マイコプラズマという細菌の名称の由来と一般的な細菌との大きさの比較

回の記事では、球菌桿菌らせん菌といった一般的な細菌のグループに分類することができない特殊な構造をした細菌の種族のなかでも、リケッチアと呼ばれる偏性細胞内寄生菌に分類される多形性で小型の細菌の種族の具体的な特徴について詳しく考察してきましたが、

そうした一般的な細菌のグループに分類されることがない特殊な細菌の種族としては、その他にも、マイコプラズマと呼ばれる細菌の種族の名が挙げられることになると考えられることになります。

そこで、今回の記事では、

そうしたマイコプラズマと呼ばれると呼ばれる特殊な細菌の種族具体的な特徴について、細菌の名称の由来や、一般的な細菌との大きさの比較といった観点から詳しく考察していきたいと思います。

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マイコプラズマという細菌の名称の由来となったギリシア語の二つの言葉

そうすると、まず、

マイコプラズマ(Mycoplasmaと呼ばれる細菌の種族は、生物学的な分類においては、細胞壁を持たない小形で多形性のグラム陰性嫌気性細菌の一種として位置づけられることになるのですが、

こうしたマイコプラズマという細菌の名称自体の由来は、以下で述べるような古代ギリシア語における二つの単語のうちに求められることになると考えられることになります。

こうしたMycoplasma(マイコプラズマ)という学名は、

ギリシア語において「キノコ」や「真菌」のことを意味するμύκηςmykes、ミュケース)という名詞と、

同じくギリシア語において、もともとは「形づくる」「型に流し込む」といった意味を表す言葉であったπλάσσωplasso、プラソー)という動詞から派生してできたπλάσμαplasma、プラズマ)という言葉が結びついてできた言葉であると考えられ、

それは、本来は、

「型に流し込まれて形状を変えていく真菌」、すなわち、「不定形な真菌」といった意味を表す言葉であったと考えられることになります。

それでは、なぜ、

キノコやカビといった真菌と呼ばれる生物の種族ではなく、細菌に分類されるはずの微生物であるマイコプラズマに対して、こうした「不定形な真菌」といった意味を表す奇妙な呼び名が付けられることになったのか?

ということについてですが、それについては、

こうした現代においてはマイコプラズマと呼ばれている微生物が最初に発見された際に、

この微生物の本体にあたる細胞体から枝分かれしていくように分岐していくことになるフィラメントと呼ばれる糸状の構造体キノコやカビなどの生物が形成される菌糸体の構造によく似ていたため、

そうしたキノコやカビなどと同じ真菌の一種として誤認されてしまうような形で、命名がなされることになり、

そうした一連の経緯から、

本来は、細胞壁を持たない小形で多形性のグラム陰性嫌気性細菌の一種として分類されるはずのこうした微生物に対して、

「不定形な真菌」といった意味を表す「マイコプラズマ」という奇妙な呼び名が付けられることになったと考えられることになるのです。

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マイコプラズマと一般的な細菌との大きさの比較

そして、

こうしたマイコプラズマと呼ばれる細菌の種族の大きさについて、球菌や桿菌といった一般的な細菌のグループに分類されることになる細菌の種類と比較していくと、

一般的な球菌の大きさがだいたい直径1マイクロメートル(0.001mmくらいであり、一般的な桿菌の大きさがだいたい長径の長さが110マイクロメートルくらいであるのに対して、

通常の状態では球形や卵型の形状をしているマイコプラズマの大きさは、それよりもだいぶ小型の直径0.10.3マイクロメートルくらいの大きさをしていると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうしたマイコプラズマと呼ばれる細胞壁を持たない多形性の細菌の種族は、数多くの病原体や常在菌の種類が分類されることになる細菌と呼ばれる生物のグループのなかでも、最小の部類に属する特殊な細菌の種族として位置づけられることになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:マイコプラズマの具体的な三つの特徴と分類される代表的な四つの細菌の種類

前回記事:リケッチアの具体的な三つの特徴とリケッチアを病原体とする代表的な細菌感染症の種類

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