一年草と二年草のそれぞれに分類される代表的な植物の種類とは?二つの定義のあり方に基づく二年草に含まれる植物の範囲
前々回の記事で書いたように、一年草と二年草と呼ばれる草本植物のグループのことを意味する二つの言葉は、
植物としての生存期間の長さを基準とするのか、それとも、それぞれの植物が年を越した回数を基準として年数をカウントするのかといった植物としての年齢の数え方の違いに基づいて、それぞれ少しずつ異なった意味を持つ言葉として捉えられていくことになり、
具体的には、
前者の植物の生存期間の長さを基準とした一般的な定義においては、
一年草とは、植物としての生存期間の長さが一年未満である草本植物のグループ、
二年草とは、植物としての生存期間の長さが一年以上二年未満である草本植物のグループのことを意味する言葉として定義されることになるのに対して、
後者の植物が年を越した回数を基準とした数え年のような年月の数え方に基づく定義においては、
一年草とは、種から発芽した植物がその年のうちに枯死してしまう草本植物のグループ、
二年草とは、種から発芽した植物が年を越して翌年になってから枯死する草本植物のグループのことを意味する言葉としてそれぞれ定義されることになると考えられることになります。
それでは、
こうした一年草と二年草と呼ばれる草本植物のグループのことを意味する二つの言葉における二つの定義のあり方のそれぞれに基づいた場合、
そうした一年草と二年草という二つの植物のグループには、それぞれ具体的にはどのような草花や野菜の種類が分類されていくことになると考えられることになるのでしょうか?
一般的な定義における一年草と二年草に分類される代表的な植物の種類
まず、
はじめに挙げた植物の生存期間の長さを基準とした一般的な定義のあり方に基づく場合、詳しくは前回の記事で考察したように、
一年草と呼ばれる植物のグループは、春に種から芽を出して夏から秋にかけて花を咲かせる春蒔きの一年草と、秋に種から芽を出して翌年の春に花を咲かせる秋蒔きの一年草と呼ばれる二つのグループへとさらに細分化されていくことになると考えられることになります。
そして、具体的には、
そうした植物としての生存期間の長さが一年未満である草本植物のグループのことを意味する言葉としての一般的な定義における一年草に分類される代表的な植物の種類としては、
春蒔きの一年草に分類されるアサガオ、ヒマワリ、コスモス、マリーゴールド、ホウセンカ、トウモロコシ、カボチャ、キュウリ、イネ、春蒔き小麦といった草花や野菜の種類や、
秋蒔きの一年草に分類されるパンジー、スイートピー、デージー、ポピー、アブラナ、カブ、ダイコン、ニンジン、ソラマメ、秋蒔き小麦といった草花や野菜の種類の名が挙げられることになると考えられることになります。
そして、それに対して、
種から芽を出した一年以内の時期にはまだ花を咲かせることがなく、春夏秋冬という一通りの季節が過ぎてから一年以上にわたる生育期間を経たのちに花を咲かせて、その後すぐに枯れていってしまうことになるという厳密な意味での二年草の定義を満たす植物の種類は極めて少ないと考えられ、
そうした植物としての生存期間の長さが一年以上二年未満である草本植物のグループのことを意味する言葉としての一般的な定義における二年草に分類される代表的な植物の種類としては、
パセリやテンサイ(甜菜)、ジギタリス、フウリンソウ(風鈴草)、ハタザオ(旗竿)、ツキミソウ(月見草)、タチアオイ(立葵)、アンチューサ、ビロードモウズイカなどといった植物の種類の名が挙げられることになると考えられることになるのです。
より広い意味における二年草に分類される代表的な植物の種類
そして、それに対して、
もう一方の年を越した回数を基準とした定義のあり方にしたがった場合、
一年草と呼ばれる植物のグループには、春蒔きと秋播きと呼ばれる二つのグループのうち、前述した一年草の定義において、春に種から芽を出して夏から秋にかけて花を咲かせることになる春蒔きの一年草に区分されていた植物の種類のみが分類されることになることになり、
それに対して、前述した一年草の定義においては、秋に種から芽を出して翌年の春に花を咲かせる秋播きの一年草に区分されていた植物は、芽を出してから花を咲かせるまでの間に年を越してしまうことになるので、植物自体の生存期間は一年に満たなくても二年草の方に分類されることになると考えられことになります。
そして、
そうした種から発芽した植物がその年のうちに枯死してしまうという後者の年を越した回数を基準とした場合の一年草に分類される代表的な植物の種類としては、
アサガオ、ヒマワリ、コスモス、マリーゴールド、ホウセンカ、トウモロコシ、カボチャ、キュウリ、イネ、春蒔き小麦といった草花や野菜の種類が挙げられることになるのに対して、
種から発芽した植物が年を越して翌年になってから枯死するという後者の年を越した回数を基準とした場合のより広い意味における二年草に分類される代表的な植物の種類としては、
パセリやテンサイ(甜菜)、ジギタリス、フウリンソウ(風鈴草)、ハタザオ(旗竿)、ツキミソウ(月見草)、タチアオイ(立葵)、アンチューサ、ビロードモウズイカなどのほか、
パンジー、スイートピー、デージー、ポピー、アブラナ、カブ、ダイコン、ニンジン、ソラマメ、秋蒔き小麦といったより多くの草花や野菜の種類が分類されていくことになると考えられることになるのです。
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次回記事:多年草と一年草の具体的な特徴の違いと両者に分類される代表的な植物の種類とは?
前回記事:一年草における秋播きと春播きの区別とは?両者の具体的な特徴の違いと分類される全部で40種類の代表的な植物の種類
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