ヨーグルトに含まれている代表的な乳酸菌の種類とは?市販のヨーグルト製品に含まれている具体的な乳酸菌の種類
詳しくは前々回の記事でまとめたように、乳酸菌と呼ばれる糖類を養分として分解することによって乳酸をつくる働きをする細菌のグループに分類される代表的な細菌の種類なかでも、ヨーグルトやチーズなどの乳製品の製造に利用される主な細菌の種族としては、
棒状の形状をした乳酸桿菌に分類される乳酸菌にあたるラクトバチルス属や、球形の形状をした乳酸球菌に分類される乳酸菌にあたるストレプトコッカス属といった細菌の種族の名が挙げられることになるのですが、
それでは、
ブルガリアヨーグルトやビヒダスヨーグルト、チチヤスヨーグルトといった日本国内において広く流通している一般的なヨーグルト製品の中には、実際には、具体的にどのような種類の乳酸菌が含まれていると考えられることになるのでしょうか?
ヨーグルト製品に含まれる代表的な乳酸菌の種類
上記の図において示したように、
明治のブルガリアヨーグルトや森永のビヒダスヨーグルト、チチヤス乳業のチチヤスヨーグルトやフジッコのカスピ海ヨーグルト、さらには、
雪印のナチュレや、ヤクルトのソフールやジョア、ダノンのBIOや日本ルナのバニラヨーグルト、そして、明治のLG21とR-1などといった
日本国内において広く流通している一般的なヨーグルト製品に含まれている代表的な乳酸菌の種類は、大きく分けて、
ストレプトコッカスとラクトコッカスという球状の形状をした乳酸球菌に分類される細菌の種族と、
ラクトバチルスとビフィドバクテリウム(ビフィズス菌)という棒状の形状をした乳酸桿菌に分類される細菌の種族という
全部で四つの乳酸菌の種族へと分類されていくことになると考えられることになります。
市販のヨーグルト製品に含まれている具体的な乳酸菌の種類
そして、
こうしたそれぞれのヨーグルト製品に含まれている具体的な乳酸菌の種類について、もう少し詳しく説明していくと、
例えば、
明治のブルガリアヨーグルトや、チチヤス乳業のチチヤスヨーグルトといったヨーグルト製品には、
乳酸球菌の一種であるストレプトコッカス属に分類されるストレプトコッカス・サーモフィルス(サーモフィルス菌)と呼ばれる細菌と、
乳酸桿菌の一種であるラクトバチルス属に分類されるラクトバチルス・ブルガリクス(ブルガリア菌)と呼ばれる細菌が主に含まれていて、
こうしたサーモフィルス菌とブルガリア菌と呼ばれる二種類の乳酸菌の相乗効果によって、効率的な乳酸発酵が進められていくことになると考えられることになります。
そして、それに対して、
同じ明治が製造しているヨーグルト製品のなかでも、LG21やR-1といった商品名のヨーグルト製品においては、主に、ラクトバチルス属に分類される乳酸菌だけが配合されていて、
これらの商品においては、同じラクトバチルス属に分類される乳酸桿菌のなかでも、人間の免疫力を強化するような特殊な効果が高められた特別な乳酸菌の種類が配合されていて、
LG21という商品名の由来となったLG21乳酸菌(Lactobacillus Gasseri OLL2716株)には、胃ガンの発生のリスク要因の一つともされているピロリ菌の活動の抑制効果があるとされているほか、
R-1という商品名の由来となったR-1乳酸菌(Lactobacillus bulgaricus OLL1073R-1株)には、インフルエンザウイルスに対する感染抑制効果などがあるといった報告がなされています。
また、その他にも、
フジッコのカスピ海ヨーグルトには、主にチーズなどの乳製品の製造に用いられることが多い乳酸球菌の一種であるラクトコッカス属に分類されるラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)と呼ばれる乳酸菌の種類が用いられていて、
それに対して、
ヤクルトのソフールや、飲むヨーグルトとして有名なジョアなどのヨーグルト製品には、主に、乳酸桿菌の一種であるラクトバチルス属に分類される
ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株と呼ばれる耐酸性に優れた性質を持つことによって、胃酸によっても死滅することなく腸内まで届くことに特化した乳酸菌の種類が使用されていると考えられることになります。
また、
雪印のナチュレには、乳酸桿菌の一種であるラクトバチルス属に分類されるラクトバチルス・ガセリ(ガセリ菌)のほかに、ビフィドバクテリウム属すなわちビフィズス菌の一種に分類されるビフィドバクテリウム・ロングムと呼ばれる細菌の種類も含まれていて、
こうしたビフィズス菌が配合されているヨーグルト製品の種類としては、その他にも、
森永のビヒダスヨーグルトや、ダノンのBIO、日本ルナのバニラヨーグルトといったヨーグルト製品の名前が挙げられることになると考えられることになるのです。
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次回記事:乳酸菌が腸内に定着せずに死滅したとしてもヨーグルトが腸内環境の改善に役立つと考えられる具体的な理由とは?
前回記事:ビフィズス菌と乳酸菌の違いとは?生物学的な分類や利用できる栄養素の違いなどに基づく四つの主要な特徴と性質の違い
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