虫媒花の二つの区分とは?花蜜花と花粉花の違いと分類される代表的な植物の種類
花を咲かせて種子をつくることによって増えていく一般的な植物の種類にあたる種子植物における花粉の受粉のあり方は、
そうした種子植物における雄しべから雌しべへの花粉の受粉の過程を媒介することになる花粉の運び手の違いに基づいて、
虫媒花や鳥媒花、風媒花や水媒花といった花の種類へと分類されていくことになると考えられることになります。
そして、このうち、
チョウやミツバチなどといった昆虫の媒介によって受粉が行われる虫媒花と呼ばれる花の種類は、さらに、花蜜花と花粉花と呼ばれる二つのグループへと細分化されていくことになると考えられることになります。
蜜媒花の具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類
このうち、はじめに挙げた虫媒花の区分にあたる
花蜜花(かみつか)とは、花の中に雄しべや雌しべなどのほかにグルコースやフルクトースといった糖類を多く含む花蜜と呼ばれる甘い液体を分泌する蜜腺と呼ばれる器官や組織が発達した花の種類のことを意味する言葉であり、
こうした花蜜花に分類される植物の花たちは、蜜腺から分泌された花蜜から漂う甘い蜜の香りによって花粉の運び手となる昆虫たちを引き寄せたうえで、昆虫が花から蜜を吸う際に花粉が昆虫の体に付着していくことになり、
そうした昆虫の体に付着した花粉が、同じ昆虫が別の花の蜜を吸おうとした際に、その花の雌しべの先端部分にあたる柱頭に付着することによって受粉が成立していていくことになると考えられることなります。
そして、
こうした花蜜花と呼ばれる虫媒花の一種にあたる花の種類に分類されることになる代表的な植物の種類としては、
サクラやアブラナやヒマワリ、ミカンやクリ、さらには、レンゲやニセアカシア、クローバー、レモンバーム、ラベンダー、ユリノキ、トチノキ、シナノキ、コーヒーノキなどといった蜂蜜の原料となる蜜源植物に分類される植物の名が数多く挙げられることになると考えられることになるのです。
蜜媒花の具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類
そして、それに対して、もう一方の虫媒花の区分にあたる
花粉花(かふんか)とは、花の中に花蜜を分泌する蜜腺と呼ばれる組織を持たない代わりに、大量の花粉を生産することを特徴とする花の種類のことを意味する言葉であり、
こうした花粉花に分類される植物の花たちは、花蜜を分泌しない代わりに、花粉の運び手となる昆虫たちに花粉そのものを食べさせることによって、
そうした花粉そのものを食べている際に昆虫の体に付着した食べ残しの花粉によって、同じ昆虫が別の花の花粉を食べようとした際に、花蜜花の場合と同様に受粉が成立していていくことになると考えられることなります。
そして、
こうした花粉花と呼ばれる虫媒花の一種にあたる花の種類に分類されることになる代表的な植物の種類としては、
バラやヒナゲシ、フクジュソウ、ハマナス、エニシダなどといった植物の名が挙げられることになると考えられることになるのです。
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