神を冒涜する名が記された姿で現れると語られているのですが、

こうした黙示録の獣七つの頭のそれぞれに記されていた神を冒涜する名としては、具体的には、例えば、

キリスト教における七つの大罪として知られている暴食・色欲・強欲・憤怒・怠惰・傲慢・嫉妬といった神に背く様々な悪徳の名が記されているとも解釈することができると考えられることになります。

そして、

こうした世界の終末をもたらしていくことになる黙示録における獣は、竜の姿をしたサタンからその大いなる力と権威とを与えられることによって、

神を信じずに、強大な力がもたらす地上の権威のみに従って悪徳を行っていく人々を自らの支配のもとに従えて、滅びの道へと導いていく権能が与えられることになったと考えられることになるのです。

また、

こうしたヨハネの黙示録における記述において語られている獣の存在は、上記の箇所において示されている竜の姿をしたサタンからそのすべての権能を引き継いだ第一の獣の存在だけではなく、詳しくはまた改めて次回の記事で考察していくように、

ヨハネの黙示録のその後の箇所においては、上述した第一の獣が現れたのちに、地上にその姿を現すことになるとされている第二の獣の存在についても語られていくことになります。

・・・

次回記事:ヨハネの黙示録における第一の獣と第二の獣の関係とは?「666」という獣の数字の刻印を与える黙示録の獣として第二の獣の存在

前回記事:ヨハネの黙示録における赤い巨大な竜としてのサタンの姿と創世記におけるエデンの園の蛇の関係、サタン(悪魔)とは何か?⑦

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