寄生虫の大きさはどのくらいのなのか?代表的な56種類の寄生中の大きさの比較とランキング
前回までの一連の記事では、原虫や吸虫、条虫や線虫といった人間に対して寄生虫感染症を引き起こす原因となる代表的な寄生虫の種類について詳しく考察してきましたが、
こうした寄生虫に分類される生物は、一般的に言って、だいたいどのくらいの大きさをしていると考えられることになるのでしょうか?
今回の記事では、これまでに取り上げてきた全部で56種類にもおよぶ代表的な寄生虫の種類について、体長の長さが長い順にランキング形式で並べていくような形で、
そうした原虫・吸虫・条虫・線虫のいずれかに分類されることになる寄生虫の大きさについてまとめて図示していく形で記述していきたいと思います。
寄生虫感染症の原因となる代表的な寄生虫の大きさの比較
一般的な寄生虫の大きさ=1mm~30cm
そうすると、まず、
上記の図において示したように、寄生虫に分類される生物は、だいたい1ミリくらいから大きくても数十センチくらいのものが多く、
線虫や吸虫に分類される寄生虫のすべて、そして、条虫に分類される寄生虫の大部分が、こうした1mm~30cmくらいの体長の長さの範囲におさまることになると考えられることになります。
具体的には、
回虫(かいちゅう)や蟯虫(ぎょうちゅう)、フィラリアという呼び名で有名な糸状虫(しじょうちゅう)、肝吸虫や日本住血吸虫、
エキノコックス属に分類される単包条虫や多包条虫、宮崎肺吸虫や横川吸虫といった人体に寄生することで有名な代表的な寄生虫の種類のだいたい70%くらいは、こうした1mm~30cmの体長の長さの範囲に位置づけられることになると考えられることになるのです。
人間に寄生する最大の寄生虫の大きさ=10m
そして、それに対して、
1メートルを超えるような長大な長さをもつ寄生虫は、すべて条虫と呼ばれる寄生虫の種族に分類されることになり、
こうした条虫に分類される寄生虫の中でも人間に寄生する最大の寄生虫としては、無鉤条虫(むこうじょうちゅう)や広節裂頭条虫(こうせつれっとうじょうちゅう)、日本海裂頭条虫といった体長の長さが最大で10mにも達するような寄生虫の種類の名が挙げられることになります。
ちなみに、
そうした人間に感染する寄生虫の種類の内には含まれないものの、条虫と呼ばれる種族に分類される寄生虫の中には、クジラの腸に寄生する条虫の一種であるテトラゴノポラスと呼ばれる体長が30メートルを超えるような寄生虫も存在していて、
現在の生物学においては、これまでのところ、こうした30mくらいの体長の長さが世界最大の寄生虫の大きさとして位置づけられていると考えられることになるのです。
人間に寄生する最小の寄生虫の大きさ=0.002mm
また、その一方で、
線虫と吸虫そして条虫以外のもう一つの寄生虫の種族として挙げられている原虫には、体長が100マイクロメートルすなわち0.1ミリにも満たないような非常に微小な寄生虫が数多く分類されていて、
そうした原虫に分類される微小な寄生虫の種類のなかでも、人間に寄生する最小の部類として位置づけられる寄生虫としては、
マラリア原虫やバベシア、リーシュマニアといった直径わずか2~5マイクロメートル、すなわち、0.002mm~0.005mmくらいの寄生虫の種類の名が挙げられることになります。
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以上のように、
寄生虫と呼ばれる生物の種族には、体長が0.002mmから10mを超える種類に至るまで、様々な大きさをもった生物の種類が分類されていると考えられることになるのですが、そうした様々な種類の寄生虫のなかでも、
一言でまとめると、
だいたい70%くらいの寄生虫は、1mm~30cmの体長の長さの範囲に位置づけられることになるのに対して、
人間に寄生する最大の寄生虫の大きさは体長10mくらい
人間に寄生する最小の寄生虫の大きさは直径0.002mmくらい
の大きさをしていると考えられることになるのです。
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次回記事:球菌に分類される代表的な細菌の種類とは?①黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌と腐性ブドウ球の具体的な特徴の違い
前回記事:寄生虫の代表的な種類のまとめ、寄生虫感染症の原因となる56種類の代表的な寄生虫の種類
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