球菌に分類される代表的な細菌の種類とは?②肺炎球菌と溶連菌(化膿レンサ球菌)の具体的な特徴と症状の違い
前回の記事では、球菌と呼ばれる細菌のグループに分類されることになる
黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、腐性ブドウ球菌、肺炎球菌、化膿レンサ球菌(溶連菌)、髄膜炎菌、淋菌、ストレプトコッカス・ミュータンス、モラクセラ・カタラーリス(カタル球菌)、乳酸球菌、腸球菌、ペプトコッカス
といった全部で12種類の代表的な球菌の種類のうち、
はじめに挙げた黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌と腐性ブドウ球菌という三種類のブドウ球菌における具体的な特徴の違いについて考察しましたが、
今回の記事では、それに引き続いて、
その次に挙げた、肺炎球菌と化膿レンサ球菌(溶連菌)という連鎖球菌と呼ばれる細菌の種族に分類されることになる代表的な二種類の細菌の種類について順番に取り上げたうえで、
こうした連鎖球菌と呼ばれる細菌の種族の大きさや形状の特徴や、肺炎球菌と溶連菌と呼ばれる二種類の代表的な連鎖球菌によって引き起こされる具体的な症状の違いといったことについて詳しく考察していきたいと思います。
連鎖球菌に分類される細菌の大きさや形状などの具体的な特徴
まず、冒頭でも述べたように、
こうした肺炎球菌と化膿レンサ球菌(溶連菌)と呼ばれる二つの細菌は、両方とも、
無数の球菌が鎖状に連なった形状を形成している連鎖球菌(レンサ球菌)と呼ばれる細菌の種族に分類される細菌であり、
こうした連鎖球菌(Streptococcus、ストレプトコッカス)と呼ばれる細菌の種族は、直径 0.8~1.2マイクロメートルくらいの大きさをしたグラム陽性の嫌気性球菌に分類されることになります。
肺炎球菌の具体的な特徴と引き起こされる具体的な症状
そして、このうち、前者の
肺炎球菌(pneumococcus、ニューモコッカス)とは、生物学的な分類においては、α溶血性レンサ球菌に分類される人間の喉や鼻などの粘膜に常在している連鎖球菌の一種であり、
こうした肺炎球菌と呼ばれる連鎖球菌は、免疫機能が低下した際などに、喉や鼻の粘膜から気管や肺といった呼吸器への感染を広げていくことによって、
高熱や痰を伴う湿った咳といった症状を伴う肺炎の症状を引き起こしていくことになると考えられることになります。
また、その他にも、
こうした肺炎球菌と呼ばれる細菌が、耳管から中耳へと侵入して感染を広げていくケースでは、乳幼児などにおける急性中耳炎の原因となるケースがあるほか、
こうした肺炎球菌を原因とする感染症が重症化していってしまう場合には、細菌が血中において持続的に感染を広げていくことによって高熱や激しい頭痛などの全身症状を引き起こす敗血症の原因となってしまうケースもあると考えられることになるのです。
化膿レンサ球菌(溶連菌)の具体的な特徴と引き起こされる具体的な症状
そして、それに対して、後者の
化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes、ストレプトコッカス・ピオゲネス)とは、生物学的な分類においては、A群β溶血性レンサ球菌に分類されることになる日本においては溶連菌(ようれんきん)という呼び名で有名な連鎖球菌の一種であり、
人間の喉の粘膜や消化管や皮膚などに生息する常在菌の一種として位置づけられることになります。
しかし、その一方で、
こうした化膿レンサ球菌あるいは溶連菌に分類されることになる連鎖球菌のなかには、飛沫感染や接触感染などを通じて人間の体内において急速に感染を広げていくことによって、人体に対して強い炎症性の症状を引き起こす細菌の種類もあり、
こうした化膿レンサ球菌あるいは溶連菌を原因とする感染症においては、
溶連菌感染症といった呼び名で有名な口蓋扁桃(扁桃腺)に化膿を伴うような急激な炎症が引き起こされることによって、38度以上の高熱や強い咽頭痛などの症状が引き起こされることになる急性咽頭炎の症状が引き起こされることがあるほか、
猩紅熱(しょうこうねつ)と呼ばれる高熱や喉の痛みと共に、紅色の細かい粒状の独特の発疹を特徴とする小児に多く発症することになる感染症が引き起こされることもあると考えられることになります。
また、その他にも、
こうした化膿レンサ球菌の感染においては、かなり稀なケースではあるものの、そうした化膿レンサ球菌に特徴的な化膿を伴うような急激な炎症の進展によって、壊死性筋膜炎などといった病状の進行が非常に速い致死性の疾患が引き起こされてしまうケースもあり、
壊死性筋膜炎においては、化膿レンサ球菌などの細菌による感染の拡大が体内において急速に進展していくことによって、高熱や全身の強い痛みなどと共に、手足の末端部分などから壊死が急速に進行していってしまうことによって、病状が命に関わる重篤な状態へと進展していってしまうことになるため、
こうした化膿レンサ球菌と呼ばれる球菌は、桿菌の一種として分類されるビブリオ・バルニフィカスといった細菌の種類などと共に、
人体を構成する全身の細胞を食い尽くそうとするかのように急速に破壊していく人食いバクテリアとも呼ばれることがある細菌の一種としても位置づけられることになるのです。
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次回記事:球菌に分類される代表的な細菌の種類とは?③髄膜炎菌と淋菌というナイセリア属に分類される二つの双球菌の具体的な特徴
前回記事:球菌に分類される代表的な細菌の種類とは?①黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌と腐性ブドウ球の具体的な特徴の違い
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